① 期日をすぎても確定申告で取り戻せる還付金がある
② 期日までに確定申告しないと還付金もらえないケースがある
③ 海外投資をしていたら外国税額控除の適応が受けられることがある
「確定申告忘れてた・・・還付金もらえるはずだったのに」
期日の3月15日が過ぎても、申請できるケースとできない場合があります。確定申告の期日を過ぎても、医療費控除や寄付金控除(ふるさと納税など)は原則として申告期限から5年以内であれば請求できます。
一方で配当金などについて、確定申告不要を選択していたにも関わらず、期日過ぎてから「やっぱり総合課税にして配当控除の申請したいです」と言っても受け付けてくれません。昨日、実際に税務署に相談に言ってきましたので、まとめてみました。
確定申告時に申告忘れたら還付金もらえないケース
原則、申告期日から5年以内であれば有効とされる「更正の請求」はどんな時でも適応されるわけではありません。
(1)確定申告期日後はもらえないケース
・配当控除
・外国税額控除
・住宅借入金等特別控除
※一例です。
これらはいずれも「確定申告不要」を選択すると適応されません。“選択”といっても確定申告時にこちらから申告しない限り、「確定申告不要を選択した」とみなされます。つまり確定申告の期日を過ぎてしまったら取り返しがつかない控除と言えます。
別の言い方をすれば、確定申告を要しない所得として正式に税制度を適用したとみなされます。
(2)確定申告期日後でももらえるケース
・医療費控除(セルフメディケーション税制か選択可)
・寄付金控除(代表はふるさと納税)
※一例です。
原則、年間医療費が10万円超えたら適応される医療費控除や、ふるさと納税を代表とする寄付金控除も更正の請求ができます。
医療費控除
・実際に支払った医療費の合計額 – 保険金の補てん金額(生命保険の入院費給付金など) - 10万円で計算
・限度額で200万円
・総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額
(3)更正の請求とは
平たく言うと「確定申告の申告もれがあっても5年間は還付などの請求ができる」ということです。たとえば、以下のようなケースです。事業主だけでなく、会社員でも還付金は関わる内容が多いです。
・ふるさと納税の寄附金が住民税から正しく控除されていなかった
・医療費控除や住宅ローン控除などの各控除について記入漏れがあった
・二重計上で売上を過大に確定申告してしまっていたことに気づいた
・事業で使った必要経費の計上がもれていた
外国税額控除を実際に計算してみた
まずは以下の2点をご用意ください。もし確定申告の期日に間に合っていたら・・・で実際に計算してみます。
・特定口座年間取引報告書(証券会社のHP)※特定口座でない場合もあり
・申告内容確認票B(確定申告書です)
(1)外国税額控除はいくらになったのか?
結論、943円になりました。
所得額は仮設定ですが、計算結果は大きくズレない数値にしています。
特定口座年間取引報告書で確認できるは以下の数値です。
なお構成比は税率になります。米国で10%課税され、さらに国内20%(所得税15%、住民税5%)課税されています。
つまり米国で10%課税後なので所得税13.8%(15%×90%)、住民税4.5%(5%×90%)となります。
↓実際の計算結果がこちら↓
内容 | 金額 | 構成比 | |
① | 配当等の額 | 22,638 | 100.0% |
② | 外国所得税 | 2,259 | 10.0% |
③ | 所得税 | 3,119 | 13.8% |
④ | 住民税 | 1,018 | 4.5% |
⑤ | 税額合計 | 6,396 | 28.3% |
⑥ | 税引き後手取り | 16,242 | 71.7% |
(2)外国税額控除の計算方法
943円 = その年の所得税額(250,000円) × その年の国外所得(22,638円) / その年の所得総額(6,000,000円)
※その年の所得税額:確定申告書㊺(所得税及び復興特別所得税の額)
※その年の国外所得:今回は外国株配当金のみ
※その年の所得総額:確定申告書⑫(所得金額等合計)
(3)外国税額控除が適応されないケース
① NISA口座
NISA口座には適応されません。なぜならNISAについては非課税ですので、二重課税(外国税、所得税)になっていないからです。
② 国内ETF
国内ETFに関しては自動的に二重課税調整が行われます(2020年1月1日以降)。確定申告は不要です。
令和4年度の申告はこうする
外国税額控除については悔やんでも取り返しがつきませんが、来年の確定申告(令和4年度の申告)はもれなく臨みたいところです。
(1)退職して今年中に再就職する予定がない場合
必ず確定申告しましょう。多くのケースで所得税が還付されます。年の途中で退職したまま再就職しない場合は、年末調整を受けることができず、所得税が納めすぎであることがほとんどです。
なお、年末調整せずに所得税を納め過ぎた時の還付についても退職した翌年以降5年以内であれば請求可能です。
(2)各種控除
■前年もした各種配当控除
・医療費控除
・寄付金控除
■前年にしなかった各種控除
・外国税額控除(リベンジです)
・配当控除(国内株もあるため)
配当控除は15%程度の減税させられる見込みです。今年は所得が少ない分、総合課税申告すればおそらくMAXの15%減税です。ただし国外株は配当控除が適応されません。配当控除は別記事でご紹介いたします。
どんな人も税金に強くなる必要がある
税金はとても複雑です。すべてを理解するのは容易ではありませんが、わからないことあれば公的機関の税務署に相談もできます。公的機関は無料です。「少しでも節税できないか?」と常にアンテナはっておきましょう。
・確定申告は原則やった方が得
・確定申告もれがあっても5年以内なら請求できることがある
・投資をしていれば配当控除や外国税額控除も忘れずにやる
・退職して無職期間があり年末調整ない時は必ず確定申告で所得税還付を受ける
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サラリーマン、はじめての確定申告で 18,928円の還付金発生した件 – 退職の寺子屋 (ztmhiro.com)
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