☑源泉徴収票の見方がよくわからないけど、毎年やり過ごしている
☑納税は国民の義務なので仕方ないと思っている
☑サラリーマンでも節税がしたい
源泉徴収票の見方よくわからない。見方を調べようと思うけど、調べたところで意味がない…とあきらめている方も多いのではないでしょうか。
私もつい最近までは同じように考えていました。
しかし源泉徴収票の見方がわかると得することが多々あります。
具体的には節税です。サラリーマンも無縁ではありませんよ。お金を貯めるためには税金の理解は必須です。
本記事では、なぜ源泉徴収票の見方がわかると得するのか?源泉徴収票はどうやって見るのか?をお伝えいたします。
場合によっては税金が還付されお金が入ってくるかもしれませんし、少なくとも税金で損しにくくなります。
・源泉徴収票を理解しておくと、税金で損しにくい
・サラリーマンでも確定申告をすることで税金を取り戻せる
・税金の仕組みはざっくりでも理解しておくと損しにくい
・控除をふやせば、税金はへらせる
・税金のルールをぼんやり知っているのが大事。あとは調べればいい。
源泉徴収票とは?
まずは源泉徴収票とはどんなものなのか?概要をつかんでおきましょう。
(1)源泉徴収票が発行される目的は?
給与などの総支給額と支払った所得税額を証明するための書類です。
源泉徴収とは、源泉(支払元)から税金(所得税)を徴収する、という意味です。
(2)源泉徴収票には何が書かれているのか?
給与年収、所得控除、社会保険料、所得税総額などが記載されています。
なお、毎月の給与・賞与から源泉徴収された所得税の金額と、実際に支払う金額の差額を調整する仕組みが年末調整です。
(3)源泉徴収票が必要なタイミングは?
主に以下の3つの場面で必要になります。
☑転職時
☑確定申告をする時
☑収入の証明時
転職時に、新しい職場で正しく年末調整をしてもらうために必要です。
サラリーマンでも副業収入が年間で20万円を超えたりすると、確定申告が必要なことがあります。
また収入の証明は、住宅ローンなどのローンを組む時や、クレジットカードのキャッシング枠を設定する時に源泉徴収票が必要になります。
なぜ源泉徴収票の見方を知っておくと損しない3つの理由
サラリーマンにとっては、知っていなくても影響なさそうな源泉徴収票ですが、見方を理解しておかないと損することがあります。
(1)源泉徴収票のまちがいに気づける
源泉徴収票に記載されている金額がまちがっている?私もサラリーマン時代にそんなことを疑ったことありませんが、意外とあります。人がチェックしていますからね。ヒューマンエラーというやつです。
たとえば…
☑支払金額がちがう
☑住宅ローン控除がもれている
☑扶養の人数がちがう
これらのまちがいが発生すると、控除額が減り、税金が増えます。(控除額の説明は次の章でお話します)場合によっては10~20万円も損します。
源泉徴収票のまちがいに気づいたら、すぐに会社に訂正依頼しましょう。場合によっては、年末調整だけでなく、確定申告をする必要が出てくるかもしれません。
(2)悪徳業者に悪用されない
たとえば、銀行員やファイナンシャルプランナーに人生設計や投資について相談したとします。
すると「資産状況を確認した上で話を進めたいです。源泉徴収票を見せてもらえませんか?」と言われるかもしれません。
信頼できる人であれば良いのですが、悪徳業者であれば悪用されるかもしれません。
源泉徴収票を見れば、あなたの家族構成、お金の流れの一部がわかりますからね。
源泉徴収票の重要性を理解していれば、安易に業者には見せないでしょう。
(3)税金を取り戻せることがある
税金の仕組みはとても難解です。
私もファイナンシャルプランナーの勉強をしてようやく理解が進んできましたが、サラリーマン時代は全くわかっていませんでした。
「でもサラリーマンの税金はどうしようもないのでは?」と思われる方も多いかもしれませんが、サラリーマンでも税金の還付を得る方法はあります。
たとえば…
☑医療費控除
☑ふるさと納税
☑住宅ローン控除(2年目以降は年末調整で可)
これらは確定申告により控除額をふやす(税金をへらす)ことができます。
私もサラリーマン時代、2万円弱の税金を還付してもらうことができました。
源泉徴収票の見方がわかれば、一部ですが税金についての知識が身に付きます。
税金の仕組み(超簡易)
源泉徴収票の見方の前に、予備知識として税金の仕組みを理解する必要があります。…とはいえ、本記事では簡素化して、部分的にお伝えしますので構えなくて大丈夫です!
(1)所得って?控除額って?課税所得って?
まずは税金がどのようにかかっているのかの基本の話です。
以下の図をご覧ください。
私もそうでしたが、「税金は収入金額に課税されるもの」と思われがちです。
しかし実際には、
① 収入金額(いわゆる額面金額) - 経費
② ① - 控除額
③ ② × 一定の税率(所得税率) ⇒ 所得税額
といったように3ステップの計算があります。
※サラリーマンは経費部分が「給与所得控除」です。
(2)所得税とは?
税法上、所得は10種類に分類されます。
☑給与:給与や賞与
☑事業:副業など
☑利子:公社債や預貯金の利子など
☑配当:株式の配当など
☑譲渡:マイホーム売却など
☑不動産:不動産の貸付など
☑一時:満期保険金など
☑退職:退職金など
☑山林:山林を伐採して売却など
☑雑:公的年金など
また所得税は1年間の全ての所得から所得控除を差し引いて、課税所得に税率を適用し税額を計算します。
所得税率は以下の通りです。
引用:国税庁「所得税の税率」
(3)社会保険料控除
税金をへらしてくれる控除は様々ありますが、金額が大きいのは社会保険料控除です。
会社員であれば、国民健康保険料や厚生年金保険料を支払っています。
実はこれらの保険料は全額控除額に入ります。
労働者にとっては所得税や住民税が大きな負担になりますので、支払った社会保険料の全額を控除して税負担を減らしてくれています。
源泉徴収票の見方
源泉徴収票をお手元にご用意ください。
(1)源泉徴収票の概要
大きく4つに分けると理解しやすいです。
A:支払金額(年収)、給与所得控除後金額
B:扶養家族情報、配偶者控除額など
C:各種控除
D:Bの内訳
引用:国税庁「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」
(2)A:支払金額(年収)、給与所得控除後金額
左から確認してみてください。
☑支払金額:いわゆる額面の年収
☑給与所得控除後の金額:下記を参考に計算してみてください
☑所得控除の合計額:各種控除の合計額+基礎控除48万円
☑源泉徴収税額:所得税の合計金額
※基礎控除もルールありますが、ほとんどの方が一律で48万円です。
※給与所得控除の計算は以下の通りです。サラリーマンの概算経費のようなものです。ちなみに通勤手当は含まれません。
引用:国税庁「給与所得控除」
(3)B:扶養家族情報、配偶者控除額など
☑控除対象配偶者の有無
⇒ 配偶者がいれば有。「老人」は70歳以上の方で48万円の控除があります。
☑配偶者(特別)控除の額
⇒ 配偶者の所得が一定以下であれば、所得税38万円、住民税33万円の控除があります。配偶者の所得が48万円を超えると“特別“になりますが、一旦同じようなものと思って大丈夫です。
☑控除対象扶養親族の数
⇒ 特定扶養親族がいれば63万円の控除があります。特定扶養親族とは、一般にお金がかかる19歳以上23歳未満の方をいいます。
☑16歳未満の扶養親族の数
⇒ 控除対象外の扶養親族です。なぜ控除の対象外かというと、彼らには子ども手当が支給されているからです。手当を控除も受けるのは不公平とのこと。
☑障害者の数
⇒ 障害者控除が27万円あります。障害等級が1級か2級の方は特別障害者として40万円の控除があります。私の父親は10ヶ月前に半身不随になり、特別障害者になりましたので控除が受けられます。
(4)C:各種控除
☑社会保険料
⇒ 健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料、雇用保険料など
※内訳の金額は給与明細で確認できる
☑生命保険料
⇒ 「一般生命」「介護医療」「個人年金」の3種類があり、上限が合計で12万円
☑地震保険料
⇒ 5万円以下なら支払金額の全額、上限が5万円。
☑住宅借入金等特別控除
⇒ いわゆる住宅ローンで、初年度だけは確定申告が必要。2年目以降は年末調整でいい。
お金を貯めるには攻めより守り
多くの人がお金を貯めたいと思い、少しでも稼ごう(攻め)と考えます。
少しでも残業代を、少しでも副収入を得て、収入を増やそうと。
まちがいではありませんが、お金を減らない(守り)努力も大事かと思います。
何もケチってお金を貯めようという話ではなく、うまく控除を活用して、確定申告で税金の還付を受けたり、知っていれば手を打てることはあります。
源泉徴収票の見方もお金を“守る”一環かと思いますので、是非とも関心持っていただけると幸いです。
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・源泉徴収票を理解しておくと、税金で損しにくい
・サラリーマンでも確定申告をすることで税金を取り戻せる
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