☑再就職手当もらった方がいいタイミングはいつなのか?知りたい
☑再就職手当はもらった方が得なのか?よくわからない
☑再就職手当をもらい忘れたらあきらめるしかない、と思っている
再就職手当をもらわず、失業手当をもらい切るが手当受給総額は多くなります(自己都合で一定条件での話です)。ただし働いた方が賃金得られますので、手取りは多くなります。
また再就職後、すぐに転職するならもらわない方が良いケースもあります。
本記事では実際に手当受給額を計算してみましたので、あなたならどうなのか?を検証してみましょう。
・再就職手当以外にも就業促進定着手当など就業促進給付がある
・再就職手当をもらわなくても損ばかりではない
・が、基本的にはもらえる時にもらっておいた方がいい
・長期的目線で考えれば、早期に就職活動し、再就職をするのが得策
就職促進給付とは?
「就業促進給付」の中に再就職手当があります。
雇用保険の失業等給付の「就職促進給付」のうち就業促進手当として再就職手当、就業促進定着手当、就業手当、常用就職支度手当などがあります。
特に再就職手当は詳しくみていきましょう。
(1)再就職手当|再就職のお祝い金
失業手当の受給資格がある人が安定した職業に就いた場合にもらえる手当です。
①受給できる金額
・失業手当の支給残日数が3分の2以上 ⇒ 支給残日数×70%×基本手当日額
・失業手当の支給残日数が3分の1以上 ⇒ 支給残日数×60%×基本手当日額
※基本手当日額の上限額は6,190円(60歳以上65歳未満は5,004円)です。
②受給条件
・失業保険受給手続き後、7日間の待期期間満了後の就職である。
・就職日(入社日)の前日までの失業手当の支給残日数が3分の1以上ある。
・再就職先に1年を超えて勤務することが見込める。
・2ヶ月の給付制限(自己都合退職)がある場合、1ヶ月目はハローワークもしくは人材紹介会社の紹介で就職を決める。
・離職前の事業主に再雇用されたものではない。
・受給資格決定(求職申し込み)前から採用が内定していた再就職ではない。
・就職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けていない。
正社員でなくパートやアルバイトとして再就職した場合でも、1年以上継続して勤務する予定があれば再就職手当の対象です。
また個人事業主も開業届の提出が必要ですが、条件満たせば再就職手当の対象です。
(2)就業促進定着手当|再就職で給料下がった時の手当
簡単に言うと、転職で給料が下がった場合に受け取れる手当で、条件は以下の通りです。
①再就職手当の支給を受けている
②再就職先に6ヶ月以上雇用されている
③「転職後の賃金日額」が「離職前の賃金日額」の下回っている
③についてですが「賃金日額」とは、以下の計算式で算出されます。給与総額なので賞与は含みませんが、残業手当や交通費は含まれます。
賃金日額 = 退職前6ヶ月間の給与総額 ÷ 180
(3)就業手当|短期的な就業への手当
再就職手当のように失業手当の支給日数が一定以上残っている時にもらえる手当です。
再就職手当とのちがいは“1年未満の短期的な就業”に対しての手当です。
ただし受給額は失業手当の30%以下です。
(4)常用就職支度手当|就業が困難な人への手当
高年齢受給資格者、特例受給資格者など就職が困難な人が安定した職業に就いた場合にもらえる手当です。
再就職手当のルールはこうなっている
再就職手当をもらわなかった、もしくはもらった場合はどうなるのか?みていきましょう。
(1)再就職手当をもらい損ねた場合
再就職手当は2年の時効の期間があります。
あきらめずにハローワークに相談、申請しましょう。
(2)失業手当も再就職手当ももらわなかった場合
失業手当も再就職手当をもらわなければ、“雇用保険受給の権利”が残ります。
今まで掛けていた雇用保険(1年間の空白期間がないのが条件)を再就職先につなげることできます。
「直近2年間に12ヶ月以上、雇用保険加入期間があること」が雇用保険受給条件です。
(3)再就職手当をもらった場合
3年間は受け取れません。再就職手当または常用就職支度手当を3年以内にもらっていると受け取れないです。
(4)自分で仕事を見つけた時の再就職手当はどうなる?
もらえます。
ただし待機期間終了の1ヶ月後〜失業保険受給日数が3分の1以下になるまでです。
「待機期間終了の1ヶ月後」はハロワークからの紹介のみ、「失業保険受給日数が3分の1以下」は再就職手当が受給できなくなるタイミングです。
(5)内定日をごまかして、再就職手当もらおうとするとバレますか?
バレます。
再就職先の会社が「再就職手当支給申請書」の事業主欄に記入をしてもらう必要があります。
この事業主欄に「内定日」があるため、バレます。
再就職手当をもらわなかったらメリットある?デメリットある?
自己都合退職を前提に話を進めます。会社都合退職の方は以下の内容から“給付制限を差し引いて“と考えてもらいたいです。
(1)再就職手当の受給金額を計算してみましょう
計算式は以下の通りです。
再就職手当 = 支給残日数 × 基本手当日額 × 〇〇%(受給率)
【必要な情報】
・ご年齢(60歳未満 OR 60~65歳)
・支給残日数
・基本手当日額
・所定給付日数
【支給残日数】
「雇用保険受給資格証(裏面)」で確認できます。
【基本手当日額】
「雇用保険受給資格証(表面)」の19番で確認できます。
【所定給付日数】
引用:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
【支給率算式】
・支給残日数が所定給付日数の2/3以上ある場合:70%
・支給残日数が所定給付日数の1/3以上ある場合:60%
(2)再就職先手当を3パターンで数値検証してみる
以下の仮設定で検証してみます。
・年齢:43歳
・雇用保険被保険者期間:14年間(所定給付日数:120日)
・賃金日額:6,910円
・退職日:2022年5月31日
・雇用保険資格取得日:2022年6月10日(ハロワに初めて行った日)
※賃金日額上限:60歳未満 6,190円、60歳以上65歳未満 5,004円です(2022年8月現在)
①退職2ヶ月後に転職する(支給残日数120日)
【金銭面】
手当受給総額:675,960円
・失業手当:0円
・再就職手当:519,960円
・就業促進定着手当:156,000円
・当然、上記に加えて労働収入は発生します。
【就活面】
・無職期間が短く、再就職がしやすい(応募先企業の心証良い)
・今後、転職するにしてもブランクが短く応募先企業に説明しやすい
以下のサイトで具体的数値が計算できます。
計算の中の「支払基礎日数」が初耳の方が多いと思いますが、月給制であれば「休日(週公休)も含んだ日数です(よくわからなければ初期値の183日でOK)。欠勤は引きます。
②退職4ヶ月後に転職する(支給残日数78日)
【金銭面】
手当受給総額:735,912円
・失業手当:290,220円
・再就職手当:289,692円
・就業促進定着手当:156,000円
【就活面】
・再就職先をすぐに辞めても雇用保険が受けられない
※失業手当をもらっているので受給資格(2年間に12ヶ月以上の雇用保険被保険者期間)を失う
※再就職手当は一度もらうと3年間は受け取れません
③失業手当をもらいきって転職する(支給残日数0日)
【金銭面】
手当受給総額:829,200円
・失業手当:829,200円
・再就職手当:0円
・就業促進定着手当:0円
【就活面】
・無職期間が長いため、再就職が困難になることが多い
(3)再就職先手当、3パターンの検証結果
最も金額差が大きかったのが①675,960円、③829,200円、その差は153,240円でした。
金銭的には③失業手当をもらい切るが手当受給総額は多いですね。
一方、①退職から2ヶ月で再就職すると手当受給総額は少ないですが、就活では圧倒的に有利です。また雇用保険を使わなければ再就職先を辞めた時にすぐに雇用保険が使える状態にあります。
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再就職手当の手続きの進め方
具体的な手続き方法を確認しましょう。
(1)ハローワークへ報告
まず再就職が決まったことをハローワークへ報告(電話でいいです)します。
正しい来所日や持参物を聞いておきましょう。
(2)「再就職手当支給申請書」をハローワークで受け取り
ハローワークで申請書を受け取ります。
(3)「再就職手当支給申請書」を再就職先に記入してもらう
再就職先の人事や総務に依頼し、申請書の「事業主欄」に必要事項を記入してもらいます。
(4)ハローワークに必要書類を提出(郵送可)
《必要書類》
・再就職手当支給申請書
・雇用保険受給資格者証
・再就職先勤怠実績がわかるもの
(5)「再就職手当支給決定通知書」が届く
およそ1ヶ月の審査期間を経て、通知書が届きます。
(6)「再就職手当支給決定通知書」提出後、手当が入金される
1週間程度であなたの口座に手当が入金されます。
なお、再就職手当の申請期限は、再就職した日(入社日)の翌日から原則1ヶ月間です。
結局、再就職手当はもらわない方がいいのか?
検証結果通り、目先のお金だけを考えれば失業手当をもらいきる、もしくは再就職手当をもらった方が得です。
しかし数十万円のために半年以上働かず、就職で不利な状況を作り出すのは今後のキャリア形成を考えると得策とは思えません。
失業期間が長引けば、履歴書的にも不利になります。
長期的に考えれば、なるべく早期に再就職する方がお金は稼げます。
タイミングによっては再就職手当と就業促進定着手当(前職より年収ダウンが条件)をもらえるかな、ぐらいの気持ちでいいと思います。
目先のお金にとらわれず、再就職をして将来の自分の価値にかけた方が人生は豊かになると考えます。
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・再就職手当以外にも就業促進定着手当など就業促進給付がある
・再就職手当をもらわなくても損ばかりではない
・が、基本的にはもらえる時にもらっておいた方がいい
・長期的目線で考えれば、早期に就職活動し、再就職をするのが得策