① 月10万円もらいながら職業訓練を受けられる制度がある
② フリーランス・自営業者も給付金が受けられる制度がある
③ 『求職者支援制度』の最新情報あり(受給条件が良くなっている)
「再就職のために資格の勉強したいけど、お金かかるなぁ・・・」
「起業したけど、閉業した。失業保険入っていないし、国の支援は無いよなぁ」
学びたいけどお金がない、そんな方を国は支援してくれます。
全国で2万人以上の方が訓練を受講の実績がある(令和2年度)
『求職者支援制度』は雇用保険に加入していなくても職業訓練が受けられます。
失業手当の受給が終わったけど今後の方向性をこれから見出す方、
雇用保険未加入のパートタイマーさんで正社員を目指す方、
一度起業して閉業した人生やり直そうとしている方、
大歓迎な制度です。
10万円の受給には条件はありますが、
給付金の支給要件を満たさない場合であっても、
無料の職業訓練を受講できますので、積極的に活用してみましょう。
求職者支援制度(訓練)ってどんな制度?
(1)『求職者支援制度(訓練)』と「公共職業訓練」のちがい
『求職者支援制度』は自分がやりたい仕事について学びながらお金がもらえる制度です。
「公共職業訓練と求職者支援制度は何がちがうの?」という
疑問がわいてきそうですので、以下一覧にまとめました。
【『求職者支援制度(訓練)』と「公共職業訓練」のちがい】
公共職業訓練 | 求職者支援制度 | |
主な対象者 | 正社員 | パート、失業者 |
雇用保険 | 受給中 | 受給終了、保険未加入 |
主な訓練内容 | 介護・事務・生産 | 事務系・介護・医療 |
運営主体 | 公共職業訓練校等 | 民間企業・学校・NPO等 |
訓練期間 | 3ヶ月~2年間 | 2~6ヶ月 |
最大の相違点は求職者支援制度は失業保険未加入でも受けられるところです。
失業手当受給期間が終了した方も含みます。
【求職者支援制度3つサポート】
① 毎月10万円+通所手当(※1)+寄宿手当(※2)
② 無料の職業訓練(テキスト代、実習費は受講者負担)
③ 就職サポート
※1:通所手当 :職業訓練実施機関までの通所経路に応じた所定の額(月上限42,500円)
※2:寄宿手当 :月額10,700円
【職業訓練給付金と失業保険は同時にもらえる?】
職業訓練受講給付金も失業保険と同時にもらえません。
失業保険が優先で、
失業保険を受給し終わってからでないと職業訓練受講給付金はもらえません。
(2)厚生労働省(国)はどう考えているか?
厚生労働省の「全国職業訓練実施計画」では以下のような計画をしています。
別に対象者の数字を覚える必要はありませんが、
「国がこんなこと考えているんだなぁ」は理解しておいて損はないです。
たとえば、「全国職業訓練実施計画」からも
以下のような国の考えが見えてきます。
おそらく更にこれらの施策は強化されるでしょうから
国の施策の最新情報にはしっかりアンテナを立てておきましょう。
(特に厚労省、経産省、総務省)
・DXを背景にデジタル人材を増やしたい
・少子高齢化のため“介護” がしやすい環境づくり(介護離職を防ぎたい)
・少子高齢化のため“育児”がしやすい環境づくり(出産してもらいたい)
令和4年度全国職業訓練実施計画のポイント
公的職業訓練について、人材不足が深刻な分野、
成長が見込まれる分野等における人材育成に重点を置きつつ実施する。
■対象者数
- 離職者訓練 約15万人
- 在職者訓練 約6万人
- 学卒者訓練 約6千人
- 障害者訓練 約7千人
- 求職者支援訓練 約5万人
■主な内容
デジタル分野における人材を育成するための訓練の推進
育児や介護等、多様な事情を抱える求職者等が、生活との調和を保ちつつ職業訓練を受講できるよう、その実施期間や時間等について配慮した訓練の推進
オンラインによる訓練の推進
引用:厚生労働省「全国職業訓練実施計画」
(3)受給条件
毎月10万円の給付金受給は、次の要件を全て満たすことが必要です。
① 本人収入(給与・年金・仕送り・養育費などの計)が月8万円以下
② 世帯全体の収入が月25万円以下
③ 世帯全体の金融資産(現金・預金・株・投資信託など)が300万円以下
④ 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
⑤ 全ての訓練実施日に出席している(やむを得ない理由がある場合でも、
支給単位期間ごとに80%以上の出席率がある)
⑥ 世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない
⑦ 過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、
特定の給付金の支給を受けたことがない(失業手当の不正受給とか)
上記が基本的な受給条件ですが、
令和5年3月末までは特例措置があります。
① 月8万円以下から月12万円以下
⇒ 今の職場で正社員転換を目指す方などが、訓練を受講しやすくなった
② 給付金の世帯収入の上限を、月25万円以下から月40万円以下
⇒ 親や配偶者と同居している方でも受講しやすくなった
⑤ 仕事で訓練を欠席せざるを得ない日についても、「やむを得ない欠席」になる
⇒ 急な都合などで訓練を欠席しても、給付金が受給できる
上記は10万円の給付金の受給条件であり、
条件に該当しなくても職業訓練は無料で受講できます。
訓練受講の要件はこちらです。
・ハローワークに求職の申込みをしていること
・雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
・労働の意思と能力があること
・職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと
(4)どんなコースがあるのか?
① コース別
基礎コースと実践コースがあります。
【基礎コース】
社会人として必要とされる基礎的な能力を短期間で習得する内容になっています。
ビジネスマナーやパソコンスキルやキャリアプランの設計等です。
例えばパソコンであれば、
MicrosoftのWord、Excel、PowerPoint等のソフトの使い方を学びます。
【実践コース】
就職を希望する職種で必要となる実践的な技能を習得できるようになっています。
IT関連であれば、表計算や、アプリ開発等の専門的なスキルを学ぶコースもあります。
引用:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」
②具体的な受講コースの調べ方
受講するコースについてはハローワークの窓口でよくよく相談して決めます。
しかし自分が希望するコースや内容がいつでも受けられる(受けたい)場所や期間で
実施されているわけではないので、場合によってはあなたのお住まい以外の
都道府県も検討することになります。
以下の2つの方法でコースは調べられますが、
「各地域の求職者支援訓練の募集案内」
⇒ 各都道府県の労働局HPから確認した方が探しやすいです。
■ハローワークインターネットサービス「職業訓練検索」
ハローワークインターネットサービス – 職業訓練検索・一覧 (mhlw.go.jp)
■厚生労働省「各地域の求職者支援訓練の募集案内」
以下、大阪府の一例です。
引用: 大阪ハローワーク「ハロートレーニング (公的職業訓練) > 求職者支援訓練コース一覧」
こんな人に『求職者支援制度』受講をオススメします
(1)失業期間中の方
失業手当の受給が終わったけど、今後の方向性をこれから見出す方です。
「なかなか再就職が決まらなかった・・・」
「なんだかんか無職でいるうちにブランクができてしまった」
そんな方が資格や技術取得することができます。
異業種異職種への挑戦もできますね。
(2)パートタイマーの方(雇用保険未加入)
雇用保険未加入のパートタイマーさんで正社員を目指す方ですね。
パートタイマーから正社員への転職(社内での正社員登用含む)、
人手不足の今、企業側も積極的に登用しはじめています。
(3)フリーランス・自営業を廃業した方
一度、独立して廃業された方もオススメです。
数少ないフリーランス・自営業向けのセーフティーネットと言えます。
『学び直し』をして新たな道を切り開く手助けをしてくれる制度です。
なお厚生労働省は、公的職業訓練の愛称・キャッチフレーズを
「ハロートレーニング ~急がば学べ~」としているようです。
『求職者支援制度』の手続き・流れ及び必要書類
(1)手続き・流れ
① 制度説明
まずはハローワークで制度の説明を行います
ハローワークの受付で、「訓練の相談を受けたい」旨を伝えましょう。
② 訓練コースの選択
ハローワークで職業相談を受けながら、訓練コースをきめます。
③ 訓練受講の申し込み
ハローワークで、受講の申し込みを実施。
④ 訓練実施機関による選考
訓練実施機関で、選考(面接、筆記など)されます。
⑤ 訓練の受講あっせん
訓練実施機関の選考の合格後、ハローワークが訓練の受講をあっせんされます。
⑥ 訓練受講開始
訓練受講中から訓練終了後3ヶ月、原則として月に1回、
ハローワークに来所し、職業相談を受ける必要があります。
ここで就職活動をサポートがあります。
⑦ 給付金申請
給付金の受給を希望する方は、ハローワークで職業相談を受けた後、
支給申請を行います。給付金は支給申請から、
おおむね1週間程度で指定する金融機関の口座に振り込まれます。
なお、給付金は失業手当同様、非課税です。
(2)必要書類
・番号確認書類(原本):マイナンバーカード、通知カード
・身元(実在)確認書類:マイナンバーカード、運転免許証
・ハローワークから交付された各種様式:受講申込、事前審査書等
・所定の添付書類:住民票、預貯金通帳または残高証明、給付金の振込先となる通帳
急がば、学べ
『求職者支援制度』は「これからステップするぞ!」という方を応援してくれて、
『稼ぐ力』をみがいてくれる、なおかつ給付金まで支給してくれる
ありがたすぎる制度です。
資格の学校もいいですが、まずは「公的機関(無料)で何か無いか?」を
調べてからでも遅くはありません。
国の支援を受けるのが悪いと思う必要はありません。
そのために税金や保険料を払っているわけですから。
ただ気をつけないといけないのは、
目的はお金をもらうことではなく、
『稼ぐ力』をみがくための職業訓練ということです。
給付金はあくまで生活支援です。
訓練を受けてから、いざ就職したら思ったのと違ったりすると
大きな時間のロスになりますので、
ハローワークでしっかり方向性をすり合わせてください。
① 月10万円もらいながら職業訓練を受けられる制度がある
② フリーランス・自営業者も給付金が受けられる制度がある
③ 『求職者支援制度』の最新情報あり(受給条件が良くなっている)
↓↓↓『稼ぐ力』をみがくための記事はこちら↓↓↓
【転職・出世・起業】人生100年時代『学び直し』で『稼ぐ力』を磨く – 退職の寺子屋 (ztmhiro.com)