☑再就職手当以外も手当はないだろうか
☑年収にこだわって転職先がなかなか決まらない
☑できるだけ年収が下がらない転職がしたい
転職により年収が下がることがあります。
転職初年度は以下の理由から特に下がりやすいです。
・まだ実績がないとみなされて給料を低くされる
・タイミングによって賞与が少ない(ない)
・残業が少ない
リクルートワークス研究所が行う「全国就業実態パネル調査2022」によると、転職後1年目に年収が10%以上上がった人の割合は29.3%で、10%下がった人は38.8%もいるんですね。
ただ初年度は厳しいのですが、2年目になると10%以上上がった人は9%もアップします。
引用:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査2022」
転職による初年度の年収減少は国もわかって(?)くれていて、再就職手当以外にも再就職で年収が下がった時にもらえる就業促進定着手当があります。
本記事では、就業促進定着手当の対象者・支給金額・申請方法とともに、年収が500万から400万に下がってしまったケースで数値検証をしてみました。
税金(所得税、住民税)や社会保険料が減り、手当も入ってくるので、転職初年度は年収の減少ほど手取り額は減りません。
また出来るだけ年収減をさける転職をするためにはどうしたらいいか?についてもお伝えいたします。
就業促進定着手当をもらうには
転職して年収が下がってしまう人がもらえる就業促進定着手当の受給条件、金額、手続き方法を確認しましょう。
簡単に言うと、転職前の給料との差額を国が補助してくれる手当です。
(1)就業促進定着手当の受給条件
①再就職手当の支給を受けている
②再就職先に6ヶ月以上勤務(雇用保険の被保険者である)している
③再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回っている
賃金日額とは
離職した日の直前6ヶ月に受けた賃金の総額を180で割った1日単位の賃金額です
(2)就業促進定着手当はいくらもらえるのか?
手当支給金額の算出式は以下の通りです。
(離職前の賃金日額 - 再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額)× 再就職後6ヶ月間の賃金の支払基礎となった日数
再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額は、以下の計算式で計算されます。
月給と日給や時給の場合で計算式がちがいます。
【月給の場合】
再就職後6ヶ月間の賃金の合計額 ÷ 180
【日給・時給の場合】
次の(a)(b)のうち、どちらか金額の高い方になります。
(a) 再就職後6ヶ月間の賃金の合計額 ÷ 180
(b)(再就職後6ヶ月間の賃金の合計額 ÷ 賃金支払いの基礎となった日数)× 70%
なお、就業促進定着手当には上限があります。
基本手当日額 × 支給残日数 × 40%(再就職手当の給付率が70%の場合は、30%)
・再就職手当の支給率が70%だった人 ⇒ 30%
・再就職手当の支給率が60%だった人 ⇒ 40%
支給残日数とは、失業手当の残り日数のことです。
支給残日数は「雇用保険受給資格者証」の裏面で確認できます。
なお、賃金とは、税金や社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)、通勤手当など各種手当を引く前の金額です。ボーナスなど(3ヶ月を超える期間ごとに支払われるもの)は、計算には含みません。
(3)就業促進定着手当の手続き方法
就業促進定着手当の支給対象者には、再就職手当の支給決定通知書と一緒に、支給申請書が郵送されます。
申請期間は、再就職した日から6ヶ月経過した日の翌日からの2ヶ月間になります。必要書類は以下の通りです。
・就業促進定着手当支給申請書
・雇用保険受給資格者証
・就職日から6ヶ月間の出勤簿の写し(事業主から原本証明を受けたもの)
・就職日から6ヶ月間の給与明細又は賃金台帳の写し(事業主から原本証明を受けたもの)
なお、提出手段として「ハローワークに持参」と「郵送」の2つがあります。
書類不備などあると郵送のやり取りは面倒なので、「ハローワークに持参」をオススメいたします。
また時効が2年に設定されていますので、就業促進定着手当は、6ヶ月雇用された日の翌日から2年を経過する日までです。
とはいえ、放置すると忘れてしまう可能性が高いので2ヶ月以内に手続きを進めましょう。
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年収下がった転職初年度、手取りはどうなる?
初年度は年収下がりがちですが、就業促進定着手当をもらった場合、手取りはどうなるでしょうか?
実際に年収500万から400万に年収が下がってしまった場合、どのぐらい手取り額は変わるのかを検証してみます。
計算はあくまで概算になりますが、イメージを持っていただければと思います。
実際には年齢や家族構成や賞与の構成比などでちがいがありますが、話をシンプル化するためご了承ください。
【仮設定の前職データ】
・年収:500万円
・所得税:11.3万円
・住民税:22.2万円 ※課税は1年のタイムラグはなしで計算
・健康保険料:37.3万円
・厚生年金保険料:23.4万円
⇒ 手取り額:405.8万円
(1)転職後の手当
就業促進定着手当:90,000円 =(離職前賃金日額 5,500円 ― 再就職後6ヶ月間賃金 5,000円) × 再就職後6ヶ月間の賃金の支払基礎となった日数 180日間
(2)転職後の税金・社会保険料(年額)
①所得税:6.9万円
②住民税:14.7万円
③健康保険料(介護保険料):20.6万円
=(標準報酬額300,000円 × 9.81% + 標準報酬額300,000円 × 1.64%) ÷ 2(労使折半) × 12ヶ月
④厚生年金保険料:32.9万円
=標準報酬額300,000円 × 18.3% ÷ 2(労使折半)× 12ヶ月
(3)手取りはどうなったか
転職初年度について、年収では100万円の差がありましたが、手取りでは約72万円の差です。
月額6万円は大きいですが、2年目以降稼げるように頑張ると腹をくくるか、年収が上がる転職を目指しましょう。
転職は年収だけじゃない?
年収が上がる転職ができればベストですが、少し下がっても年収以外の要素が良ければ転職を決断した方が良いこともあります。
年収以外の要素とは、主に以下の内容です。
・ワークライフバランス(土日祝休み、定時帰りなど)
・やりたいことができる
・人間関係がよい
これらの情報は求人票からはわかりません。
休日や残業なしなどの情報はあってもアテになりませんが、『転職会議』というサイトであれば、かなり正しい情報がわかります。
『転職会議』は転職サイトでありながら、社員が口コミを書き込んでいます。ちなみに私も書き込んでいます。
たとえば、給与実態であればこのような画面が見られます。年収のボリュームゾーンや年代別の年収がわかります。
また「この会社はブラック企業なのか?」も社員の生の口コミから判断できますのでブラック企業へ就職してしまうリスクをへらせます。
⇒無料で登録できる『転職会議』で口コミを見てみる
・再就職で6ヶ月以上勤めれば、就業促進定着手当がもらえることもある
・年収減ほど手取り額はへらない
・転職1年目の年収は少なくなりがちだが、2年目から上がることがある
・転職の目的は年収以外もある。生の声は『転職会議』で知ることができる。