☑退職して療養に集中したいが、傷病手当金はどうなるのか不安
☑病状が良くなってきたから再就職しようかと考えている
☑傷病手当金の1年6ヶ月では足りないので、さらに手当はないか知りたい
思わぬケガやうつ病で働けなくなることがあります。
しかし当然ながら生活は続きますので、お金は必要です。
そんな時には公的保証(健康保険)である「傷病手当金」が使えます。
生活を助けてくれる「傷病手当金」ですが、退職をすると打ち切られるのでしょうか?
いくつかの注意点がありますが、退職後も引き続き傷病手当金を受給することはできます。
また傷病手当金と失業手当と合わせて、最大2年6ヶ月間の手当をもらう方法も、労働組合歴7年間の経験から、お伝えいたします。
傷病手当金とは
傷病手当金は「健康保険」から支給される手当金です。
受給条件や申請方法は注意点がありますので確認しましょう。
(1)受給条件
①健康保険の被保険者である
会社員(社会保険加入のパート、アルバイトも)であれば加入していると思います。
ただし、支給開始日の以前の期間が12ヶ月に満たない場合は、受給額が減額されたり、もらえないケースもあります。
②業務外の病気やけがによって療養中であること
健康保険ですので、あくまで“業務外”であることが条件です。
なお、業務中の病気やけがであれば、労災保険が適応されます。
③療養のため労務不能であること
「働けない」状態であることが絶対条件です。
④休業した期間において給与の支払がないこと
休んでいる間、給与の支払いがないことが条件です。
ただし、給与が部分的に支給されていれば、傷病手当金から給与支給分を減額して支給されます。
⑤連続して4日以上仕事を休んでいること
出勤するということは「働ける」状態とみなされます。
特に留意すべきは退職日です。
上司に「荷物だけ取り(返し)に来てください」と何も知らずに出勤指示されても、「申し訳ありませんが、荷物は郵送対応でお願いできますか」と返答してください。
何があっても出勤はせず、対応は郵送、電話、メールでしましょう。
会社に行く(出勤扱い)と傷病手当金がもらえなくなります。
(2)対象者は誰か
協会けんぽ、お勤め先の健康組合のいずれかに加入されている方になります。
前述の通り、健康保険のみが対象で国民健康保険は対象ではありません。
つまり自営業やフリーランスの方は使えないです。
尚、雇用形態は関係なく、パートやアルバイトでも社会保険加入者であれば傷病手当金は使えます。
(3)いつまで支給されるか
支給を開始した日から通算して1年6ヶ月です。
ただし、支給を開始した日が2020年7月1日以前の場合には、今までどおり支給を開始した日から最長で1年6ヶ月です。
なお、支給を受けるためには、毎月通院が必要です。医師の判断であなたが「働けない状態」であることの証明が必要になります。
(4)いくら支給されるか
1日当たりの金額は、以下の通りです。
支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×(2/3)
つまり、概ね月収の2/3(およそ66%)が支給されます。
たとえば月収が30万円の人なら月額20万円が支給されるわけです。
仮に1年6ヶ月フルで受給すると360万円になります。(結構な額ですね)
具体的な金額は以下のサイトで算出できます。
なお、ボーナスは計算に含めず、残業代や手当ては含めます。
(5)手続き方法
①上司に退職を打診し、退職届を提出する
②在職中に連続で3日以上会社を休む
③②の“3日以上会社を休む”の初日に医師から『働けない状態』の証明をもらう
⇒「会社を休ませてもらうために診断書を出してほしい」と伝える
④退職日は欠勤する ← 重要です
なお、「職場のストレスが原因」だと“業務内”の話になり、労災扱いになり、傷病手当金の対象外になります。
診断書は医師と相談し、原因は「不詳」と書いてもらうようにする必要があります。
たいていの医師は空気を読んでくれますが、仮に話が通らなかったら別の病院に行きましょう。
傷病手当金、4つのパターン
結論、前述の通り「退職日に休む」ことがポイントになります。
退職日に休めば「働けないまま退職した人」として、「給付が必要な人」のまま退職後も傷病手当金は受け取れます。
4つのケースを確認してみましょう。
(1)休職後、職場復帰 ⇒ 〇
体調を崩して、会社を辞めずに休職して、職場復帰した場合、傷病手当金がもらえます。
このパターンは悩んでいる方は少ないかと思います。
(2)退職後、失業期間(求職活動する) ⇒ ×
療養に集中するため退職し、失業手当をもらうために求職活動をしている場合、傷病手当金はもらえません。
なぜなら失業手当は「働ける状態」であることが受給条件だからです。
「働けない状態」が受給条件の傷病手当金と同時に受け取ることはできません。
(3)退職後、失業期間(求職活動しない) ⇒ 〇
療養に集中するため退職し、失業手当をもらうための求職活動をしなければ、傷病手当金はもらえます。
ただし支給を受けるためには、「働けない」ことを証明してもらうための毎月の通院は必要です。
(4)退職後、再就職 ⇒ ×
(2)と同様の理由で、傷病手当金はもらえません。再就職できるということは「働ける状態」だからです。
最大2年半も手当がもらえることがある
傷病手当金で1年6ヶ月、失業手当1年、合わせて最大2年半、手当をもらえることがあります。
2年半あれば、じっくり病気やけがの療養をして、再就職に向けてがんばれそうですね。
(1)傷病手当金⇒失業手当の順番で受給
傷病手当金を受取って1年6ヶ月で「病気の治療』をし、失業保険を受け取りながら1年間で「就職活動」するイメージです。
(2)失業手当の仕組み
失業手当は「一般離職者」と「就職困難者」の2つに分かれます。ちがいは手当の受給期間です。
受給期間について、「一般離職者」は90日~150日ですが、「就職困難者」は360日(45歳未満は300日)です。
就職困難者かは医師が判断しますが、ハローワークには「就職困難者」であることをあなたが自己申告する必要があります。
引用:ミラトレ
(3)失業手当の受給期間延長申請しておく
もう1ステップ必要です。
失業保険の受給期間延長申請が必要です。
なぜかという、傷病手当金は最大1年6ヶ月もらえますが、失業手当は退職後1年経過すると受給資格を失うからです。
求職活動をすぐ始められない状態であっても、失業手当の延長申請を行うことで、受給期間を最長で3年延長することができます。
手続きはハローワークで、退職後1~2ヶ月の間に行っておいた方がいいです。
(4)失業手当はどのぐらいもらえる?
手当受給額は前職の収入によって異なり、細かな計算があります。
本記事ではおおむね月収の60%でご理解いただければと思います。
月収30万円の方であれば、月額18万円程度です。360日フル受給で216万円です。
具体的な金額は以下のサイトで算出できます。
弱っている時は腰を据えて準備を
ビジネスパーソンは思わぬタイミングで体調(心身ともに)を崩すことがあります。
調べたり、考えたりする気力が失せてしまうものです。
しかし心身が弱った状態で、お金がなくなりそうだと、焦って再就職すると失敗する可能性が高いです。
前職でも、そして再就職先でも上手くいかなかったら本当にツラい。
少しだけ、少しだけ調べてもらえば今回のような情報があります。
日本は公的保証が手厚い国ですので、是非とも活用していきましょう。
↓↓↓終わってる会社に入らないために↓↓↓
・国民健康保険では傷病手当金を貰うことはできない
・傷病手当金と失業手当は同時に受け取ることができない
・傷病手当金をもらうために、なんとしても退職日は休む
・焦って再就職をしない(調べれば道は開ける)
https://ztmhiro.com/taishokugoyarukoto_4/