☑年金はどうせもらえないと思っている
☑年金は払い損なんじゃなかいと思う
☑自分は年金をいくらもらえるのか知らない
「自分が年金もらう時には、1円ももらえない」
「どうせ年金なんてもらえないから保険料は納めないでいい」
どちらも誤解です。
また年金と一口に言っても、さまざまな種類があります。
本記事を読んでいただければ、年金の基本知識が理解でき、年金制度や老後資金について、過度な心配をしなくて良いようになります。
・年金制度は一言で言うと「長生きリスク保険」制度
・年金は国民年金、厚生年金、企業年金の3つ
・最もリスクが高い誤解は、公的年金を信じず、民間年金を信じること
・まず公的年金がいくらもらえるのか把握し、自ら資産運用もする
・年金 + 投資 + 会社に頼らず稼ぐ力があれば最強
年金の基礎知識
年金について、さまざまな誤解が生まれるのは仕方ありません。
なぜなら学校でも、家庭でも、社会でも、正しい知識を教えられていないからです。
そもそも年金とは何か?を確認しましょう。
(1)年金制度とは何か?
年金制度は一言で言うと「長生きリスク保険」制度です。
80歳になったらきっと働くのはツラいですよね。
けど100歳まで生きるとなると、80歳からの20年間はどうしますか?
公的年金は終身保険(死ぬまでもらえる)です。
長生きした時のリスクに対して年金保険料を払う制度です。
厚生労働省は、年金制度の目的について以下のように考えています。
公的年金は、現役時代から考えて、45年から60年後といった老後までの長い期間に、経済社会がどのように変わろうとも、その社会で従前の生活と大きく変わらない暮らしのできる年金を保障することを目的としており、賃金や物価の水準の上昇に応じて年金の水準を改定する仕組みである。
(2)年金のお金はどうやって運用しているのか
現役世代から集めた年金保険料を、そのまま年金受給者である65歳の方へ…ではなく、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)という組織が管理および運用をしています。
簡単に言うと、年金保険料を国内債券・外国債券・国内株式・外国株式の4つを資産運用して、受給者に年金として支払っています。
「運用失敗したらヤバいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、直近21年間で100兆円ぐらいプラスの運用しています。
(3)年金の受け取り方
①年金の支給条件
保険料納付済期間と保険料免除期間(年金免除してもらえる期間があります)などを合算した受給資格期間が10年以上あることが受給条件です。
要は10年間以上年金保険料を支払っているかどうかですね。
ちなみに、元々は受給資格期間が25年以上必要でしたが、法律の改正により2017年8月1日から受給資格期間が10年に短縮されています。
②年金の受給開始時期
原則は65歳から受給できるようになります。
現行の法律では、選択制で受給開始時期を繰り上げたり繰り下げたりもできます。
☑繰上げ受給:60歳から65歳までの間に繰上げ⇒減額された年金を受け取れる
☑繰下げ受給:66歳から75歳までの間に繰下げ⇒増額された年金を受け取れる
③年金の受給額の算定方法
国民年金だけであれば、2023年の満額は年額795,000円です。
20歳から60歳になるまでの40年間の国民年金の納付月数や厚生年金の加入期間に応じて年金額が計算されます。
計算式は以下の通りです。
795,000円 × 保険料納付済月数÷480ヶ月(40年×12ヶ月)
なお、795,000円の金額は物価上昇に対応しているので、毎年金額は変わります(物価高なら年金も増える)。
年金の種類
年金にはさまざまものがあります。
本記事では年金の全体像、大枠をつかんでいただくたのが目的ですので代表格の3つをお伝えいたします。
(1)国民年金とは
公的年金の代表格で、20歳以上60歳未満の全ての人が加入して保険料を納めます。
国民年金保険料は、2023年度は全員一律で月額16,520円です。(毎年、金額は変わります)
国民年金と厚生年金はセットで覚えておきましょう。
☑第1号被保険者:自営業者、無職、学生など ⇒ 国民年金のみ納付
☑第2号被保険者:会社員、公務員など ⇒ 国民年金&厚生年金を納付
☑第3号被保険者:専業主婦(主夫) ⇒ 2号に扶養されている(納付義務なし)
なお、国民年金も厚生年金もさらに3種類に分かれます。
☑老齢年金:所定の年齢になったらもらえる(みんながよく知っているやつ)
☑障害年金:病気やケガで働けなくなったらもらえる
☑遺族年金:亡くなってしまったらもらえる
詳しくは別記事をご覧ください。
↓↓↓遺族年金はいくらもらえるの?↓↓↓
(2)厚生年金とは
平たく言うと会社員が納める年金です。
会社員は国民年金保険料に加えて、厚生年金保険料も上乗せされて徴収されます。
もちろん保険料を納める分、もらえる年金も多くなります。つまり、会社員であれば…
国民年金(満額なら年額約80万円) + 厚生年金(収入が多いほど多くもらえる)
厚生年金は国民年金とちがい、収入や勤続年数(月数)で金額が大きく変わります。
(3)企業年金とは
企業年金は何種類かありますが、深掘りはせず代表的なのだけ紹介いたします。
簡単に言うと、退職金を年金というかたちでもらえるものです。
企業年金を取り扱う企業での退職金は①一時金のみ、②一時金と年金の合わせ技、③年金のみの3種類から選べます(選べない企業もあります)。
また企業年金制度はすべての企業で取り扱っているわけではありません。
☑中小企業退職金共済制度:事業主と国の援助によってつくられている退職金制度
☑確定給付企業年金:あらかじめもらえる金額が決まっている
☑確定拠出年金:もらえる金額が決まっていない(運用実績によって増えたり減ったりする)
↓↓↓確定拠出年金って何?↓↓↓
「将来、年金はもらえない」という3つの誤解
よくある誤解は、①年金制度がなくなる、②年金は将来への貯金と思っている、③公的年金で足りない分は民間保険でまかなう、3つです。
Xでも年金に対して、とても不安になっている方も多いです…
国がNISAやiDeCo勧めてるってことはやっぱり年金ってまじでもらえないってことなんかなぁー
NISAはじめよかなぁ
— 末っ子🌰🌹✨ (@88kei) May 26, 2023
メディアでのあおり方も良くないかもしれません。
報道は事実なんでしょうが、「年金が少なすぎる」というところにフォーカスしすぎると今の20代30代は「わたしらの老後なんてもっと悲惨だろう」と思ってしまいます。
老後資金への危機感を持つこと自体は大事なことですが…
引用:livedoorニュース「年金だけでは生きていけない 日本で生きる高齢者、「老後破綻」の危機」
(1)【誤解】将来、年金制度は崩壊してなくなる
有識者や専門家で「年金制度は崩壊する」と言っている人は聞いたことがありません。(いたらスミマセン)
しかし一部の人は、「少子高齢化で支え手が少なくなる一方だから、年金制度が崩壊するでしょ」と考えています。
日本の年金制度「賦課方式」といって現役世代から年金受給世代への仕送るような仕組みになっています。
つまり現役世代の保険料がそのまま高齢者の年金として支払わられています。
確かにこの「賦課方式」では少子高齢化で現行の年金制度は成り立たない気がします。
ただこの理屈には盲点があります。
それは女性の社会進出を中心に、働く人口は増えていっていることです。
働く人口が増えれば、年金保険料を納める人が増えるので、年金の財源も当然ながら増えるのです。
しかも社会保険(年金保険料)の適応も拡大していっています。
年金はもらう人も増えていきますが、年金保険料を納める人も増えていっているわけです。
引用:ファイナンシャルフィールド「社会保険の適用拡大で扶養の範囲内から外れてしまうけど、メリットはある?」
(2)【誤解】年金は自分の将来のための貯金である
「年金保険料を支払っているのに自分のものにならないなんてありえない」と考える人は、年金は預貯金を貯めているようなイメージを持っているのだと思います。
ですので、早死にしたら損する…とも考えます。
前述した通りですが、年金は「長生きリスク保険」です。
確かに早死にしてしまったら損するかもしれません。(遺族年金もあり、一概に損するとは限りませんが)
しかし医療技術の進歩で寿命が延び、人生100年時代と言われています。
長生きする可能性が高まっているのは確かです。
そんな中で、死ぬまでもらえる終身年金はものすごい魅力的です。
(3)【誤解】公的年金が不安だから民間の年金をはじめる
もっともお金を失うリスクが高い誤解です。
先にお伝えしておくと、民間の年金について、本記事ではオススメしていません。
なぜなら民間の年金は割に合わないからです。
民間の年金が割高なのは以下の2つの理由が考えられます。
☑原則、物価スライド(物価上がってももらえるお金変わらない)対応していないから
☑年金保険料に民間の保険会社の経費分(付加保険料)が上乗せされているから
一方で、公的年金が割安なのは、年金の半分は年金保険料だけでなく、税金でまかなわれているからです。(公的年金は民間の保険会社のように人件費や事務所賃料などの経費分が保険料に上乗せされていない)
年金不安への対策は公的年金+自助努力
結局は自助努力かいっ!と言いたくなるかもしれませんが、つらまないオチで恐縮です。
ここでの自助努力とは、ずばり投資による資産運用です。
(1)自分の年金受給額はどれぐらい?
年金の基本知識は理解した上で、実際に自分がいくらもらえるのかを調べましょう。
紙ベースで「ねんきん定期便」が年に1回、誕生月に届きますが、WEBで見られる「ねんきんネット」の方が、情報が新しく、詳細な内容が確認できます。
【ねんきんネットでできること】
☑今まで払った年金額がわかる(いつ、いくら払った)
☑将来もらえる年金額がわかる
☑設定を入力することで色んなシミュレーションが見られる
簡単な登録作業は必要ですが、一度確認してみましょう。(こんな機会じゃないとやらないです(笑))
引用:ねんきんネット
(2)公的年金を含め、老後資金をつくる
繰り返しですが、公的年金は国民年金+厚生年金です。
公的年金の平均受給額は月額14.4万円と言われていますので、年金だけでは足りないかもしれません。
できれば30代から資産運用をして、老後資金をつくることをオススメいたします。
国がNISAやiDeCoなど税制優遇制度も用意してくれていますし、証券会社を開設し、「長期・積立・分散」投資であれば比較的低リスクですよ。
↓↓↓そもそも老後の資産はいくら必要なのか?↓↓↓
↓↓↓証券会社の開設もカンタン↓↓↓
(3)できれば老後も働ける稼ぐ力を身につけておく
公的年金、投資での資産運用をしても、何が起きるかわからないのが人生です。
一番信じられるもの、それは国でしょうか?会社でしょうか?
そう、自分自身ですね。
私も20年近く会社員をやってきたので、日々の業務に忙殺され、心も体も頭も余裕がない状態はわかります。
それでも、それでもできれば副業や資格取得をして、老後も会社に頼らず稼げる力があると素晴らしいです。
月に5万円でも十分です。
年金 + 投資 + 稼ぐ力
この3つがあれば将来のうれいは少なくなり、今をめいっぱい楽しめます。
↓↓↓会社にたよらず稼ぐ力をつける↓↓↓
老後資金は正確にはわからないけど、少しでも不安をへらす
日本の年金制度はかなり誤解されています。
まずは年金について正しい知識を持ち、一般論ではなく「自分は実際にいくらもらえるのか?」を確認ですね。
その上で、自助努力、つまり投資による資産運用で老後資金をつくれば安心です。
できれば会社に頼らず副業などで稼ぐ力があれば最強ですが、その前に公的年金額の確認と資産運用をがんばってみましょう。
・年金制度は一言で言うと「長生きリスク保険」制度
・年金は国民年金、厚生年金、企業年金の3つ
・最もリスクが高い誤解は、公的年金を信じず、民間年金を信じること
・まず公的年金がいくらもらえるのか把握し、自ら資産運用もする
・年金 + 投資 + 会社に頼らず稼ぐ力があれば最強