☑ビジネスで徹底的にパクるTTPを実践している
☑TTPしてみたけど思ったように上手くいかない
☑上手くTTPしてみたい
・TTPは正しく行えばビジネス上のメリットは大きい
・TTPを効果的に活かすには事象の因果関係やTTP元の経験値も理解が必要
・表面的なパクりは確実に失敗する
・TTPを成功させるには、自分とTTP元をよく理解する
TTP(徹底的にパクる)の基礎
TTPとは徹敵的にパクることです。
ビジネスでも多く用いられている立派な手法と言えます。
その歴史やメリットについて確認しておきましょう。
(1)TTPとは何か?その概念
ビジネスにおけるTTP(徹底的にパクる)とは、成功している事例やビジネスモデルを自社・自部署・自分に取り入れることで、成功事例同様の効果を得ようとすることです。
TTPの狙いは「成功の再現性」に着目することですが、重要なのは自社の状況やニーズに合わせてカスタマイズし、単なるコピーではなく、独自の付加価値を加えることが成功の鍵となります。
「徹底的にパクる」を表面的に捉えてただパクるだけだと失敗する可能性が高くなるでしょう。
(2)TTPの語源と歴史
「TTP」という言葉を考えたのは、リクルート社と言われています(諸説あります)。
「TTPS」(徹底的にパクって進化させる)という言葉もあるようです。
昔からTTPという言葉が使われていたかは別として、TTPは多くのビジネスの現場で使われてきました。
たとえば、高度成長期の日本の製造業は世界市場で大きな成功を収めましたが、多くの日本企業が、アメリカやヨーロッパの先進企業の製品やビジネスモデルを詳細に分析し、それを改良・改善して自社製品として市場に投入しました。
具体例としてはソニーやトヨタなどの企業がこの戦略を活用し、国際市場での競争力を強化してきました。
(3)TTPの4つのメリット
①迅速な成果の実現
他社の成功事例をマネすることで、試行錯誤の期間を短縮し、短期間で成果を出すことができます。
②リスクの軽減
すでに成功している手法を取り入れることで、新たな試みのリスクを大幅に軽減できます。
失敗の可能性が低い既存の成功事例を参考にするためです。
③コストの削減
自分でゼロから開発するよりも、既存の成功モデルを活用する方がコストを抑えることができます。
たとえば研究開発費やマーケティング費用を節約できます。
④学習と成長の機会
他者の成功事例を詳しく分析することで、最新の業界トレンドやベストプラクティスを学ぶことができます。
これにより、自分の知識とスキルが向上します。
TTPを効果的に活かすために理解すべき3つのこと
TTPすることでビジネスにとってプラスに働くことが多いです。
しかし「徹底的にパクる」ことを表面的に捉えて、ただパクるだけでは失敗します。
経路依存性や因果不明性、社会的複雑性などを理解する必要があります。
(1)経路依存性の理解
経路依存性とは経験の積み重ねがないと蓄積できないという意味です。
つまり「〇〇な経験を積んだからこそ出来る」ということです。
たとえばオリンピックのバレー選手のアタックを初心者がTTPしようとしても、圧倒的な練習量の違いにより再現出来ません。
(2)因果不明性の理解
事象の「結果」と「原因」の関係がはっきりとわからない状態です。
つまり「なんでそうなるのかわからない」ということです。
たとえば同じクラスの出来過君がロクに授業も聞いていないのに、毎回テストで100点を取っているとします。
それを野飛田君がいくらTTPしようとしても因果関係がわからないので、どのような勉強をすれば良いのかわからず再現出来ません。
(3)社会的複雑性の理解
社会的複雑性とは、「結果」と「原因」の関係がはっきりとわからない状態で、因果不明性に近い概念です。
違いは、社会的複雑性は因果が複雑すぎて本人にも因果関係が不明な事です。
たとえば会社でいえば、企業内におけるチームワーク、組織の風土、仕入元や販売先、顧客とのコミュニケーションなどは、社会的に複雑でわかりにくく、競合がそれを模倣するのは困難であると言えます。
【実例】TTPの失敗事例・成功する3要素
前職での経験を踏まえてTTPの失敗事例・成功する3要素を紹介します。
全都道府県に営業所がありましたが、業績を上げている営業所の事例が共有され、本社から「他の営業所は成功事例をTTPしろ!」とお達しがありました。
しかし各営業所がTTPをしても結果は全くちがったものでした。
(1)失敗事例
成功事例の営業所長はあるイベントを開催することで、当時会社が掲げていたとある会員数について大幅目標達成させていました。
一方、全く目標数値に達していない営業所長は成功事例のTTPをしようと、以下の取り組みを実施しました。
☑目標数値を部下に共有
☑同様のイベントを開催(回数は2倍)
☑部下に会員獲得数の毎日報告させた
結果、会員獲得数は微増(目標未達)でした。
しかし部下のその他業務がおろそかになり、勤務時間も増え、上司への不満も爆発しました。
つまり失ったものの方が多かったわけです。
失敗の要因は、前述の経路依存性と因果不明性を理解していなかったことです。
成功事例の営業所の経験値、なぜイベント開催が会員獲得数につながったのかを理解していなかったのです。
(2)TTPが成功する3つの要素
TTP元(成功事例)とTTP先(自営業所)の要素を理解した上でTTPをしないと成功しません。
つまり自分を知り、相手のことも深く理解する必要があります。
今回の失敗事例から学べることは、TTPをしようとした営業所長が以下の3要素が理解できていなかったことでしょう。
①部下の若手・ベテラン比率
・TTP元:若手が多い ⇒素直に指示に従った
・TTP先:ベテランが多い ⇒納得しないと動かない
②上司・部下のパワーバランス
・TTP元:良好な関係性(対等)
・TTP先:尊敬されていない(部下が強い)
③顧客の地域特性
・TTP元:新しいもの好きな顧客が多かった
・TTP先:警戒心が強い顧客が多かった
↓↓↓表面的なTTPは99%失敗する↓↓↓
TTPをビジネスで成功させるなら自分と相手を知る
TTPは正しく行うことでビジネスが効果的かつ効率的に成功させることができます。
一方、誤ったTTPはむしろマイナスに働くことすらあります。
TTPを効果的に活かすには事象の因果関係やTTP元の経験(今までどのような取り組みをしてきたのか)を理解する必要があります。
つまり自分と相手(TTP先)を知ることが肝です。
・TTPは正しく行えばビジネス上のメリットは大きい
・TTPを効果的に活かすには事象の因果関係やTTP元の経験値も理解が必要
・表面的なパクりは確実に失敗する
・TTPを成功させるには、自分とTTP元をよく理解する