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【サービス業必見】サービスマーケティング:顧客体験の差をなくすチームづくりと意識改革

サービスマーケティング
こんな方に読んでいただきたいです

☑サービス業に携わっている

☑サービス業のマネジメント層

☑チームメンバーのスキル差を埋めたい

ちぴーさん

最近、固定客が伸び悩んでるスタッフがいて…

Pさん

技術は問題ないけど、お客様との接し方に違いがあるのかもね

ちぴーさん

確かに、接客にばらつきがある気がするんです

Pさん

それなら体験価値の視点から、チーム全体で設計し直すといいかもしれないよ

本記事のポイント
  • 技術が均一でも体験価値はブレる
  • 顧客は“接し方”に信頼を感じる
  • 接客の差は意識と設計で埋まる
  • ワークショップで接客軸を育てる
  • 貢献意欲を引き出す1on1が鍵

Pさん

本記事ではマッサージチェーンで働く店舗責任者の方に向けてお伝えいたします

店長になって気づいた、スタッフ対応の“見えない差”

技術水準が揃っていても、指名やリピートに差が出るのはなぜでしょうか?

そこには「サービス=体験価値」の視点が欠けている場合があります。

サービスマーケティングの考え方が、今まさに必要とされています。

(1)技術はそろっているのに、なぜかファンがつかない

マッサージチェーンで働くあなたは、店舗責任者として日々業務に追われながらも、ふと気になることがあるのではないでしょうか。

「全員同じ技術テストに合格しているのに、固定客がつくスタッフと、なかなか指名されないスタッフがいる…」。

それは決して技術の問題ではなく、“コミュニケーションの差”が生んでいる現象です。

施術の技術が均一であればあるほど、お客様が再来店する理由は「人」への信頼や安心感になります。

ここでいう「人」は、スタッフ一人ひとりの接客姿勢や雰囲気、声のトーン、表情の作り方、会話の流れなどの総合的な印象です。

(2)サービスの価値は、体験で決まる

マッサージも美容室も、サービスは形のない「無形商材」です。

完成品を手に取って確認できる商品とは異なり、体験して初めて価値が分かるもの。

だからこそ、お客様が「また来たい」と思うかどうかは、その体験全体の印象=体験価値に依存します。

そしてこの体験価値は、スタッフごとに大きくブレることがあります。

「声がけが自然」「なんか安心する」「無言でも気まずくない」など、ちょっとした感覚の積み重ねが、顧客の再来を決めているのです。

(3)“サービスマーケティング”は技術ではなく設計の話

ここで注目したいのが「サービスマーケティング」という考え方です。

これは、技術や商品以上に、体験をどう設計するかというフレームです。

特に有名なのが「7P(セブン・ピー)」というサービスの構成要素。

中でも重要なのが、以下の3つです。

  • People(人):スタッフの接客や人柄
  • Process(流れ):施術の案内や接客プロセス
  • Physical Evidence(物的証拠):店内の清潔感や雰囲気

※上記に加えて4P(製品・サービス、価格、立地、販促)が構成要素になります。

「この人、またお願いしたい」と思ってもらえるような“体験価値”を提供するには、設計が必要です。

そしてその設計に関わるのが、店長であるあなたの役割なのです。

スタッフの接客差は「スキル差」ではなく「意識差」

接客の質の差は、スキルよりも「どう意識しているか」の違いによって生まれます。

現場でのモヤモヤを解消するには、店長のあなたが気づきを促し、チームとしての意識共有を進めることがカギとなります。

(1)やり方がわからないだけかもしれない

「もっと接客意識を高く持ってほしい」と思っても、現場のスタッフは「何をどう変えればいいのかわからない」のが実情です。

本人は至って真面目に取り組んでおり、悪気もなく「丁寧に対応しているつもり」なのです。

つまり、接客のばらつきの原因は、意識の差ではなく、意識の向け方がわからないことにあると言えます。

技術は研修や試験で習得できても、体験価値のつくり方は外からは見えづらい「暗黙知」になりがち。

だからこそ、意図的に可視化・言語化して伝えることが必要です。

↓↓↓顧客ニーズのつかみ方↓↓↓

(2)公式組織の3条件が揃っていない

「公式組織の3条件」によると、組織として機能するには以下の3つが必要です。

  • 共通の目的:会社方針、店舗のこだわり
  • 意思疎通:コミュニケーション、交流
  • 貢献意欲:報酬(給与、やりたい仕事)

スタッフ一人ひとりが“店の考え”や“自分の役割”を理解していなければ、自然と「作業者」になってしまいます。

逆に、「私はこの店でお客様に安心を届ける役割を担っている」と意識できれば、接客の質は変わります。

つまり、あなたが店長としてやるべきことは、「なんとなく」の働き方から、目的意識のある接客に導くことです。

(3)外部との接点がない

もうひとつの重要なポイントは、他店スタッフや他業種との比較機会がないことです。

人は比較しなければ自分の立ち位置に気づけません。

「接客が普通」だと思っていたことが、実は“選ばれない理由”だった、というケースは多いです。

社内で閉じてしまっている環境では、気づきが起きません

外部の店舗との合同研修や、地域の接客コンテスト、SNS事例共有などを通じて、「自分の接客はどう見られているか?」を考える機会を提供することが有効です。

意識を引き出し、行動を変えるための店長の打ち手

体験価値の質をそろえるには、方針の言語化・ワークショップによる内省・貢献意欲の引き出しという3つの打ち手が有効です。

マネジメントに悩む店長こそ、意識の育成に挑戦する価値があります。

(1)「店の方針」を日常会話で共有する

理念や方針というと、難しそうに聞こえますが、「うちは○○を大事にしてるよね」という一言が、日々の判断基準になります。

例えば「お客様がリラックスして帰れることを第一にしたいね」という言葉を繰り返すだけで、スタッフの意識は変わります。

朝礼での声かけ、LINEでのシェア、カウンターに貼るポストイットなど、“店の大切にしたい価値観”を共有する仕掛けが効果的です。

(2)研修より“気づきのワークショップ”を

形式的な接客研修よりも、スタッフ自身に気づきを促すワークショップ形式がおすすめです。

たとえばこんな問いかけをしてみてください。

  • あなたがお客様だったら、どんなスタッフにまた会いたいと思う?
  • 最近、気持ちよく接客された体験ってあった?
  • あなたの「接客が得意」な部分ってどこ?

こうした内省的な問いが、スタッフに“自分なりの接客軸”を生み出し、モチベーションに変わっていきます。

↓↓↓スタッフの前に自身を見直す↓↓↓

(3)貢献意欲を引き出す「1on1」

スタッフが本当に“やる気”になるためには、報酬や制度だけでは足りません。

大切なのは「自分は期待されている」「役に立てる」と実感できることです。

そのために、1on1面談や何気ない雑談の中で、スタッフの「どんなときにやりがいを感じるか?」「どういう働き方をしたいか?」を引き出してみてください。

もし権限があるなら、「お客様対応リーダー」や「チームミーティングのファシリテーター」などの役割付与(権限委譲)もおすすめです。

「任されること」は信頼の証であり、貢献意欲の起爆剤になります。

スタッフの意識改革が顧客生涯価値を動かす鍵

スタッフ間の接客のばらつきは、技術ではなく「体験設計」や「意識の持ち方」によって生じます。

店長として、サービスマーケティングの視点を持ち、共通の価値観と目的を育てていくことで、顧客生涯価値(お客様が一生涯で当店に使ってくれるお金)を向上させる経営が可能になります。

明日からでも始められる対話やワークショップから、チームの変化を促していきましょう。

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