☑小売業に従事しているが客数が伸びない
☑とにかく客数を伸ばすことが大事だと思う
☑原材料高騰で利益率が低下している
最近お客様の数がなかなか増えません…広告を打っても成果が薄く、利益率も下がっています
いまこそ発想の転換が必要です。客数を追うより、“客単価を上げる”方向に目を向けましょう。
客単価!?でも価格を高くしたら売れにくくなりませんか??
単に価格を上げるだけではなく、買上点数を増やしたり、体験価値で高付加価値化したり、手段は様々ありますよ
- 売上は“感覚”でなく構造で捉える
- 客単価は「単価×点数」で改善
- “非価格施策”がブランドを守る
- 顧客接点は“イベント”より“日常”
- 体験価値が顧客を魅了しリピート増
売上の構造を「分解」して見える化する
売上は数字で語るもの。
感覚ではなく「構造」で捉えると、現場の改善ポイントがはっきり見えてきます。
まずは“売上の方程式”を理解し、効率的に成果を出すための基礎を整えましょう。
(1)“なんとなく”から脱却し、数字で考える
多くの店舗では「もっと集客したい」「広告を強化したい」といった感覚的な改善が先に立ちます。
しかし、小売経営の本質は“数字の構造”にあります。
売上を分解すると、こう整理できます。
売上=客数 × 客単価
客数を増やすには新規獲得、客単価を上げるには既存顧客の深掘りが必要。
客数の新規獲得はコストも時間も大きいのに対し、客単価向上は既存資源の活用で実現できます。
つまり“増やす”よりも“深める”方向へのシフトが、今の時代の正解です。
(2)「客単価=一品単価×買上点数」で仮説を立てる
客単価を分解すると、【一品単価 × 買上点数】という式になります。
たとえば、
- 単価を上げる:上位商品・新ブランドの導入、価値訴求型の売場づくり
- 点数を増やす:セット提案、関連商品の同時購入促進
レジ横の提案やスタッフの声かけが機能していない場合が多い。
“もう一品”の仕組みをつくるだけで、月商が数%伸びる店舗もあります。
(3)LTVの視点で「一回きり」から「関係性」へ
単価アップは単発の数字改善ではなく、LTV(顧客生涯価値)を高める取り組みでもあります。
LTVとは「一人の顧客が生涯を通してもたらす売上・利益」。
ここに注目すると、「1回の来店でいくら使ってもらうか」と同時に「次にまた来てもらう仕掛け」を考える必要が出てきます。
販促・接客・アフターフォローを一貫してLTV基準で設計することが、今後の小売の競争力を決定づけます。
価格を武器にせず、価値で勝つ戦略へ
値下げで勝つ時代は終わりました。
価格ではなく「価値」で選ばれる店になるためには、価格以外の魅力をどう設計するかが重要です。
ここでは、“非価格の強み”を育てる具体策を紹介します。
(1)値引きは“売上の麻薬”
短期的に売上を作るには値引きが最も早い方法です。
しかしそれは同時に「利益を削り」「ブランドを弱める」行為でもあります。
一度値引きに慣れた顧客は、正規価格で買わなくなります。
特に中小店舗では、安売り競争を続けるほど経営の体力が奪われます。
値引きを戦略ではなく「一時的な調整手段」として捉えるべきです。
(2)“非価格施策”で顧客に理由をつくる
価格以外の魅力で選ばれるために必要なのが「非価格施策」です。
たとえば次のような仕組みが挙げられます。
- ストーリーマーケティング:商品の背景をPOPや動画で可視化
- スタッフ発信:スタッフのおすすめコメントをSNS連動で発信
- 限定コミュニティ:常連客向けLINEグループ・会員制の情報配信
顧客が「この店の世界観が好き」「ここで買うと気持ちいい」と感じる瞬間を意図的に設計すること。
それが“価格以外の価値”を生みます。
(3)年間計画ではなく“日常接点”でつながる
以前は季節イベント中心の販促が主流でしたが、今の消費者は「年に数回の特別企画」よりも「日常的な関係性」を求めています。
たとえば、
- 商品の入荷や裏話をリアルタイム発信
- 常連向けの「試して感想を共有」プログラム
- スタッフのおすすめを短動画で紹介
つまり“イベント型販促”から“関係性販促”への転換です。
顧客は「イベントがあるから来る」ではなく、「関係があるから来る」へと変わっているのです。
体験価値がブランドを生み、単価を引き上げる
商品や価格では差別化できない今、顧客は“体験”を求めています。
体験価値を設計することが、単価アップとブランド強化の最短ルートです。
現場で実践できる3つの体験戦略を見ていきましょう。
(1)「買う理由」を体験でつくる
同じ商品でも、どんな体験を伴うかで購買心理は大きく変わります。
たとえば、化粧品なら「プロのアドバイス付きカウンセリング販売」、食品なら「生産者の想いを伝える展示・香り・試食」。
“体験を通じて価値を理解してもらう”ことで、価格以上の納得感が得られます。
結果として「高くてもここで買いたい」という行動につながります。
(2)ターゲット別に“参加の形”を設計する
体験価値は顧客層によって求める内容が異なります。
たとえば:
- ミドル層(30~40代):時短・健康・家族との共体験
- シニア層:会話・安心・人とのつながり
- 若年層:発信・共感・映える体験
同じ商品でも「誰に向けて、どう感じてもらうか」を決めることで、企画の方向性が明確になります。
特にSNS時代の若年層では、“発信したくなる体験”がリピートを生みます。
(3)自社の「らしさ」を体験化する
体験価値の最終形は、“その店らしさ”をどう形にするかです。
たとえば、老舗なら「職人の実演」や「伝統技法の紹介」、新興店なら「スタッフと一緒に作るワークショップ」や「トレンド提案」。
自社の強みを体験に変えることで、“他ではできない理由”を顧客に提示できます。
さらに、体験内容をデジタルでも共有することで、店舗体験がSNSを通じて拡散され、潜在顧客の来店動機にもつながります。
リアルとデジタルを組み合わせた「拡張体験」が今後の小売業に不可欠です。
価格ではなく「体験」で選ばれる店をつくる
客数が増えにくい今の時代、売上を伸ばす鍵は「客単価の向上」にあります。
値引きに頼るのではなく、顧客との関係性を深め、体験価値を提供することが重要です。
LTVを意識した経営に切り替えれば、一時的な売上ではなく“継続的な利益構造”が生まれます。
あなたの店舗も、価格ではなく“価値”で選ばれる店へ進化できるはずです。
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