ブラック企業にお勤めと自覚がある方はなんとしても半日、休む時間を作ってください。
☑最近、心身ともに悲鳴を上げている気がする
☑もしかしたらうちの会社は間違ってないんじゃないかと思っている
☑ブラック企業で洗脳され続けるとどうなるのか知りたい
「うちの会社はブラック企業だよね(笑)」
その会社はきっと真のブラック企業ではありません。
おそらくホワイト、時々ブラックなグレー企業です。
真のブラック企業で働いているとブラック企業かどうなのか判断ができなくなることがほとんどです。
なぜならブラック企業で一定期間働いているとどんどん視野が狭くなり、思考力が低下し、何が正しいのかが判断できなくなるからです。
ブラック企業に在籍し続けるとあなたは心身ともに崩壊し、脳のキャパも限りなく小さくなり、まともな判断ができなくなります。
“本来の自分“ではなくなります。
もしブラック企業に入ってしまったらどのように抜け出すのか?
判断力が少しでも残っているうちに何を考えておくべきか?
本記事が少しは参考なるかもしれませんので、判断力が1mmでも残っているうちに、一読いただけると幸いです。
・最低でも半日は自分の時間を作る
・ブラック企業に定義はなく、あなたが判断するもの
・ブラック企業で洗脳され続けると、あなたが壊れる
・ブラック企業に在籍し続けると、転職すらできなくなる
・ブラック企業を辞めても生きてはいける
ブラック企業とは?
ブラック企業には、明確な定義はありません。
とはいえ、多くの人がブラック感じる職場環境はあります。
「長時間労働」「ハラスメント」「給料・残業代未払い」などはブラック企業の代表例です。
(1)ブラック企業の明確な定義はない
厚生労働省は以下の認識です。厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、
① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、
② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、
③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。
定義な無いとはいえ、一般的には以下の企業になります。
・時間:異常な長時間労働
・金銭:給与や残業代の未払い
・ハラスメント:パワハラ(過剰なノルマ強要)、セクハラなど
上記はあくまで一般的、社会的な見解です。
“あなたにとって”ブラック企業だと思うのであれば、一般的、社会的にどうであろうとその会社にいない方がいいです。
本記事ではあえて原因は自分にあるかもしれない、という話はしません。
あなたの勤め先がブラック企業なのか客観的にとらえるための情報収集の一助になればと思います。
(2)ブラック企業はこんなところ
ブラック企業は以下の種類がありますが、単一ではなく2~3つ、場合によってはすべてに該当する会社があります。
①長時間労働、休日出勤当たり前
厚生労働省によると、いわゆる過労死ラインは時間外労働は1ヶ月あたり100時間以上、もしくは2~6ヶ月の平均が80時間以上です。
1ヶ月80時間となると、1日あたり約3.6時間(80時間÷22日)です。(※仮に休日確保できているとして)
業務の“濃度”もあるので時間的に「過労死ラインじゃなくて良かった」と手放しにはよろこべません。
なお、36協定では時間外労働は1ヶ月45時間と定められています。
②給料、残業(最低賃金)未払い
給料全額未払いは論外ですが、給与明細をよく見たら2万円くらいよくわらかない控除されていたとか。ブラックです。
「勤務日数が少ないから給料が出ないかもしれない」「居眠りしていたから給料が出ない」むちゃくちゃな理屈を述べて、賃金を支払わないのは完全に違法です。
③ハラスメント(パワハラ、セクハラなど)
身体的な暴力はもちろん、言葉の暴力、ノルマの強要も含めてです。
【パワハラ3条件】
・優越的な関係に基づいて
・業務の適正な範囲を超えて
・精神的もしくは身体的な苦痛を与える
引用:厚生労働省「明るい職場応援団」(パワーハラスメントの定義)
↓↓↓パワハラの正しく認識する↓↓↓
④洗脳してくる
「お前は無能だ!」
「やればできる!時間はどれだけかかってもいい」
洗脳手法は様々ですが、本質的には労働者が“どんな命令にも従う”状態を作り出そうとします。
そのために自信を失わせたり、逆に夢や希望といった幻を追いかけさせたりします。
⑤ネガティブコミュニケーションが多い
ちょっと判断が難しいところですが、上司や同僚との関係性が悪い会社です。
ネガティブなコミュニケーションが多いと心身ともに不調におちいりやすいです。
「明日もアイツに会うのか。イヤだなぁ」という類のものです。
(3)ブラック企業にも「企業型」と「個人型」がある
まずブラック企業には企業型と個人型があります。
企業型は日本経済の構造的な問題、個人型は言葉通り個人の性質の問題です。
【企業型】
会社としてブラック企業体質です。
20年ほど前から日本経済が縮小してきて、利益が出しづらくなり、会社を存続させるために人件費を削減(1人あたり労働時間長くする)します。
結果、離職率が上がり、人手不足になり、退職引き止めやハラスメントが横行します。
【個人型】
ブラック上司が典型例です。
同じ営業部でも支店によって定時に帰れるA支店とそうでないB支店、パワハラで部下が病んでいるB支店、比較的生き生きとしているA支店がありませんか?
私が労働組合の地区議長をしていた時も同じ会社でも、同じ営業部(7都道府県エリア)でも支店によって1日の平均労働時間が4時間も違うことがありました。
しかし現場(長時間労働の視点)は自分のところだけ異常だということに気づいていないんですね。
当時、労働組合地区議長としてなんとか少しは改善しましたが・・・
ブラック企業で洗脳され続けるとあなたはどうなるのか?
ブラック企業にお勤めと自覚がある方はなんとしても半日、休む時間を作ってください。
上記の図表のように5つの悪環境がそろった場合、どうなのか見ていきましょう。
(1)身体的ダメージ
極度の睡眠不足で、身体がむしばまれていきます。長生きしにくくなるとも言われています。
不健康になるとこれから「稼ぐ力」も磨きにくくなりますし、医療費がかかり、お金が減ります。
(2)心理的ダメージ
「心が疲れる」というやつです。プライベート時間がないだけで疲れますが、ブラックな環境であればなおさらです。
パワハラやネガティブコミュニケーションな環境で1分たりとも休まることがないです。一定のラインを超えるとうつ病になります。
(3)脳へのダメージ
一番こわいのがコレです。睡眠不足やパワハラで脳の働き(脳が委縮?)がにぶくなり、以下のような症状が出ます。
・記憶が飛ぶ(覚えていない)
・物事の判断ができなくなる
・集中力がない(簡単な計算ができなくなる)
・感情がなくなる(笑えない)
私も実際に体験しましたが、いまだにブラック企業に在籍していた頃の記憶が無い時期があります。
(4)スキル身につかない
仕事自体がスキルアップになるかは業種や職種次第ですが、経験値が積めません。
なぜかというと、極度の脳疲労により記憶の定着が弱くなりますし、集中して仕事ができる環境ではないので経験したことが定着しません。
ブラック企業を辞めるにはどうしたらいい
ブラック企業とは直接対決は避けてください。
また1人で対応せず、基本的には外部機関を頼ることをオススメいたします。
(1)1人で対応する
相手が真のブラック企業であれば1人で対応するのはオススメできません。
なぜなら判断力が著しく鈍っている可能性が高いからです。
なぜ判断力が鈍くなっているかというと外部との接触が減っていること、睡眠不足により脳が正常に働いていないことにより視野が狭くなっていることが多いからです。
(2)労働組合(社内)と協業する
ブラックな環境でも会社としてではなく個人に起因する場合(パワハラ上司など)は有効なことがあります。
比較的規模が大きい会社であれば労働組合が正常に機能しています。
労使の問題については、労働組合のトップと会社のトップは対等の立場です。
実態調査(長時間労働など)が入ったり、パワハラ上司の上司が味方になり、パワハラ上司は左遷や降格になることがあります。
その結果に納得してあなたが会社に在籍しようと考えるのであればそれも選択肢のひとつかと思います。
ただブラック上司がいる会社はそのブラック上司を評価した上司もいるわけですから、根本的な解決にはいたらないかもしれません。
なお会社ぐるみでブラックであれば労働組合は無力です。
(3)公的機関に相談する
国はどうにかブラック企業をなくそうと動いてくれています。
ただしなんでもかんでも労働基準監督署に丸投げできるわけではなく、担当者から助言や指導をもらってあくまで対応するのはあなたです。
相談したから辞められるわけではなく、“辞めるためのヒントや材料”を提供してくれるだけです。
もちろん証拠があり、違法性があれば直接関与もしてくれますが。
「労働基準監督署は平日の昼間しかやっていないし行けない」という方は多いと思いますが、土日祝もやっていて、夜間も対応してくれるのが強みです。
切羽詰まっていたり、すぐに確認・相談したい場合は頼りになります。
(4)退職代行業者や弁護士に依頼する
相手が真のブラック企業であれば退職代行業者や弁護士を頼る必要があります
。ブラック企業にいると自身の判断力がどんどん鈍っていきますので、退職代行業者や弁護士とすぐに“契約”しなくても“相談”はしましょう。
注意点は中にはブラック退職代行業者もいるということです。
お金だけむしり取られておしまい、ということもあるので業者選びは十二分に注意してください。
弁護士は労働審判(※)や長時間労働、ハラスメント問題など多岐にわたり対応してくれますので心強いです。
また退職代行に強い弁護士もいますし、「辞めさせんぞ!根性なしか!」みたいな“過度な引き止め”についても対応してくれます。
↓↓↓過度な引き止めの対応についての参考記事です↓↓↓
※労働審判とは?
労働者と事業主との間で起きた
労働問題を迅速(早ければ2ヶ月)
かつ適正な解決を図る裁判所の手続です。
「裁判を起こすほどでは・・・」という方向けです。
賃金未払いなど、退職後にも有効。
判断力がなくなる前にやるべきこと
判断力が少しでもあるうちに、まずは休んでください。
上司に叱られようがなんでもいいです。ずる休みでもなんでもいいです。
休んで少しだけ脳が落ち着いたら退職する方法についての知識を入れて、転職活動をはじめましょう。
(1)なんとしても休む時間をつくる
ブラック企業にお勤めと自覚がある方はなんとしても半日、休む時間を作ってください。
圧倒的第一優先です。
まず時間を作らないとはじまりません。
誰かに相談することも、考えることもできません。
「真のブラック企業はそんな時間を与えないからブラック企業でしょ・・・?」というのもわかるのですが、それでも休む時間を作ってください。
体調不良でも冠婚葬祭でも、嘘でもなんでもいいので12時間確保する。(難しいのは承知で言います)
12時間確保し、8時間寝て、1時間しっかり食事して、3時間は考える時間にしてください。(もっと休みたいけど現実的にはこれが限界かと)
一時的にでも「睡眠」「食事」「休暇」の3つを揃えないと前に進めません。
前に進むとは、ブラック企業との決別です。
「睡眠」「食事」「休暇」の3つが揃うと、世界が少し広く見えます。
つまり選択肢が広がります。
辞めてもいいんだ、辞め方があるんだ、と。
それが証拠に年末年始、GW、お盆中などの長期休暇中もしくは直後に「退職」というキーワードでGoogle検索数が上昇します。
業務多忙な日頃は考えられなくても十分な睡眠と食事、少しの休暇でゆっくり考える時間ができると、人は冷静に物事を判断できるようになります。
(2)「退職」についての勉強をする
①書籍やネットでの情報収集
「さよならブラック企業」などブラック企業についてのマンガもあります。
また本サイト「退職の寺子屋」も一助になればさいわいです。
↓↓↓計画的な退職を辞め方については↓↓↓
②「退職」のための証拠集め
「心身ともに壊れそうなのですぐに辞めたい」そんな状態であれば、辞めることだけ考えましょう。
弁護士や退職代行業者に依頼です。
もし少しだけ考える余裕があるのであれば、“損しない退職“の準備をしましょう。
ブラック企業かどうかに関わらず、“損しない退職“のためには証拠集めがポイントです。
以下、一例です。
「ちゃんと働いていないから給料出さない」と言われたケース
・雇用関係があることの証明:労働契約書、労働条件通知書、給与明細書の控え等
・給料計算の根拠となる証明:就業規則(賃金規定、退職金規定等)
・勤務状況を証明:タイムカード、業務日報、入居しているビルの入退館記録等
・給料未払い証明:給与明細書、金融機関の預金通帳等
↓↓↓退職前の証拠集めのやり方↓↓↓
(3)無料の転職エージェント、転職サイトへの登録
①転職エージェント
転職エージェントは退職する前から利用した方がいいです。
彼らの目的は「できるだけ年収の高い企業へ転職させること」ですので、退職相談がメインではありません。
ただ社外との接点を持つという意味では転職エージェントはありがたい相談相手となります。
「社内はもちろん、社外でも大学の同期に会社のことは相談したくない」ということもあるでしょう。
また転職エージェントは転職のプロですから、ブラック企業の特徴をよく理解しています。
転職エージェントを通して転職をすれば次の職場がブラック企業である可能性はかなり下がります。
あなたがブラック企業を退職して、転職してもらえれば利害が一致するので無料でもなんの遠慮もいらないのです。
↓↓↓面談とか抵抗あればまず登録だけ↓↓↓
②転職サイト
転職エージェントと同時に転職サイトにも登録しておきましょう。
転職サイトに登録する目的は、求人情報だけでなく“口コミ”を見ることができます。
実際に該当の会社に勤めていた退職者が口コミをしているので相当リアルな情報が満載です。
特に『転職会議』は情報量が多くオススメです。
(4)公的セーフティーネットがあることを知る
公的セーフティーネットの知識があると安心できます。
「辞めてもなんとかなるんだ」と。税金や社会保険料を納めているのですから遠慮なく申請しましょう。
①場合によっては生活保護を受けられる
「え?生活保護?」
と思われるかもしれませんが、心身ともに崩壊し、社会復帰も困難な状態におちいるぐらいならできることはなんでもしましょう。
「給料も払われなくて、お金もない。時間もない。ナイナイナイ・・・」という状態で転職もできないと考える方もいますが、思い切って辞めてしまっても最低限の生活は守られます。
そこから再起を図りましょう。
もろもろ条件はありますが、日本という国は手厚いセーフティーネットがあります。
↓↓↓無職でお金がなくなって借りる前に知っておくべきこと↓↓↓
②最大2年6ヶ月間は国から手当金がもらえることもある
【傷病手当金】
病気やケガで働けない人に給付されます。詳細は割愛しますが、最大1年6ヶ月間もらえます。
【失業手当】
会社都合であれば、自己都合と比較して、失業手当の受給期間が長くなります。つまりもらえるお金が多くなります。最大1年間です。
離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上あることが条件です。(会社都合の場合です)
↓↓↓退職後も傷病手当金~失業手当との合わせ技~↓↓↓
なんとしても半日休んでください
ブラック企業にお勤めと自覚がある方はなんとしても半日、休む時間を作ってください。
まず12時間確保してから本記事を読んで行動していただきたいです。
「睡眠」「食事」「休暇」の3つを先に確保しないと、どんな情報も入ってきません。
ブラック企業に在籍していると身体も心も、そして脳がやられてしまい、判断力がにぶくなり、退職や転職どころか何をどうしたらいいかわからなくなります。
まず休んで、時間を確保して、退職代行や弁護士に相談しましょう。
同時に辞めるために、または辞めてからブラック企業に再就職しないようにするにはどんな情報が必要かを理解しましょう。
「お金がないから辞められない」に対しては、公的ネットワークもあります。なんとかなります。まずは半日休んでください。
↓↓↓石の上にも三年なんて無視した方がいい↓↓↓
・最低でも半日は自分の時間を作る
・ブラック企業に定義はなく、あなたが判断するもの
・ブラック企業で洗脳され続けると、あなたが壊れる
・ブラック企業に在籍し続けると、転職すらできなくなる
・ブラック企業を辞めても生きてはいける