☑自分に万が一のことがあったら、家族にいくらお金を遺せるのか不安
☑民間の生命保険を見直した方がいいかも?と思っている
☑年金以外でも考えないといけないことは何か知りたい
心配なのは“見えない“からです。
家族に残せるお金の代表格は遺族年金ですが、受給額の早見表も確認し、具体的にご自身の遺族年金について確認しましょう。
本記事では年金以外にも家族に残せるものは何か?についてまとめています。
何が起こるかわからないのが人生です。
家族に遺せるものは何か?今から考えておきましょう。
・年金は保険。民間保険の前に公的保険を理解する。
・遺族年金には遺族基礎と遺族厚生の2種類がある。
・遺族基礎年金の計算は、約80万円+子の加算(第2子まで約20万円)
・遺族厚生年金の計算は、平均年収×加入月数×0.005481×75%
・自分はいくらもらえるのか一度はシミュレーションしておく。
・自分に万が一のことがあった場合、家族にはお金、お金の知識、稼ぐ力を遺すべき。
年金の基礎知識
細かい内容に入る前に、年金の全体像から確認しましょう。
(1)公的年金は3種類ある
年金と言われると、定年退職後の老後にもらえるお金を連想する方が多いかもしれません。
しかし公的年金には3種類あり、さらに基礎と厚生に分かれます。
ちなみに年金は年金保険料と言われるように“保険”です。
長生き・病気やケガ・死亡、この3つのリスクに対しての公的保険です。
①老齢年金
誰もが知っているメジャーな年金です。
所定の年齢になったらもらえる年金です。
老齢基礎年金はいわゆる国民年金、老齢厚生年金は会社勤めの人がもらう年金です。
②障害年金
病気やケガで働けなくなったら生活できるのか不安です。
そんな時に現役世代の方も含めて受け取ることができるのが障害年金です。
③遺族年金
自分に万が一のことがあったら遺された家族は大丈夫か?に対する年金です。
本記事ではこの遺族年金について詳しくお伝えいたします。
遺族年金を整理すると、以下の図のようになります。
(2)遺族基礎年金とはどんな年金?
遺族基礎年金とは、被保険者(あなた)に万が一のことがあった時に子供がいる配偶者が年間100万円ぐらい受け取れる年金です。
①被保険者
国民年金保険料を納めている人が対象なので、自営業者も会社員(厚生年金保険料を納めている)もいずれの遺族ももらえます。
②受け取れる人
子どものいない配偶者には支給されません。
子どもが全員18歳の年度末をすぎるともらえなくなります。
つまり終身年金(一生涯もらえる)ではありません。
③もらえる金額
約80万円+子の加算(第2子まで約20万円)です。
詳しくは後述いたします。
④その他要件
受け取り人である遺族(配偶者)の年収が850万円以下でなければもらえません。
(3)遺族厚生年金とはどんな年金?
遺族基礎年金とは、保険者に万が一のことがあった時に子供がいる配偶者が年間100万円ぐらい受け取れる年金です。
①被保険者
厚生年金保険料を納めている人が対象なので、会社員(厚生年金保険料を納めている)の遺族のみもらえます。
②受け取れる人
子どものいない配偶者には支給されません。
終身年金(一生涯もらえる)です。
③もらえる金額
平均年収×加入月数×0.005481×75%
遺族基礎年金とちがい、収入や勤続年数(月数)で金額が大きく変わります。
75%は老齢厚生年金の3/4という計算です。
なお、0.005481は「お国で決められた魔法の数字」と覚えておいてください。
具体的な金額は後述いたします。
④その他要件
会社での勤続年数(厚生年金保険加入年数)が短い場合でも、25年(300月)で計算してくれます。
たとえば年収300万円の25歳(勤続年数3年間)の人に万が一のことがあった場合でも、約310,000円の遺族厚生年金がもらえます。
本来の計算式に当てはめると年間で約37,000円になります。
きびしすぎますよね。
遺族年金はいくらもらえる?(ざっくり版)
家族に遺す大事なお金、遺族年金ですがいくらもらえるのでしょうか?
まずはざっくり見てみましょう。
前章のおさらいですが、計算式は以下の通りです。
☑遺族基礎年金:約80万円+子の加算(第2子まで約20万円)
☑遺族厚生年金:平均年収×加入月数×0.005481×75%
・子どもがいれば ⇒ 遺族基礎年金+遺族厚生年金
・子どもがいない ⇒ 遺族厚生年金のみ
遺族基礎年金は上記の通り、もらえるかもらえないかの違いがあるものの、金額は変わらないので、遺族厚生年金(年間合計金額)だけ確認してみましょう。
(1)月収20万円だと遺族厚生年金はいくらもらえる?
仮に勤続年数が15年であれば、約18.5万円になります。
年収(20万円×12ヶ月+賞与60万円)×15年間×0.005481×75%
=300×15×0.005481×75%
=約18.5万円
※ちなみに、老齢厚生年金を計算するのであれば、計算式の最後の75%を掛け算しなければいいです。
(2)遺族厚生年金を25万もらうには年収はいくら必要?
仮に勤続年数が15年であれば、年収は約400万円が必要になります。
25万円=年収×15年間×0.005481×75%
25万円=年収×0.06166
25万円=0.06166年収
25万円=年収(405.44923万円⇒約400万円)
年収400万円(月収30万円×12ヶ月+賞与40万円)=遺族厚生年金 25万円
(3)厚生年金10年間加入していたら、遺族厚生年金はいくらもらえる?
仮に年収は約400万円であれば、遺族厚生年金は約41万円です。
【誤】16万円=年収400万円×10年間×0.005481×75%
【正】41万円=年収400万円×25年間×0.005481×75%
前述の通り、会社での勤続年数(厚生年金保険加入年数)が短い場合でも、25年(300月)で計算してくれますので【誤】ではなく【正】の遺族厚生年金がもらえます。
遺族年金はいくらもらえる?(しっかり版)
次は早見表やシミュレーションを使って、しっかり見てみましょう。
(1)遺族基礎年金および遺族厚生年金の金額早見表
子どもがいるいない、妻の年齢などご自身の状況に当てはめてください。
平均報酬標準月額は月収と考えてもらったらいいです。
なお、年金額は2022年度の金額です。
(2)遺族年金受給額をシミュレーションしてみる
18歳未満の子どもの人数、職業(自営業か会社員か)、月収を入力すれば受給額がシミュレーションできます。
引用:株式会社FITTON(フィットン)「遺族年金支給額シミュレーション」
(3)老齢年金受給額をシミュレーションしてみる(ねんきんネット)
せっかくなので、時間があればご自身の老齢年金もいくらもらえるのか確認してみましょう。
日本年金機構のねんきんネットでは、あなたの年金額を試算したり、今までの納付履歴を確認できます。
ログイン方法は割愛します。
STEP①:将来の年金額を試算する
STEP②:詳細な条件で試算
STEP③:試算条件入力(職業、受給開始年齢など)
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何を家族に遺すべきか?
急に精神論的な話?のようですが、万が一のことがあっても、気持ちは置いていけません。
家族に遺すべきはお金です。(保険のCM?)
さまざまな形でお金を遺せるよう事前準備が必要になります。
仮にあなたがいなくなったら、うちの世帯は年間でいくら必要なのか?から考えましょう。
(1)保険(公的+民間)・金融資産・不動産
遺族年金をはじめ、場合によっては生命保険も必要です。
他にも株式投資(配当金収入)や不動産(家賃収入)など収入の柱を増やしておくと安心です。
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(2)お金の知識を身につける
社会保険、税金、投資などのお金の知識があれば、お金に困る確率が下がります。
たとえば税金の控除について知っていれば、還付金がもらえる可能性があります。
配当金の課税額や医療費の一部を税金から控除して、取り戻せたりします。
病気になってしまい、仕事が出来なくなっても、傷病手当金と失業手当で2年半ぐらいお金がもらえたりします。
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(3)稼ぐ力を身につける
もしあなたが一家の大黒柱で、配偶者の稼ぐ力が弱かったら少し心配です。
お金に困らない、さらにはやりがい持って生きていくのに資格取得もひとつの手段です。
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遺族年金に関するよくある質問と回答
本編でお伝えしきれなかった部分もお伝えいたします。
(1)遺族年金と自分の年金は両方もらえますか?
1人1年金が原則のため、もらえません。
受け取れる年金を自身で決める必要があります。
たとえば老齢基礎年金と遺族基礎年金と比較して、多い方を選択することになります。
(2)遺族年金はいつまでもらえますか?
①遺族基礎年金
おさらいですが、子どもが全員18歳の年度末をすぎるともらえなくなります。
つまり終身年金(一生涯もらえる)ではありません。
②遺族厚生年金
30歳以上であれば子供の有無にかかわらず一生涯の支給(終身年金)です。
しかし夫の死亡時に、妻の年齢が30歳未満で子どもがいない時は受給期間が5年間になります。
30歳未満でも子どもがいる場合、もしくは妊娠中であれば遺族厚生年金は一生涯支給されます。
(3)遺族基礎年金が終わったら遺族厚生年金だけになりますか?
以下の2パターンの場合、遺族厚生年金には、40歳から65歳になるまでの間、583,400円(年額)が加算されます。
これを中高齢寡婦加算といいます。
☑配偶者が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子どもがいない時
☑子どもが18歳到達年度の末日に達したため、遺族基礎年金を受給できなくなった時
(4)脱サラ後の遺族厚生年金はどうなりますか?
会社員から自営業者になった場合、年金の受給資格期間25年以上を満たしていれば、遺族年金が支給されます。
前述の通り、厚生年金加入中に亡くなった場合、厚生年金の加入期間が短くても25年間加入したものとして計算してくれます。
しかし、現在厚生年金に加入しておらず受給資格期間を満たした人が亡くなった場合は、実際に加入した厚生年金期間で計算します。
老齢年金は受給資格期間10年以上に変更されたのですが、遺族年金は変わらず25年以上必要です。
なお、国民年金保険料の納付を免除されていた期間があったとしても、遺族年金の受給には影響しません。
公的年金をベースに考える
あなたに万が一のことがあった場合、家族に遺すお金のイメージはつきましたでしょうか?
まずはうちの家族は年額でいくら必要なのか?
公的年金でいくらもらえるのか?
不足分は投資や民間保険などでどれぐらいまかなえるのか?
ざっくりでも数字に落とし込んでおきましょう。
同時にお金の知識や稼ぐ力も身につけて、強い一家にしていきたいですね。
↓↓↓そもそも未納だと年金もらえない↓↓↓
・年金は保険。民間保険の前に公的保険を理解する。
・遺族年金には遺族基礎と遺族厚生の2種類がある。
・遺族基礎年金の計算は、約80万円+子の加算(第2子まで約20万円)
・遺族厚生年金の計算は、平均年収×加入月数×0.005481×75%
・自分はいくらもらえるのか一度はシミュレーションしておく。
・自分に万が一のことがあった場合、家族にはお金、お金の知識、稼ぐ力を遺すべき。