☑問題と課題の違いがわからない
☑経営コンサルティング業界に興味がある
☑問題と課題の違いがわかったところでどうなの?
「問題」と「課題」って何が違うんですか?
コンサル業界ではめちゃくちゃ重要なポイントなんですよ。
でも結局どっちも解決しないとダメですよね?
そう思いますよね。しかし問題と課題を混同すると、的外れな施策を打つことになります。
そうなんですか…実際にどう違うのか、具体例が知りたいです!
では図解やコンビニエンスストアの事例を使って解説しますね
- 問題は現状のネガティブな状態
- 課題は目標達成のための不足部分
- 的外れな施策を防ぐために課題設定が重要
- 問題解決だけでは企業の成長につながらない
- クライアントが本質的な課題に向き合えるよう支援するのがコンサルの役割
経営コンサルタント会社勤務、現役で中小企業の経営支援の経験からお伝えいたします
「問題」と「課題」の違いの概要
「問題」と「課題」は何が違うのか?具体例を交えて確認しましょう。
(1)「問題」と「課題」の違いの定義
「問題」とは、今起こっている困った状況やトラブルのことを指します。
一方、「課題」は目標達成のために乗り越えるべきポイントのことです。
つまり「問題」は放っておくとマイナスになるもの、「課題」は目標があるからこそ生まれる不足部分といえます。
たとえば近所のコンビニエンスストアで「接客が悪い」「店頭が汚い」は問題ですが、課題とは限りません。
なぜならその店舗の経営者にとって必要な目標の売上・利益は確保できており、店舗状況も現状で構わないと考えているからです。
このように店舗運営上の問題点が多くても、立地が良ければ売上・利益が確保できるのは有り得る事です。(ただしあくまで短期的な話です)
すべての問題点を解決できれば良いですが、時間やお金、人材など経営資源には限りがありますので経営者の思いや目標に合った適切な課題を設定し、解決する事が重要になります。
経営コンサルが経営者に「店頭が汚いですね」って問題だけ指摘されても「だから?」ってなりますね
その通りです。経営者が目指すべき思い、たとえば清掃や接客ではなく「欲しいものを欲しい時に欲しい分だけお客様に提供したい」と考えており、それが売上・利益につながるのであれば、「適正な品揃え」が課題となります。
(2)【図解】「問題」と「課題」の違い
視覚的に理解できるように、シンプルなフレームワークで確認してみましょう。
現状は数々な問題があり、目標に対してギャップがあります。
目標達成に関わる問題の要因を見つけ出し、どうしたらギャップを埋められるかが課題になり、具体的な取り組みが対策になります。
さっきのコンビニエンスストアの例だと課題は「品切れが多い」になるんですか??
いえ、課題にすると「品切れが多い」ではなく、どうしたら目標と現状のギャップを埋められるか?なので「適正な品揃え」というポジティブな表現になります
経営コンサルが「問題と課題の違い」にうるさい3つの理由
なぜ経営コンサルタントが「問題と課題の違い」にうるさいのは、①的外れな施策を打つ恐れがある②根本的な成長につながらない③問題解決ばかりに目がいくクライアント企業が多い、といった3つの理由があるからです。
(1)問題と課題を混同すると、的外れな施策を打つことになる
問題と課題を混同すると、的外れな施策を打つことになり、期待した成果が得られません。
たとえばコンビニエンスストアで「売上が下がっている」ことを課題と考えてしまうと、ただ売上を上げることに注力し、本質的な解決にはつながりません。
「売上低迷」は問題です。
経営者の目標売上が日販50万円に対して、現状が40万円であれば10万円のギャップが目標であり、この10万円の売上を上げるために必要な要素である「品揃え」「接客」「清掃」などに分解しどんな状態が望ましいのかが課題になります。
もし問題と課題を混同したまま施策を打つと、改善の方向性がずれ、時間やコストを無駄にする可能性があります。
コンサルタントの役割は、問題を整理し、適切な課題を特定することです。
正しい課題設定をすることで、的確な戦略を立てることができ、効果的な改善につながります。
(2)問題解決型の思考では根本的な成長につながらない
問題を解決するだけでは、一時的な改善にとどまり、企業の根本的な成長にはつながりません。
問題解決は現状を維持するために必要な対応ですが、長期的な発展を目指すには「課題の克服」が不可欠です。
たとえば「迅速にクレーム対応をする」のは問題解決ですが、根本的にクレームを減らし、顧客満足度を向上させる仕組みを作ることが課題の克服になります。
問題にばかり目を向けていると、対症療法的な施策が増え、企業の成長を妨げる原因にもなりかねません。
コンサルタントの視点では、問題を解決するだけでなく、その背後にある課題を特定し、持続的な成長につながる戦略を立てることが重要になります。
(3)クライアント企業が「問題解決」ばかりに意識が向いている
問題解決も業績改善や生産性向上につながる可能性はあります。
しかし企業の存続目的は単に問題を解決することではなく、経営理念に基づいて経営目標を達成することです。
そのため、すべての問題に対応するのではなく、優先順位の低い問題は放置し、より重要な課題に集中する判断も必要です。
実際には多くの企業は目の前のトラブルに追われ、本質的な課題に向き合えていないケースが多く見られます。
たとえば「人手不足」という問題が発生した際、単に「採用強化」に注力するのではなく、「業務プロセスの見直し」や「生産性向上」を課題として捉えることで、より本質的な解決策が見えてきます。
コンサルタントの仕事は、問題に対応するだけでなく、企業が長期的に成長できる課題を設定し、その実現に向けた具体的な戦略を提案することです。
問題に惑わされず、本質的な課題にフォーカスすることが、企業の持続的な成長につながるのです。
問題点を見つけてもすぐに飛びつかず、整理して優先的に取り組むべき課題を明確にすべきなんですね!
そうですね。それらの問題点を整理し、その要因を分析の上、目指すべき方向性と照らし合わせて課題化をするには地頭力を鍛える必要があります。
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コンサル業界で求められる「問題発見力」と「課題設定力」
コンサル業界に転職するのであれば経営戦略論や組織論、マーケティング、財務会計などの知識は必要になります。
しかしそれらの知識以上に「問題発見力」や「課題設定力」など能力が重要視されます。知識は後からついてきます。
(1)「問題発見力」と「課題設定力」がキャリアに与える影響
「問題発見力」と「課題設定力」は、企業の経営理念や経営目標を理解し、適切な戦略を立てる上で不可欠なスキルです。
企業が抱える本質的な課題を明確にするためには、現場の状況や経営層の考えを的確にヒアリングし、表面的な問題の裏にある根本原因を見極める力が求められます。
これらのスキルはコンサルタントやマネジメント職だけでなく、転職市場でも高く評価されるポイントです。
単なる問題解決にとどまらず、長期的な成長につながる課題を設定し、適切なアクションを導き出せる人材は、多くの企業から求められています。
(2)コンサル業界志望者のための思考トレーニング
問題が問題のままでは悩みは解消しないが、問題を課題化すれば悩みではなくなります。
問題を課題化するには、「最終ゴールは何か?」を強く意識する必要があります。
①現状認識:自分は悩んでいるのか?
②現状把握:何に悩んでいる?
③最終目標:どうなったらいい?
④必要手段:何をしたらいい?
⑤実行後押:それをやってみませんか?
上記の5ステップで自問自答、もしくは他者と問答する事で問題を課題化できます。
たとえばコンビニエンスストアの経営者の事例で考えてみましょう。
①経営者が店長育成に悩んでいる
②店長の発注精度が低く、廃棄が多く利益率が低下していた事が悩みだ
③利益率が改善され、最終利益が残るようにしたい
④オーナーが店長へのOJTにより、2週間期間限定で一緒に発注する
⑤明日から実行し、数値検証する
②が問題で、③が課題、④が対応策と言えますね
(3)「課題解決」という言葉を使うのは間違い?
「課題解決」という言葉は、実は正しくありません。
本来「解決」するのは「問題」であり、「課題」は目標達成のために克服すべきものだからです。
たとえば「売上が低迷している」という問題を解決するための課題は「ターゲット市場の見直し」や「マーケティング施策の強化」になります。
課題は「克服する」または「達成する」ものと考えるべきで、「解決」という表現を使うと、問題との違いが曖昧になり、適切なアプローチができなくなる可能性があります。
やっぱりコンサルはロジカルシンキングで考えなきゃですね♪
ロジカルシンキングも重要ですが、コンサルタントはクリティカルシンキングも必要になります
↓↓↓クリティカルシンキングって何?↓↓↓
コンサルタントが「問題と課題の違い」を知らないと…
問題と課題を混同すると、経営判断を誤る可能性があります。
問題は「現在の困った状況」、課題は「目標達成のために克服すべきポイント」です。
コンサルタントはこの違いを明確にしなければ、経営者に的確なアドバイスを提供できません。
たとえば売上が低迷している小売店で「スタッフの態度が悪い」と指摘するだけでは不十分です。
売上向上のために「接客力を強化する」や「品揃えを最適化する」など、具体的な課題を設定する必要があります。
問題を整理し、本質的な課題を明確にすることで、企業は持続的な成長へとつながります。
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