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【売れる価格設定】原価と利益だけで決まらない──“価値基準”価格戦略

売れる 価格設定
こんな方に読んでいただきたいです

☑価格設定で悩めるビジネスパーソン

☑中小企業の営業企画担当者

☑店舗運営従事者(店長、部門担当者)

ちぴーさん

また上司に“原価に3割乗せとけ”って言われましたよ。なんか違う気がするんです…

Pさん

その感覚、正しいですよ。今の時代、価格は“原価+利益”じゃなく、“価値”で決まるんです

ちぴーさん

価値で決まるって、どういうことですか?

Pさん

お客さんは数字じゃなく、“感じた体験”で値段を判断してるんです。つまり、価格は意味づけの結果なんですよ。

本記事のポイント
  • 原価+利益だけの価格設定は限界
  • 顧客は「感じる価値」で価格を判断
  • 比較できない商品は価格競争を回避
  • 限定性・希少性は価格を支える武器
  • 価値を言語化すれば自信を持って提案

価格は「数字」ではなく「意味」で決まる

価格設定を「数字の操作」と捉えると、本質を見誤ります。

顧客は原価ではなく、商品が与える感情的・体験的価値で判断しています。

(1)「原価+利益」思考の限界

あなたの職場でも、価格を決める際に「原価に◯%の利益を乗せよう」という話になりませんか?

確かに原価計算は企業経営の基本です。

しかし、その考え方に頼りすぎると「利益は確保できても売れない」価格になります。

なぜなら、顧客は“原価”ではなく“感じる価値”で買うからです。


たとえば、同じようなクッキーでも「コンビニで買う100円」と「空港限定の1,200円」は、全く異なる体験価値を持っています。

価格の差は、原価ではなく“意味の差”なのです。

(2)価格感受性という心理のメカニズム

価格設定を考える上で押さえておきたい概念が「価格感受性」です。

これは、顧客が価格の違いにどれだけ敏感に反応するかを示すもの。

日常品やネット通販のように比較が容易な商品は、価格感受性が高く、少しの値上げでも離脱されやすい。


一方で、旅先の限定商品や特別体験に紐づく商品は、価格感受性が低く、多少高くても「せっかくだから」と購買に至ります。

この差を理解しているかどうかで、価格戦略の組み立て方がまるで変わってきます。

(3)顧客が払うのは「体験価値」

今の時代、顧客は「モノ」ではなく「体験」を買っています。

その商品が“どんな気持ちを与えてくれるのか”を含めて価格を判断しているのです。

だからこそ、あなたが扱う商品にも「なぜこの価格なのか」を語れるストーリーが必要になります。

価格とは単なる数字ではなく、「顧客にとっての体験価値の翻訳」なのです。

価格感受性を下げる3つの要因を活用せよ

価格感受性を下げるためには、比較されにくく、希少で、体験と結びついた価値を設計すること。

心理的要因を理解することが鍵です。

(1)比較困難性:価格競争から抜け出すカギ

価格感受性を下げる第一の要因は「比較困難性」です。

他社と比較されにくい商品ほど、価格競争に巻き込まれにくくなります。

例えば、地域性を活かした商品ネーミング、限定デザイン、独自ストーリーなどは、他社商品との“横並び比較”を困難にします。

あなたの商品が「他と同じ土俵」で比べられていないか、一度棚卸ししてみましょう。

比較不能な存在になることが、価格の自由度を高めます。

(2)限定性・希少性:希少であることが価値になる

「ここでしか買えない」「この時期だけの特別な企画」――この限定性が価格を支える強力な要因です。

人は希少なものに価値を感じる心理があります。

数量限定、期間限定、地域限定などの仕掛けは、単なる販売促進ではなく、価格を正当化する“価値づけ”になります。

限定の根拠がしっかりしていれば、価格への納得感も高まるのです。

(3)非日常的体験との結びつき:価格の上乗せを正当化する

人は「特別な体験」と結びついた商品に、より高い価値を感じます。

旅先で食べた料理、イベント会場で買った限定グッズなどがまさにそうです。

この原理を応用すれば、日常的な商品でも“非日常”を演出することができます。

たとえば、「記念日」「初収穫」「地域文化」といったストーリーを紐づけることで、価格が高くても「それだけの理由がある」と感じてもらえるのです

価値を価格に変える実践ステップ

価格を価値に変えるには、理論よりも実践。

価格の根拠を言語化し、価値マップで整理すれば、納得される“高価格”を設計できます。

(1)「価格の根拠」を言語化する

価格を説明できる言葉を持つことは、営業・企画担当者にとっての武器です。

「なぜこの価格なのか」を自信をもって語れない商品は、顧客にも納得されません。

価格の裏にある“提供価値”を明確に言語化することで、上司にも、顧客にも説得力を持てます。

これは価格設定というより、「価値の翻訳作業」といえるでしょう。

(2)価値マップを描く:価格=体験+希少性+物理価値

実務で役立つフレームワークとして「価値マップ」を使うと効果的です。
価格を3つの要素で捉えます。

  1. 体験価値:どんな気持ちを与えるか
  2. 希少性:どこでしか手に入らないのか
  3. 物理価値:性能・品質

この3点を整理することで、「この商品は他社より高くて当然」と自社内で共有できる基盤が生まれます。

(3)実例:同じ商品でも“売る場所”で価格は変わる

例えば、同じ地元産の米でも、スーパーと新幹線駅の売店では価格が違います。

理由は単純です。

駅では「旅の思い出」「限定の特別感」が加わるからです。

この事例は、価格が場所や体験によって変動することを示す典型例です。

あなたの扱う商品も、提供する文脈を変えるだけで価格が変わる可能性があります。

「どこで、どんな気持ちで買われるか」を設計することこそ、マーケターの腕の見せどころです。

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価格を“数字”から“価値”へと再定義しよう

価格は原価と利益の積み上げではなく、顧客が感じる価値によって成立します。

比較できない独自性、限定による希少性、そして体験との結びつきが価格感受性を下げ、納得される価格を生み出します。

営業企画担当者や店長クラスのあなたが“価値で価格を決める”視点を持つことで、売上だけでなくブランド力を高める新しい価格戦略が見えてくるはずです。

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