☑両親の介護がはじまった
☑職場の部下が介護離職をしたいと相談してきた
☑すでに介護離職をしてしまった
昨今こんな話が増えてきています。過去10年間、介護離職者はおよそ10万人で高止まりしています。
引用:みんなの介護「政府が掲げる「介護離職ゼロ」の現状は?厚労省は有料老人ホームの新設支援にも乗り出した」
主に以下の理由で介護初期での離職を考えてしまいます。
・働きざかり(35~50代)でそもそも多忙で冷静に考えられない
・介護は初めての経験で何から着手していいかわからない
・親(介護者)のことが心配で精神的につらい
・今後が不安になる(お金、時間)
不安要素ばかりで離職を考えてしまいがちですが、長期目線では介護離職をすると後悔します。
なぜなら経済的にも、キャリア的にも、精神的にもマイナスになることが多いからです。
私は介護フォローのため、2ヶ月に1回1週間程度、親元に帰省しています。
介護離職をしなくてもなんとかなる(なんとかする)方法、仮にすでに介護離職してしまっていたらどうするのがベストなのか、みていきましょう。
・介護離職すると経済的・キャリア的・精神的につらい
・「介護は家族がやるもの」と自分を追い込まない
・介護は初期段階がキツい!
・介護のプロに相談し、プロジェクトとして取り組む
・経済面では介護保険や身体障害者手帳など国の援助で乗り切る
・仮に介護離職してしまっても最善策(再就職、副業、起業)を尽くす
介護離職はなぜ後悔する?
(1)生涯収入が下がり、かつ支出が増える
離職すれば収入がダウンするだけではなく、以下の通り経済的に大きなマイナスなります。
特に親(介護者)が亡くなれば年金収入がなくなり、自身が無職であれば経済的にいきづまります。
① 収入がなくなる
② 退職金が減る(勤続年数が少ない)
③ 厚生年金が減る(国民年金は会社負担ゼロ)
④ 健康保険で不利(国保であれば扶養は使えない)
(2)介護離職すると再就職が困難になる
介護離職後の正社員への再就職率は半分以下です。
介護による無計画な離職ですから、エネルギッシュな転職活動も難しいです。
引用:みんなの介護「【離職率データあり】介護離職とは?離職理由や対策を知る」
(3)精神的につらい
今まで親孝行できていなくて、介護というかたちで親といられるのは幸せ、と考えるかもしれません。一方でいつも親と同じ空間にいるとお互い嫌なところが見えてきてしまうものです。
また離職して社会と離れることで被介護者のあなたが孤独を感じることもあります。
なぜ介護離職してしまうのか?
(1)真面目すぎ、かつ固定観念にとらわれている
「介護は家族がやるもの、誰にも任せられない」と考えてしまう、真面目でいわゆるステレオタイプ(固定観念)の人に多いです。
「親孝行したいときには親はなし」と考えてしまうのもわかります。
しかし自身の人生を犠牲しても親は喜ばないですし、経済的精神的にも共倒れになる可能性が高いです。
(2)目先の発生事象にすぐ反応してしまう
介護は突然発生し、あなたを追い込みます。
それでなくとも多忙なビジネスマンは冷静な判断が難しく、“目の前”しか見られない精神状態になり、目先のことしか考えられなくなるのは仕方ないことです。
ただ考えるべきは目先と同時に、10年後、30年後のあなたと介護者です。
(3)資産がある、年収が高い人
「資産が3,000万円あるし、離職してもなんとかなるか・・・」と考えがちですが、数年で資産は無くなります。
考えねばならないのは現在の資産だけでなく、あなた自身の生涯賃金や退職金、年金です。
場合によっては介護費用もあなたが負担しなければならないこともあります。
介護離職しなくてもいい理由
(1)負担が大きいのは最初だけ
つらいのは最初の2ヶ月間です。
介護は楽なものではありませんが比較的、という意味です。
私事ですが「父親がたおれた」と母親から連絡があった2月から半年が経ち、我が家の介護はかなり落ち着きました。
当初は毎日のように両親から電話がありました。
メイン介護者の母親が以前より大変な生活をしているのは確かですが、介護初期と比べるとずいぶん落ち着きました。
はじめの2ヶ月間は大変でした。
「介護初期の大変な状況が永遠に続くのか・・・」と考えがちですが、そんなことはありません。
最初が一番キツいです。
症状が悪化したり、痴ほう症が進んでくるタイミングでまた波がきますが。
(2)介護保険が利用できる
原則、自己負担は1割(所得によって1~3割負担)で居宅・施設・地域密着型サービスが受けられます。
具体的には利用者の自宅に訪問して買い物や掃除、食事や排せつの介助などを行う訪問介護や福祉用具貸与といって、車椅子や特殊ベッドなどの福祉用具をレンタルするサービスがあります。
要介護度により利用できるレベルにちがいがありますが、経済的負担をかなり抑えられます。介護保険についてはケアマネジャーが詳しいです。
↓ベッド設置やトイレの支えも格安でレンタルできました(実家です)
(3)身体障害者手帳
介護者には必ず、というわけではありませんが身体障害者になると最低限必要な援助を受けるための証明書がもらえます。
身体障害者手帳の交付対象となるのは視覚・聴覚・そしゃく機能障害、肢体不自由などです。
手続きは市役所です。
障害者等級(医師が決める)により受けられる援助にちがいがありますが、うちの父親は2級(右半身不随のため)と認定されました。
なお、さかのぼり請求ができないので、制度利用するために早く申請をした方がいいです。(一般に介護のきっかけとなる診察日から半年程度)
障害者等級はケアマネジャーというより社会保険労務士のはんちゅうのため、申請は患者側から主体的に動かないと申請されないこともあるので要注意です。
身体障害者手帳の援助内容一部(等級によりちがいあり)
・医療費
・税金:所得税、住民税、配偶者、扶養、相続税・贈与税控除など
・スマホ通信費:民間のため市役所では手続き不可
・電車バス料金
・高速道路料金
・施設入場料:遊園地など
・NHK受信料
↓市役所で詳しい内容を教えてくれます
(4)国の介護休業支援制度、会社の休暇制度
国の支援として、介護休業給付金の制度があり休業できる日数は対象家族1人につき93日まで、休業期間中は給与の67%を受給できます。(雇用保険加入など諸条件あり)
また勤め先の会社が休業中の給与を支払う義務はありませんが、会社の福利厚生で「有給の介護休暇」を設けていることがあります。
まずは会社に相談ですが、無給はともかく介護が理由で一切休ませないのであればブラック企業の可能性があります。
仮にブラック企業であれば、介護を機に転職も視野に入れる必要があるかもしれません。
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(5)介護のプロが協力者になってくれる
地域包括支援センターという施設に行けば、介護のプロである社会福祉士やケアマネジャー、保健師などが今後の介護の進め方を教えてくれます。
なお地域包括支援センターはすべての市町村に設置されており、全国に5,351か所ありますのでお住まいの近くにもきっとあります。
(6)介護はひとつのプロジェクト
上記の(1)~(5)を総合的に考え、あなたがプロジェクトマネージャーとして介護に取り組むことで難局を乗り越えられます。
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介護離職してしまったら
(1)正社員として再就職を目指す
介護離職後の収入は激減することがほとんどです。
なぜなら勤務時間の短縮や、雇用形態が変わるからです。
それでも正社員であれば社会保険(健康保険、厚生年金)があるのは非常に助かります。
引用:みんなの介護「介護離職をすると収入が4割ダウン?再就職は難しく1年以上無職になるリスクも…」
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(2)副業をやってみる
介護で時間が取られますが、介護のために家にいなければならない時間も増えます。
ビジネス経験を活かして、副業で在宅ワーク(WEBライターなど)をして収入のプラスオンにするのもいいでしょう。
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(3)思い切って独立起業する
介護離職はオススメしませんが、思い切って独立起業するのも選択肢に入れてみませんか。
ただし「介護のせいで独立せざるを得なかった」といった考えでは成功はしづらいかもしれません。
注意すべきは最初から大きな投資はせず出来るだけお金をかけず、パソコン一つでできる仕事などがオススメです。
またSNSを中心に詐欺師が横行していますので、「50万円払ったら月30万円かせげる自動化の仕組みを教えます」みたいなのには気を付けてください。
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(4)介護の知識を深める
老人ホーム検索サイト「みんなの介護」は老人ホームの情報だけでなく、介護について体系的に全体像を理解できる情報を発信しています。
以下のYouTubeで知識を入れておくと良いです。
(5)家族(両親など)によりそう
離職すればお金の心配はありますが、時間はつくれます。
要介護者や介護者(あなた自身かもしれません)のために時間を使いましょう。
私自身の話で恐縮ですが、父親が要介護者で母親が介護者で、私がタイミングをみて帰省して介護フォローしています。
両親とも70歳を超えており、かつ要介護状態と介護者の老夫婦ですので視野が狭くなっています。(うちの両親だけかもしれませんがご参考になれば)
両親によりそう中で以下の3つことに気をつけています。
①両親のスピードに合わせる
一歩先を行くぐらいでちょうどいいです。もどかしいですが、あせらせない。
確定申告や介護保険の手続きが遅れていても急かさない。
②メンテナンスをする
介護者や年配になると目先のことだけの対応になりがちです。
日常生活で精一杯で、メンテナンスまでゆきとどきません。
たとえば自転車のブレーキのききの悪さに気づかない、エアコンの故障に気づかない。
③ささいなよろこびを提供する
介護でネガティブな精神状態になっていることが多いです。
介護保険手続きや訪問介護の予定など重要ですが、そういった守りの話だけでなく、よろこびを提供する。
うちの両親はモスバーガーが好きなのでたまに買っていくと笑顔になります。(高血圧なので塩分こわいですが、、、)
要は「これからどうしよう?」という課題解決はもちろんしていくのですが、自ら”課題発見”を発見して家族に向き合うイメージです。
これは介護離職しても、しなくても必要な考え方だと思います。
介護、最初は誰もが未経験者
社会経験豊富な40代50代のビジネスマンでも初めての介護は未経験者です。
とまどうことばかりですが、そんな時こそ自分を客観視し、国の援助など情報収入し、介護のプロの協力を得て乗り切りましょう。
そして何より要介護者によりそい、ペースを合わせて、一歩先を見た行動を取っていくと良いんじゃないかと、現段階で私は考えています。
・介護離職すると経済的・キャリア的・精神的につらい
・「介護は家族がやるもの」と自分を追い込まない
・介護は初期段階がキツい!
・介護のプロに相談し、プロジェクトとして取り組む
・経済面では介護保険や身体障害者手帳など国の援助で乗り切る
・仮に介護離職してしまっても最善策(再就職、副業、起業)を尽くす
「介護」は計画的な動きはできませんが、
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