☑退職しようと思うけど、いつがいいのかわからない
☑ボーナスもらってからやめたいけど、退職日はいつがいい?
☑退職日は本当に月末日でいいのか不安
退職すると決めていても具体的に「退職日をいつにするか」は悩みどころです。
一般的には1月31日がベストです。
ただしあくまで一般論であり、あなたの状況により異なります。
月末か?月末以外か?
何月がいいのか?
なぜ、何がいいのか?
いくら得するのか?
ボーナスは?退職金は?
本記事を読んでもらえれば、あなたにとって損をしない退職日がわかると思います。
あなたにリアルに感じていただくため、架空の設定ではありますが実際の数字を当てはめて検証します。
“Aさん”がベストな退職日であれば、総額1,737,000円お得になります。結果の詳細はページ最後にあります。
☑Aさん
・年齢:43歳
・家族:妻(37歳)
・勤続年数:14年
・業種:小売業
・退職日:2022年5月31日(転職先は未定)
・年収:700万円(ボーナス年に2回で計200万円)
・退職金:500万円
・健康保険料:18,000円
・厚生年金保険料:38,000円
・ベストな退職日だと100万円以上お得になることがある
・一般的には1月31日が退職するのがベスト
・基本的には月末退職が有利だが全員ではない
・ボーナスはいつ在籍?だけでなくいつ評価?を知っておく
・退職金は年1回の加算日をおさえておく
退職日の決め方。いつが得なの?
一般的には1月31日がベストです。
あくまで一般的には、です。なぜ月末がいいのか?いくら得するのか?みていきましょう。
(1)なぜ退職日は月末日がいいのか?
月末日に退職するのがよい理由は社会保険料の負担が減るからです。
社会保険料とは健康保険と厚生年金ですが、将来もらう年金受給額を増やすためにも月末日退職が有利です。
(2)なぜ退職日は1月がいいのか?
退職は1月が有利なのは、前職場の業務引き継ぎ、転職活動(再就職先)をする上でベストなタイミングだからです。
当然、業種によってちがいますが、比較的閑散期で転職市場の求人が多いのは1~2月になります。
(3)12月末退職のデメリット
①賞与が減額される可能性がある
12月に賞与がもらえる企業が多いですが、12月末退職の意志表示をしてしまうと、賞与が減額されることがあります。
つまり賞与をもらった直後、もしくは評価期間終了直後に退職意思表示をした方がいいです。
1月か2月末であれば、賞与を満額もらって辞めることができます。
②転職市場において求人数が少ない
12月末に退職すると10~12月の求人内容をベースに検討することになります。
しかし10~12月は求人数が少ないです。
一般に1、2月から求人が一気に増えます。
転職時期が数ヶ月ちがうだけで、転職の選択肢が大きく広がります。
退職日は月末か月末以外か?
月末退職が有利なのは社会保険料が安くなるからです。
9割の人は月末日がお得です。
一方で月末以外がお得な人もいます。
両面から見ていきましょう。
(1)月末日で退職した方が良い人
退職して月内に再就職しない人は月末日の退職が有利です。
月末日の退職は社会保険料の負担が減ります。
負担が減るカラクリを理解するためには社会保険料のルールを知る必要があります。
会社に在籍中、社会保険は労使折半されています。
「半額会社負担」してくれているんですね。
ところが退職と同時に会社負担がなくなり、「全額自己負担」になります。
以下の図のように月末日まで在籍していれば、その月は「半額会社負担」してくれます。
ただし月末日以外であれば、社会保険料は自分で支払う、「全額自己負担」になります。
ですので、月末退職の方が社会保険料負担は少なくなります。
最終月給与の手取りが増える?
会社から「月末じゃなくて、月末日以外の方が手取りは増える」と言われることがあります。
最終月給与の手取りが増えるのは事実です。
最終月(上記だと5月)の給与から社会保険料が差し引かれないからです。
冒頭のAさんのように健康保険料:18,000円、厚生年金保険料:38,000円であれば、合計金額の56,000円分の手取り額が増えます。
では5月の社会保険料はどうなるでしょうか?
全額自己負担ですね。
退職し、同月内に再就職する場合以外は、自ら健康保険⇒国民健康保険、厚生年金⇒国民年金へ切り替え手続きと共に保険料支払いが必要です。
状況により金額変わりますが、単純化すると国保36,000円(会社負担が0円のため)、国民年金16,590円(一律)です。
年金は保険料が減ったように見えますが、将来の年金受給額はそれ以上(会社負担分)に減ります。
くどいですが、一般的には月末日がお得です。
性悪説で考えると、会社はあなたが月末日以外で退職してもらった方が良いです。
会社からすれば、1ヶ月分の社会保険料負担が減りますからね。
(2)月末日以外で退職した方が良い人
以下のような方は月末日以外の退職が有利になります。
① 健康保険より国民健康保険が安い
失業期間が1日でもあれば原則、国民健康保険に切り替えが必要です。
なぜなら日本の健康保険は国民皆保険だからです。
あなたが扶養者(配偶者や子供などがいない)ではない場合など、健康保険料より国民健康保険料の方が安く済むことがあります。
私の健康保険料はいくらなの?と気になる方は以下のサイトで計算してみてください。
② 親の扶養に入る
親の扶養に入るのであれば、健康保険料の負担はありません。
ただし国民年金は支払う、もしくは免除申請などの手続きをする必要があります。
公的年金保険には「親の扶養」という制度がありませんので。
③ 配偶者の扶養に入る
親ではなく配偶者の扶養に入るのであれば、健康保険料だけでなく年金保険料の負担もありません。
むしろ月末日以外の退職が有利とも考えられます。
④ 月内に再就職する
前述の通り、退職しても月内に再就職するのであれば問題ありません。
月末にはまた会社員という立場で会社の社会保険に加入できます。
つまり月末でも月末以外でも関係ありません。
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何月に退職するのが得か?
退職日は月末か、月末以外か?については金銭的理由が多いです。
一方で、1~12月のうち何月に退職すべきか?については人的理由が多いです。
(1)前職場に対して
① 繁忙期は避ける
過度に円満退職にこだわる必要はありませんが、迷惑がかかる辞め方をする必要もありません。
出来るだけ閑散期が望ましいです。
業種で大きく異なりますが、1月は比較的閑散期が多いです。
② 人事異動直後は避ける
人事異動はパズルのように組み合わせて作られているので、だれか(あなた)がいなくなると部内も部外も困ることが多いです。
人事異動前であれば、人事も上層部も他の人員を準備することができます。
人事異動もたいてい3月、9月ですので、1月であれば迷惑がかかりにくいです。
退職意思表示のタイミングは前年末になるでしょうし。
(2)転職市場で有利
3月と10月が最も求人の多い時期です。
つまり転職がしやすいです。
また1月31日に辞めて、2月か3月に入社すれば、中途入社の人数も比較的多く、研修などが受けられやすい環境になります。
引用:転職Hakes
(3)確定申告をしなくてもいい
1月31日に退職し、退職した年の年内に再就職すれば、自ら確定申告をする必要はありません。
前年の12月に会社が年末調整してくれるからです。
でも確定申告はした方がいい
本記事の論点からズレますが、サラリーマンも確定申告した方が得なことが多いです。
医療費控除や寄付金控除など様々な控除により還付金がもらえることがあります。
会社の規定によるもの
実は前述した社会保険料の差よりも金額的には大きいのがボーナスと退職金です。
退職のタイミングで数十万、数百万円単位で損する可能性があります。
(1)賞与(ボーナス)はいくらもらえる?
「ボーナスもらったら辞めるわ」とよく聞きます。
まちがいではないのですが、「もらえる、もらえないか」だけではなく、「会社にいつ評価されるか?」まで考える必要があります。
以下の2点をおさえておきましょう。
① 就業規則「賃金規定」でいつ時点に在籍していればボーナスはもらえるのか
② 人事評価制度はどうなっているのか(評価タイミング)
これは私の失敗談ですが、賃金規定通りに賞与もらえる日まで在籍していましたが、0円でした。
一般的にも一般職は0ではないがきわめて低い金額、管理職は0円にされることが多いです。
ですので、「いつ時点の在籍」だけでなく「いつ評価される」をおさえておきましょう。
(2)退職金はいくらもらえる?
退職金は特に金額が大きいので確実に確認しておきましょう。
就業規則「退職金規定」で以下の4点をおさえておきましょう。
① 対象者はだれで ⇒ 勤続年数〇年以上
② どのぐらい ⇒ 退職金の計算式、一時金か年金か
③ いつ(支給日) ⇒ 〇月〇日
④ 退職金加算日 ⇒ 毎年〇月〇日
特に④の加算日は見逃しがちですが、超重要です。
私の前職場は4月1日が加算日でしたが、前年金額+70万円でした。
仮に3月31日に退職していたら70万円を捨てていたことになります。
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退職前の注意点
退職前後はかならずといっていいほどトラブルがあります。
事前準備をしておきましょう。
(1)証拠集めをしておく
退職前後のトラブルに備えて、退職を決意したら証拠集めをしておきましょう。
よくあるトラブルとして、書類が届かなかったり、残業代が払われなかった、などです。
パワハラされていてやっぱり後で訴えようと思っていても退職してしまったら証拠集めは困難です。
退職前に仕込んでおきましょう。
退職後に泣き寝入りしないために、事前に就業規則を中心に証拠集めをオススメいたします。
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(2)最終出勤日から逆算する
退職時、有給休暇はすべて使えます。
会社が有給取得を阻止したら、それは違法です。
退職を決意したら、以下の4つをいつにするのか計画しておきましょう。
・退職日
・有給休暇取得
・最終出勤日
・業務引き継ぎ
(3)失業手当を申請するなら
退職後、すぐに再就職を考えていなければ、失業手当をもらいましょう。
失業手当をもらうのであれば、退職前の直近6ヶ月に残業や休日出勤をすると手当も増えます。
なぜなら失業手当は、退職前直近6ヶ月の賃金日額から算出されるからです。
なお、失業手当の窓口はハローワークです。
退職前は次のステップ(転職や起業)のための大事な期間なので、残業などを強くはオススメしませんが、金銭面ではプラスになります。
退職は計画的に
退職意思表示は労働者の自由ですし、退職日も労働者が決めるものです。
会社の都合で決められるものではありません。
あなたが最も損をしないタイミングで退職しましょう。
ただし目的は目先のお金だけではないと思いますので、長期目線で損をしないタイミングで転職や独立起業に向けて準備を進めていきましょう。
★冒頭のAさんがベストなタイミングで退職したら、総額1,737,000円お得になりました。
◎総額1,737,000円
・健康保険料:18,000円
・厚生年金保険料:19,000円
・ボーナス:1,000,000円
・退職金:700,000円
・ベストな退職日だと100万円以上お得になることがある
・一般的には1月31日が退職するのがベスト
・基本的には月末退職が有利だが全員ではない
・ボーナスはいつ在籍?だけでなくいつ評価?を知っておく
・退職金は年1回の加算日をおさえておく