☑「働かないおじさん」をバカにする記事ではありません
☑「働かないおじさん」は最終的にどうなるのか?知りたい
☑実は自分も将来、「働かないおじさん」になるのでは?と薄々感じている
職場にやる気のない「働かないおじさん」はいますでしょうか?
彼らが最終的にどうなるのか、末路を考えてみましょう。
おそらくここから5年間くらいは、多くの「働かないおじさん」(定年退職間近の方のみ)は人生逃げ切れると思います。
ただし、おそらく2027年くらいからは厳しい状況になります。
厳しいとは経済的に厳しい、下流老人という意味です。
私もサラリーマン時代に、多くの「働かないおじさん」を見てきました。
直属の上司になったこともあります。(その方は島流し人事をくらいました)
20代~40代から見ればヒドい、そんな「働かないおじさん」も昔は頑張っていた方が多いです。
本記事ではそんな「働かないおじさん」が生まれてしまう理由、誰しも「働かないおじさん」になってしまう可能性があること、また「働かないおじさん」にならないための対処方法をお伝えいたします。
※働かないおばさんもいますが、現状、おじさんの方が多そうなので便宜上、「おじさん」という言葉を使い、話を進めます。
・「働かないおじさん」の末路は下流老人
・「働かないおじさん」が発生するのは会社の問題が大きい
⇒ 日本特有の「年功序列」「終身雇用」制度による
・誰もが「働かないおじさん」予備軍
・社内だけ見ていると、一つの会社に依存しがち
・学び直し、副業、転職など選択肢はたくさんある
働かないおじさんの5つの特徴
「働かないおじさん」あなたの職場にもいませんか?
50代以上(早い方で40代から)で、年功序列により高い給料はもらっているのに、基本的に仕事はしない人です。特徴を見ていきましょう。
(1)働かないおじさんは人生、逃げ切る気マンマン
社内での出世を諦め、仕事は怒られない程度にやります(症状が進むと、怒られてもいいやと思ってくる)。
今まで頑張ってきたんだから、こっからは人生逃げ切りで生きます。そんなスタンスです。
(2)働かないおじさんは向上心、意欲が無い
新しいことに取り組んだり、特にデジタル関係の内容には一切踏み込みません。
今までの経験だけで解決できないことはやりません。
行動量を圧倒的に減らし、省エネモードに入りがちです。
(3)すべて他人任せ
自分が知らないこと、新しいこと、事務処理関連を中心にできうる限り他人に任せます。
後輩に対して、“育成”という都合の良い言葉を使い、やらせます。
役職があるとなお厄介だったりします。人任せにして、仕事を振ってくるからです。
一番ヤバいのは一度エラくなって、降格してしまった「働かないおじさん」です。人に仕事を振るのだけは得意です。
(4)働かないおじさんは思考力がない
前述の通り、今までの経験以上の仕事はしません。
ですので、自分の頭で考えて何かを生み出そうしないです。
こんな方が上司だとある意味、楽です。成長はしづらい環境になりますが。
怒らせませんし、「〇〇をやってもいいですか?」と提案したら基本的には否定はされません。左から右に受け流すだけです。
自分にあきらかにリスクになりそうなこと以外は。
(5)でも飲み会にはさそってくる
業務時間内は妖精さんのようにフワフワしているのに、オフの時間になるととたんに元気になります。
「飲みに行くぞー!」と意気込んでおり、何なら業務時間内に飲み会会場を調べて、決めています。
症状が悪化すると飲み会の場所も予約取りも人任せ、若手をつかまえてやらせます。
働かないおじさんの末路
他者にとっては迷惑でも、自分は楽そうな「働かないおじさん」は最終的にはどうなるのでしょうか?
人生逃げ切れるのか?会社から突き放されるのか?見ていきましょう。
(1)働かないおじさんはリストラ対象になりやすい
今から5年間くらいは逃げ切れる人(定年退職間近の方のみ)が多いと思います。
ただし2027年くらいからはリストラが本格化しそうです。
なぜなら会社側も「働かないおじさん」(=生産性の低い高給取り)を放置できるほど内部留保(利益)に余裕がなくなってきたからです。
実際、すでに早期退職は増加し始めています。
(2)実質的な手取りが減る
仮にリストラはされなくても島流し人事(遠方への出向など)や大幅減給される可能性はきわめて高いです。
会社も存続のために、優秀な新卒採用や実績あるミドル世代への投資を優先します。
会社が「働かないおじさん」への人件費削減策は以下の通りです。
減るのは給与だけではありませんよ。
・給与が減る
・賞与が減る(勤労奨励的性格のため減額されやすい)
・退職金が減る(基本給が減れば退職金金額は減る)
・年金が減る(厚生年金保険料は給与の18.3%)
会社としては理由(人事評価制度を変更)をつけて賞与ダウン、退職金も減らし、会社が負担している社会保険料(年金、健康保険)も減らす動きをします。
(3)働かないおじさんは下流老人になるかもしれない
最悪、リストラは避けられたとしても手取りが激減して、下流老人になる可能性が高いです。
下流老人とは、底辺の生活を強いられ、貧困に苦しむ老人のことです。
高齢になり、働きたくない、働けない状態でも働かないといけない状態です。
会社から手取りが激減されて、お金がない状態であっても、人生設計も同じように考えていれば問題ありません。
しかし思考力をなくした「働かないおじさん」はそこまで考えていないことが多いです。
「まさか自分が・・・」と思ってるんですね。
また「収入下がってもこの会社にいればなんとかなる」と思っていても、人生100年時代です。
思っていたより生きてしまうリスクがあります。
55歳で役職定年、60歳で退職して、そこからどうしますか?
・年金暮らし?年金受取額はいくらありますでしょうか?
・退職金はいくらで想定しまいますか?
・住宅ローンは何年、いくら残っていますか?
もし上記のことをまだ考えていなければ、家計管理、セカンドキャリアはどうするか?を考えておく必要があります。
なぜ働かないおじさんは生まれるのか?
「そりゃ本人が悪いでしょ?」と結論づけてしまうと、問題は解決しません。
実は会社(日本社会)の問題が大きいです。
本人の問題と会社の問題、分けて確認しましょう。
(1)本人の問題
昔はがんばっていた「働かないおじさん」もたくさんいらっしゃいます。
どこで道をまちがってしまったのでしょうか。
①出世競争で負けてしまった
同期は50歳で部長だけど、私は役職もなく・・・もう出世は見込めないと頑張れなくなったケースです。
もしくは〇〇部長派だったけど、失脚してしまい、実力がっても社内政治で不利になり、出世の道を絶たれた。これは運不運もありますよね。
②ある程度出世して満足してしまった
課長程度まで出世し、年収も人並み以上だし、これ以上がんばる理由がないと自分で線引きしてしまったケースです。
最低限の仕事しかしなくなります。
③老後が見えて逃げ切ろうと思ってしまった
50歳になり、ビジネスマンとして走り疲れてしまったケースです。
「このまま会社に寄生する」覚悟をしてしまった状態、誰に何を言われても頑張れないのです。
(2)会社の問題
上記のような本人の問題は表面的な話であって、本質は会社(日本社会)の問題です。
「働かないおじさん」は日本特有の「年功序列」と「終身雇用」の産物なのです。
詳しく見ていきましょう。
一般に、日本の企業は下のグラフのように賃金カーブは上がり続けます。しかし40歳をピークに貢献度が下がっていきます。
赤丸の部分が「働かないおじさん」ゾーンです。(働いているおじさんも含まれますが)
それほど会社に貢献していないのですが、高給取りになっているんですね。
若年時の未回収賃金(貢献>賃金)を40歳以降で受け取る(貢献<賃金)構図になっています。
引用:産業能率大学「賃金を切り口とした年功序列型人事制度の検証」
①雇用制度がメンバーシップ型だから
日本企業の雇用制度は新卒大量一括採用し、終身雇用を前提に仕事をさせる「メンバーシップ型」です。
一方で米国企業は「ジョブ型」が多いです。
「ジョブ型」とは成功報酬で、年齢も経験も関係ない「売った者勝ち」の世界、たとえば、生命保険や自動車のセールスです。
日本企業も徐々に「ジョブ型」に移行していますが一朝一夕に変えられるものではありません。
というのも、ひとつの大きな要因として、会社において制度を変える側の人間が「働かないおじさん」だったりするからです。
もしくは「働かないおじさん」までいかなくても現行の制度(人事評価など)の方が自分たちにとって都合がよかったりするのでわざわざ変えませんよね。
②日本は社内で出世できなかったら終わりだから
終身雇用制度の弊害です。
新卒で入社し、同期が「よーいドン!」で一斉にスタートしますが、全員が仲良くゴールしませんよね。
Aさんは営業部長に、Bさんは本社マネージャーに、でもCさんは一般社員・・・これが30歳時点なら「まだまだこれから!」と考えられるかもしれませんが、45歳だとあきらめちゃう人がほとんどです。
ちなみに42.5歳が「出世したい」と「出世したいと思わない」の割合が逆転する曲がり角と言われています。
これらの状況が以下の「働かないおじさん」発生サイクルを生み出します。
社内(ひとつの企業)で出世できないとオシマイ
⇒ 出世できるかできないか?は40歳過ぎてから認識する
⇒ 中高年になってから“あきらめ”に入ってしまっても、転職市場での市場価値は厳しいことが多い
⇒ 転職もできず、同じ会社に居続けるしかない
⇒ 不満だけを溜めて外にでない中高年層が大量に発生する
⇒ 「働かないおじさん」が生まれる
某経営者が「45歳 定年説」で炎上しましたが、感情面は抜きにして、考え方は理解できます。
↓↓↓一つの会社で定年まで働き続けると危険↓↓↓
Twitterでもこんな意見があります。
「働かないおじさん」があふれるのは、会社に社員を定年まで「監禁」する日本的雇用と人口構成の必然で、90年代には「労働市場の流動化が必要だ」といわれ始めていました。この正論を「雇用破壊を許すな」「ネオリベが悪の元凶だ」と罵詈雑言で封じ込めたきたことの”末路”なのでしょう。
— 橘 玲 (@ak_tch) September 11, 2022
いずれ自分も働かないおじさん化する?
「働かないおじさんダメだよねー。年収は私の倍あるのに、仕事は半分じゃね?」と思っている、もしくは若者同士でネタにされていることがよくあります。
気持ちはわかりますが、実は他人事ではありません。
誰もが「働かないおじさん」予備軍です。
理由は2つで、ひとつは前述した日本特有の「年功序列」「終身雇用」の弊害による「働かないおじさん」発生サイクルにハマるから。
もうひとつは10年間も会社にいれば社風に染まってしまう人が多いからです。
「働かないおじさん」が(クビにならず)許されている会社は「終わってるヤバい会社」の可能性が高いです。
自分も気づかないうちに「働かないおじさん」になってしまいます。
↓↓↓「終わってるヤバい会社」の特徴は↓↓↓
「働かないおじさん」にならないための3つの対処法
一度「働かないおじさん」になってしまうと改善は難しくなります。
「働かないおじさん」になる前に行動しましょう。
ポイントは“社外の世界を見る“です。
(1)学び直しでキャリア形成する
「働かないおじさんにならないためには今の会社で出世するしかない!」と考えていて、しかもそれが実現できる方はもしかしたら不要な考え方かもしれません。
しかしポスト(役職)も減っていく中、必然的に出世できる人は一握りとなります。
今30歳でも、45歳でも学び直しをすることで人生の選択肢が増えます。
「何を学び直すか?」は自分が今必要と思う内容であれば、一旦はなんでもいいと思います。
“何か”を始めることでエネルギーが生まれ、社内業務も活性化するかもしれませんし、社外で人脈ができて新たな道が見えてくる可能性もあります。
↓↓↓自分がやりたいことの見つけ方↓↓↓
↓↓↓資格をやってみたい方はこちら↓↓↓
(2)副業に取り組み、外の世界にも出る
人生100年時代です。
仕事は60歳で定年してオシマイ、の時代は終わりました。
副業をすることでリスク分散ができ、以下の3つのリスクが避けられます。
・ひとつの会社に依存するリスク(自分の居場所は会社だけじゃない)
・ひとつの収入に頼るリスク(会社の顔色ばかり気にしない)
・長生きするリスク(本業を退職しても収入源を持つ)
副業と聞くとハードル高いと感じるかもしれませんが、小さく始めればいいです。
たとえば毎週土曜日に1時間だけやってみるとか。
↓↓↓副業をはじめてみる↓↓↓
(3)転職・独立起業する
転職によるスキルアップを考えましょう。
転職によるスキルアップとは、一つの会社(社内)でどうこうではなく、転職市場で通用する力をつける。いわゆる“つぶしがきく”人材になることです。
転職市場は社内政治、社内営業力は通用せず、他の会社でも実績を出す再現性のあるスキルが求められます。
ひとつの会社で勤め上げる時代は終わりつつあります。
前述のようにひとつの会社での出世は狭き門でしょうし、出世したところで・・・?という思いの方もいると思います。
スキルと年収を上げる転職をしましょう。
また思い切って独立起業するのもありです。それなりの準備(事業計画、資金)が必要ですが、副業のステップを踏んで、方向性が見えたら独立起業するのもいいですね。
↓↓↓転職しなくても転職活動した方がいい理由↓↓↓
働かないおじさんは自分を映す鏡かも?
もしあなたの職場に「働かないおじさん」がいたらラッキーです。
「働かないおじさん」は自分を映す鏡かもしれないからです。
反面教師にして「こうならないためにはどうしたらいい?」を考え、行動しましょう。
転職せずに一つの会社にいると、どうしても「社内で上手く振る舞えばいい」と思ってしまいがちですが、その会社に完全依存するリスクとなります。
社外に目を向けて、資格取得でも、副業でも選択肢はいくつでもありますし、ノーリスクです。
転職はリスクですが、転職活動はノーリスクです。
行動しましょう。
・「働かないおじさん」の末路は下流老人
・「働かないおじさん」が発生するのは会社の問題が大きい
⇒ 日本特有の「年功序列」「終身雇用」制度による
・誰もが「働かないおじさん」予備軍
・社内だけ見ていると、一つの会社に依存しがち
・学び直し、副業、転職など選択肢はたくさんある