☑税務署から記帳説明会の案内が届いたけど、出席すべきか悩んでいる
☑記帳指導って何をするのか?知りたい
☑簿記とか確定申告とか、さっぱりわかりません
「記帳説明会の案内」は今年、税務署に開業届や青色申告承認申請書を提出した人を対象に送られてくるようです。
さっそく結論ですが、記帳説明会は出席しなくても問題はありません。
あくまで「記帳(決算や確定申告)がよくわからない方は教えますよ」という国の好意です。
私自身は出席しみて、出席しなくても問題はありませんが、都合がつくなら出席した方が良いかと思いましたので体験談をまとめました。
記帳についての理解が深まれば、経営的にも税務的にも得なことしかありません。
・記帳説明会は出席しなくても問題ない
・記帳説明会は会計知識がない人は出席した方がいい
・記帳は会計ソフトを使って自分でやるのがオススメ
・事業するなら最低限、簿記3級レベルは必要
・個人事業主の仕事は経営管理
記帳説明会に行った方がいい人、行かなくていい人
記帳説明会は行かなくても問題ありませんが、できれば行った方がいいです。
簿記や会計がよくわからない方は出席して勉強された方がプラスになります。
一方で、会計をよく理解している方は時間の無駄になるかもしれません。
確定申告なら、簿記3級レベルの知識と会計ソフトがあれば十分ですからね。
(1)そもそも記帳説明会(記帳指導)とは
簡単に言うと、開業後の会計処理に困らないよう税務署の人たちがやり方を教えてくれる説明会です。
国税庁のHPには以下のように掲載されています。
「記帳説明会」では、記帳・帳簿等の保存制度の概要や記帳方法等についての説明を行います。また、決算時期には、「決算説明会」を開催し、棚卸の仕方、減価償却の方法などについての説明を行います。
「記帳説明会」の対象となる方は、青色申告を行っていない方(白色申告の方)で、営業所得、農業所得、不動産所得及び山林所得を生ずべき業務を行っている方です。
(2)記帳説明会に出席した方がいい人
全く会計(簿記)の知識がない方は出席した方がいいです。
簿記の知識が全く無ければ、2時間の説明会で完全に理解するのは難しい内容ですが、全体像はつかめると思います。
全体像とは、①日々の取引、②決算(個人は12月末)、③確定申告(3月15日まで)の会計処理の流れですね。
(3)記帳説明会に出席しなくてもいい人
簿記が得意な方、開業に向けて会計に関する書籍を何冊か読んだは時間の無駄になるかもしれません。
あとは会計ソフトの準備ぐらいでいいのではないでしょうか。
【体験談】記帳説明会(記帳指導)はこんなんでした
私はある程度の会計の知識がある(と思い込んでいる)ので、説明会のほとんどの内容は知っていることばかりでした。
それでも「お!これはためになった!」ということもあったのが共有しますね。
(1)日時
月曜日の13:30~15:30の2時間です。
平日の真昼間…(ん-、お役所…)
「青色申告を開始された方」「開業された方」の2種類ありますが、該当するどちらかだけで問題ありません。
私は両日とも出席してしまいましたが、ほっとんど同じ内容でした。
(2)会場の様子
場所は大き目の公民館的なところで、いわゆる研修室(60名ぐらい収納)です。
35人くらいが出席していました。(途中休憩後、3人くらい帰ったっぽい)
講師をされていたのは、税務署の方(60歳ぐらい?)でしたね。
(3)内容
①目次
1.白色申告者の帳簿とその記帳のしかた
2.青色申告制度
3.青色申告者の簡易帳簿とその記帳のしかた
4.消費税の経理処理と記帳
とまぁ、こんな目次でしたが、要は①日々の取引を記録、②きっちり決算を締める、③しっかり確定申告する。この3ステップです。
2023年特有かもしれませんが、消費税パートではインボイス制度のことも説明してくれました。
各資料には「国税庁」「税務署」と記されていたので、地域差はなさそうですね。
②特にためになった情報ベスト3
☑経費計上の家事按分について
家事上の経費(家賃、光熱費など)については、家事上の経費を除いて考えてくれます!
つまり税金が安くなる(課税所得から経費を差し引いてくれる)わけです。
場所や時間など切り口はさまざまですが、だいたい70%を事業経費(30%が家事経費)と考えることが多いとのことです。
在宅の仕事の方なんかは知っておくべき内容ですね。
☑青色申告の主な特典
・青色申告特別控除:最大で65万円の所得控除がある
・青色申告専従者給与の経費算入:配偶者など親族の人件費は経費にしてくれる
・純損失の繰り越し及び繰り戻し:事業から生じた純損失の金額を、翌年以後3年間にわたって、順次各年の所得金額から差し引くことができる。また前年分の所得税額の還付を受けることもできる。
⇒損失が出てもその年だけで完結しないでいい
⇒初年度は売上上がりにくく、損失(赤字)が多い傾向にある
⇒つまり初年度はしっかり、もれなく経費計上して、赤字をつくる
⇒2年目以降、がっつり売り上げても初年度の損失分を繰り越し、利益を出づらくし、税金を抑えられる!
☑前々年の課税売上高が1000万円超えなくても、「消費税課税事業者選択届出書」を提出
⇒消費税課税の仕組みは、課税売上で預かった消費税額から、仕入などで支払った消費税額を差し引いた額を納税する
⇒設備投資が大きい事業(製造業や建設業など)であれば、支払った消費税額の方が大きくなる
⇒消費税を納めるためではなく、還付を受けるためにあえて消費税課税事業者になる
③記帳説明会の内容はYouTubeでも見られる
聴きもれていた、質問し損ねた場合は、YouTubeでも視聴できます。
(4)記帳説明会後のアンケート
アンケートの提出を求められます。
目的は出席の裏を取るわけではなく、以下のような今後の方向性(指導の希望)を確認するものです。
☑自分で記帳や決算ができる
☑税理士に依頼する
☑青色申告会などで指導期間に加入する
今後の説明会の案内もあります。
☑消費税記帳・申告説明会
☑会計ソフトを利用した記帳指導
☑税理士による個別記帳指導
記帳説明会を出席した(しなくても)後はどうする?
記帳説明会に出席してもしなくても、個人事業主として日々の取引記録や確定申告はやらねばなりません。
その手段をどうするかですが、基本的には以下の表の通り3パターンになります。
(1)個別に税理士に依頼する
民間の税理士に依頼をすればこと細かく対応してくれます。
知らない税務の知識も教えてくれるし、もちろん税務署への提出書類も作成してくれます。
しかし税理士に依頼するのは、法人化(会社設立)してからいいかもしれません。
個人事業主で、そこまでお金をかけるほど複雑な会計処理にはなりませんので。
それでもやっぱり税理士にお願いしたい…そんな方にオススメの税理士事務所があります。
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(2)公的指導機関を頼る
公的機関なので、基本的には無料ですが、年間費がかかることがほとんどです。
①青色申告会
青色申告者が自主的に作った団体で、記帳指導や決算指導も行っています。
②商工会議所・商工会
小規模事業者に対する経営改善事業を中心に各種取組をしています。
③税理士会
税務代理、税務書類の作成、税務相談業務を行っています。
(3)会計ソフトを使って自分でやる
一番オススメの方法です。
なぜなら会計の知識が身につきますし、経営管理(後で詳しく)をするにも自身の事業の数値を把握しておく必要があるからです。
そしてなんといっても安い!
ただし事業規模が大きくなり、自分で会計処理がやっていられなくなったら税理士も検討されてはいかがでしょうか。
開業直後に記帳とか決算とかってなぜやるの?
日々の取引を記帳し、決算数値もしっかり確定させないといけないのはなぜしょうか?
税務署からすれば、確定申告が目的です。
では個人事業主であるあなたにとっての目的は何でしょうか?
そう、経営管理(経費適正&売上UP)こそが最大の目的なんですね。
事業を成功させるために数値と向き合いましょう。
(1)経費適正化のため(守り)
いくら売上を上げることができても、コストが過剰であれば当然利益は出ません。
利益が出ない状態が続くと、事業を継続することできません。
具体的には固定費を分解し、仕入先の見直し、光熱費の削減など無駄を発見するためには日々の記帳が重要になります。
(2)売上向上のため(攻め)
効率的効果的な営業をするためには、やはり数値の理解が必要です。
たとえば、広告費を10万円かけても5万円しか売上に貢献しないマーケティング施策や、売掛金の回収状況が悪い取引先は考え直した方がいいかもしれません。
(3)規模が大きくなってからでは遅いから
「数値のことは、事業が軌道に乗ってから考えたらいい」と思う方もいるかもしれませんが、危ういと思います。
急激に売上が上がったり、人を雇うことになったりしたら、余裕がなくなります。
仕事がそれほど多くない、比較的時間のある開業初期に守りを固めておくことをオススメいたします。
すべての個人事業主は最低限、簿記3級の知識はあった方がいいです。
私はファイナンシャルプランナー2級取得、中小企業診断士(財務会計)の科目合格経験者なのでなんとか知識はあるつもりです。
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会計ソフトを使って、確定申告&経営管理をしましょう
記帳説明会は出席しなくても問題ありません。
ただ説明会に出席してもしなくても、日々の取引記帳も決算も確定申告もやらないといけません。
そしてもっと大事なのが、経営管理です。
開業直後の今こそ、守りを固めて、事業に専念できる体制を整えましょう。
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・記帳説明会は出席しなくても問題ない
・記帳説明会は会計知識がない人は出席した方がいい
・記帳は会計ソフトを使って自分でやるのがオススメ
・事業するなら最低限、簿記3級レベルは必要
・個人事業主の仕事は経営管理