☑前いた会社に戻りたい
☑出戻り社員は周囲から見られるのか知りたい
☑アルムナイってなんですか?
「あの人って出戻り社員でしょ」と嫌われそうな気がしますよね?
私もつい最近まで思っていました。
しかしその考え方は“昭和”なのかもしれません。
“令和”では、会社側も戻っていてほしいと考えていることはあります。
出戻り社員は嫌われるどころか多くのメリットがあります。
本記事では、アルムナイ採用や実際に身近にいた出戻り社員についてお伝えいたします。
会社との従業員の関係性が変わり始めています。
・出戻り社員は嫌われるどころか、会社は受け入れ態勢になっている
・アルムナイ制度とは定年退職者以外の退職者を再雇用する制度
・アルムナイのメリットは、優秀な人材獲得
・アルムナイのデメリットは、既存社員から不満が出る可能性
・アルムナイ(出戻り社員)は既存の社風を壊し、創造してくれる存在
出戻り社員ってよくないの?
「出戻り」という言葉がよろしくないですが、実は言葉のイメージとは裏腹に出戻り社員はメリットがたくさんあります。
ただし円満退職であること、ブラック企業ではなかったことの2点が前提です。(円満でないと出戻ることもないと思いますが)
(1)出戻り社員はやめたほうがいい?
“あり“だと思います。
一回辞めたのに、もう一度同じ会社に戻りたいということは「会社への愛は本物」と考えられます。
ただし自身の退職理由を深く掘り下げて、本当に出戻るべきかを熟考した上で、です。
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(2)出戻り社員は優秀なの?
優秀な人が多いです。
なぜなら「外の世界を見てきている」からです。
同じ会社で、同じ部署で、同じメンバーで、同じ業務をしているだけではビジネススキルは上がりにくいです。
一方で、外の世界(会社)での知見・経験は出戻った会社でちがった角度から物事を見たり、新しい発想をもたらしてくれます。
そもそも優秀でなければ、会社側も受け入れてくれません。
(3)出戻り社員は嫌われるの?
嫌われません。
と言いきりたいところですが、これは職場のメンバーによります。
ただ陰口叩かれたりするのも1年以内に終わります。
そもそも悪いことしているわけではありませんからね。
アルムナイ制度ってなに?
定年退職者以外の退職者を再雇用する制度です。
昭和(平成も?)の時代は定年以外の理由で退職した人をよく思わない風潮がありました。
しかし令和は採用において、会社も柔軟な考え方を持っています。
(1)アルムナイとは
アルムナイの語源は「卒業生・同窓生・校友」です。
退職者に対して友好的な言葉ですね。
「中途採用状況調査2021年版」(マイナビ発表)によると、2021年に出戻り社員の再雇用を実施している会社は52.7%でした。
上場会社ではなんと7割以上がアルムナイ採用を実施しています。
アルムナイ採用が増えている理由は、「終身雇用の崩壊」「働き方の多様化」が多いです。
☑他社に転職したものの、やはり前職での環境が合っている
☑独立起業したが、会社員としてもう一度がんばりたい
☑育児や介護などので退職したが、復職したい
こんな思いを持った優秀な社員は、会社としても貴重な人財と考えるようになりました。
(2)カムバック制度とのちがいは?
「カムバック制度」「アルムナイ制度」「出戻り制度」いずれも同義です。
「アルムナイ制度」がネーミングもカッコいいですね。
(3)アルムナイ制度を導入している企業は?
代表的なのは以下の2社です。
①リクルート
「アルムナイ」という言葉が出てくる前からすでに取り組みをしていた企業です。
リクルートは多くの起業家や経営者を輩出しています。
特に法人営業力、数値管理能力、マーケティングの3つが鍛えられ、経営力が身に付くそうです。
退職後もアルムナイ(元リクルート社員)同士でつながりを持つそうです。
「元リクルートの〇〇さん」は有名人がたくさんいますね。
②マッキンゼー
超有名な外資系コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーです。
最強の人材輩出元と呼ばれています。
「マッキンゼーには起業のテーマを見つけるために入社した」と考えているも多数いるとか。
会社から見たアルムナイ制度のメリット、デメリット
アルムナイ制度を採用するメリットとデメリットを確認しましょう。
(1)アルムナイ制度のメリット
①優秀な人材確保
企業は常に優秀な人材を必要としています。
しかし優秀な人材の採用はとても難しいです。
新卒、中途採用…どちらも職務経歴書や面接でしか判断できません。
しかし出戻り社員であれば、どんな人物かはよくわかっています。
どのポジションを任せるのか、適材適所も容易です。
②採用・育成コスト削減
人事採用も育成もコストが高いです。
転職エージェントを通して採用すれば数百万円はかかります。
また出戻り社員であれば、会社の社風も仕組みも理解しているので新たに研修などの育成コストはかかりません。
③外部ノウハウの獲得
出戻り社員は外の世界(社外)を経験していますので、何かしらノウハウを持っています。
たとえば、1回目の入社時には営業スキルしかなかったとします。
退職後に会計事務所を3年経験して、出戻りをしました。
そうすれば2回目の入社では以前の業務だけでなく、財務会計の視点を持つことができ、より高いレベルの提案営業ができるようになるかもしれません。
個人で考えれば大きな影響はないかもしれませんが、会社全体で考えれば新しい業務スタイルが生まれることになるかもしれません。
(2)アルムナイ制度のデメリット
①転職に対する価値観の崩壊する
既存社員が「うちの会社は出戻り社員を簡単に入れる会社だ」と思い始めることがあります。
「一度退職しても簡単に戻ってこられる」と考える社員が出てくると、優秀な社員が転職に踏み切ってしまうリスクがあります。
②現役社員から不平不満が出る
視座の低い既存社員が「なんで自社で努力を続けた人より、出戻りを大事にするんだ」と感じて、モチベーションが下がってしまうことが考えられます。
こんな社員はたいてい周囲を巻き込みます。
彼ら(彼女ら)はモンスター社員なので別途、要注意人物として対策が必要です…
↓↓↓モンスター社員が生まれる原因と対策↓↓↓
③過去の成功体験にすがる
出戻り社員がかつて在籍していた頃に体験したことが、そのまま通用するとは限らないことに注意が必要です。
新しいやり方を学んで、適応してもらうしかありません。
【実例】アルムナイ制度の事例
私の前職でも出戻り社員はいました。
ただ前職の人事の採用方針としてアルムナイ制度が取り入れていたのかはわかりません。
たまたまアルムナイだったのもかもしれません、事実として出戻り社員はいましたので事例としてお伝えいたします。
(1)仕事ぶり:アルムナイは発想が斬新
私が管理職で、彼は部下という立場でした。
物静かなタイプではありますが、会議での意見は積極的で、前職の保守的な風土とはちがう言動をしていました。
主張すべきことはしっかり主張します。
会議でもおかしいものはおかしい。社内の人間では考えそうもない代替案も提案してくれました。
周囲に刺激を与えてくれて、管理職としてはとても助かる存在でした。
周囲の反応としては、少なくとも表面上は「出戻り社員なのに」とはならなかったです。
(2)退職理由:会社を辞めて何をしていたのか?
彼とは個人的に話す機会も多く、ざっくばらんに「退職して何してたの?」と聞くと2年ほどアメリカに海外留学していたようです。
はっきり主張するサバサバ感はアメリカ仕込みだったのかもしれません。(憶測です)
海外留学の理由は「日本という狭い世界だけでは不安だったんで、渡米してみました」とのことでした。
(3)会社の待遇:管理職になりました
私が退職する直前に彼は管理職になりました。(私の退職時はすでに別の部署)
30代前半で、早めの出世です。
私からすればなるほど納得の人事でした。
☑既存の社風をぶち壊す発言力
☑社内では出せないアイデア力
☑そして出世して管理職になる
今でも出戻り社員の鏡だなぁと感心しています。
出戻りとか関係なく「自ら考え動ける人」になる
人生100年時代です。
昭和の時代のように道は一本ではありません。
副業も転職も独立起業も、そして出戻りだってあり。
なんでもありです。
会社も過去の常識にとらわれず、人事制度としてアルムナイを受け入れています。
会社は教科書の通りのサラリーマンではなく、「自ら考え動ける人」を欲しています。
一つの会社だけなく、外の世界を経験し、自身のビジネススキルを磨きましょう。
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・出戻り社員は嫌われるどころか、会社は受け入れ態勢になっている
・アルムナイ制度とは定年退職者以外の退職者を再雇用する制度
・アルムナイのメリットは、優秀な人材獲得
・アルムナイのデメリットは、既存社員から不満が出る可能性
・アルムナイ(出戻り社員)は既存の社風を壊し、創造してくれる存在