☑新卒で一つの会社でしか働いたことがない
☑一つの会社で定年まで働き続けるつもり
☑最近このまま一つの会社で働き続けることが不安になってきた
「良い大学を出て、有名な大企業に入り、定年まで勤め上げるべきだ」とうちの父親は言っていました。そして言葉通り、父親自身はその通りの人生を送っています(現在78歳)。
しかしそれは昭和の話です。
今は令和です。
一つの会社で働き続けるのはとてもリスクの高い行為になりました。
今は昭和のように、右肩上がりに経済成長する時代ではなく、国も会社も弱ってきました。
つまり国にも会社にも依存できない世の中になってしまいました。
本記事ではこの依存状態からの脱却方法についても解説いたします。
・令和のご時世、国にも会社にも依存できなくなった
・働き方がジョブ型雇用に変化している(終身雇用の崩壊)
・一つの会社で働き続けるとスキルアップしづらい
・脱会社依存のために外の世界(学び直し、副業、転職、独立)を見る
・脱会社依存は今すぐにできる
世の中はどう変わってきているのか?
前述の通り、40年前の昭和の時代であれば、一つの会社で働き続けるのもひとつの手段でした。
むしろベストな選択だったかもしれません。
しかし令和になり、VUCA(未来の予測が難しい状況)の時代と言われています。
特に重要な3つのポイントを確認します。
(1)労働者の平均寿命が、企業の平均寿命(倒産)のおよそ2倍ある
2021年の倒産企業の平均寿命は23.8年です。
引用:東京商工リサーチ「倒産企業の平均寿命23.8年 3年ぶりに上昇【2021年】」
3年ぶりに上昇したとはいえ、24年程度です。
一方で、労働者(日本人)の平均寿命は…
☑男性:2人に1人は84歳まで、4人に1人は90歳まで生きられる
☑女性:2人に1人は90歳、4人に1人は95歳まで生きられる
人生100年時代と言われています。
医療技術の進歩によって平均寿命はさらに延びる可能性すらあります。
22~70歳まで働くとしたら勤続年数は48年です。
勤続年数は、企業の平均寿命のおよそ2倍です。
理論的には一つの会社にはいられないことになります。
数十年後は70歳どころか75歳まで働く(働かざるをえない)ことになるかもしれません。
平均寿命が延びて、人口が減少していくとなると十二分に考えられます。
(2)日本経済が低成長
昨今のニュースでも日本経済の低成長ぶりはよく取り上げられるようになりました。
日本のGDPは主要国と比較し、この20年間、日本の順位はどんどん下がっています。
各国のGDPが右肩上がりの中、日本だけが下がっています。
引用:東洋経済新報社「「仲良く貧乏」を選んだ日本は世界に見放される」
では日本経済が低成長だと何が起きるでしょうか。
企業が貧しくなります。
企業が貧しくなる(利益減)とどうなるでしょうか…?
《支出増ストーリー》
■企業の利益が減る
⇒ 法人税が減る
⇒ 国の税収が減る
⇒ 他で税収(社会保険)を得る必要がある
⇒ 増税(社会保険料増)
⇒ 労働者の支出が増える
《収入減ストーリー》
企業の利益が減る
⇒ 内部留保(先行き不安に備えて)をしはじめる
⇒ 合わせてコスト削減
⇒ 人件費(賃金)カットしはじめる
⇒ 労働者の収入が減る
(3)雇用方法が変化してきている
日本の雇用方法は、メンバーシップ型でしたがジョブ型に変わってきていきます。
メンバーシップ型とジョブ型のちがいは?
簡単にいうと「人に仕事がつくか」「仕事に人がつくか」です。
主な理由は以下の3つです。
①人件費コストを適正化したいから
日本経済低迷の一因に生産性の低さがあります。
会社も年齢や今の役職に対してではなく、生産性高く仕事をしている人の給料を上げようとします。
しかし利益が減っているため、原資(人件費予算)がありません。
つまり誰かの給料を減らす必要があります。
誰か…真っ先に矛先が向かうのは会社に依存してきただけの人(働かないおじさん(おばさん))ということになりますね。
②社員にキャリア意識を持たせるため
大企業に多い傾向ですが「目の前の仕事を頑張っていれば、会社がなんとかしてくれる」と依存性が高い社員が少なからず存在します。
ジョブ型雇用が導入されることで、キャリア意識を持たない社員は退場させられるというわけです。
③グローバル人材やスペシャリストが必要なため
メンバーシップ型雇用が日本経済の低成長を招いた一因と言えます。
このまま国内市場、ましてや社内の現メンバーだけでは会社もこの時代を乗り切れません。
海外市場も視野に入れて、雇う人の役割が明確なジョブ型雇用である必要があります。
2023年は職務内容(ジョブ)に基づいて必要な人材を採用する「ジョブ型雇用」制度をめぐる動きが一段と活発化しそうだ。これまで日立製作所、富士通、資生堂などの大手企業が相次いでジョブ型雇用の導入方針を打ち出した。岸田文雄政権も6月をめどにジョブ型の職務給中心の給与体系への移行を促す企業向けの指針を策定する予定だ
引用:Yahoo!ニュース「活発化する「ジョブ型雇用」導入で個人に求められること」
一つの会社で働き続けると危うい5つの理由
前述の通り、日本はかなり厳しい状況です。
こんな状況下で、一つの会社で働き続けると危うい5つの理由を見ていきましょう。
(1)一つの会社しか知らないと仕事の質が落ちがち
メンバーシップ型雇用の会社で働き続けると、職務内容よりも人間関係を重視しがちです。
人間関係を軽視していいという話ではありません。
しかしあまりに人間関係を優先していると仕事の質は落ちます。
上司のご機嫌取り、無駄な報告書作成、意味のない会議…
「意味のない会議なんてやめたらいい」と陰口はたたくけど、部長に面と向かっては言えないですね?
自ら会議以外の生産性の高い方法を提案できますか?
日本は人間関係を大事にしない人は排除される社風ですから難しいですね。
(2)ずっと同じ職場にいる人は働かないおじさん(おばさん)になりがち
サラリーマンの最終目標は「出世」であることがほとんどです。
出世レースで負けたら終わり。
残酷ですが、事実かと思います。
新卒であれば、20代後半で会社は「この社員は優秀だ。幹部候補生だ。」と認定されることが多いです。
つまり出世レースは30歳までには決まっていることが多いです。
「自分は出世レースに敗れた」と感じるのは平均で42.5歳だそうです。
出世レースの結果が決まってから10年以上後、中高年になってから気づいてしまうんですね。
それでもしっかり仕事をする人もいますが、多くが働かないおじさん(おばさん)化します。
「どうせこれ以上がんばっても無駄。役職はなくても、年功序列である程度は給料もらえるし、いいや」と思ってしまうのは無理もないです。
しかしジョブ型雇用が日本でも浸透してくると、働かないおじさん(おばさん)はどうなるでしょうか…?
↓↓↓働かないおじさんの末路↓↓↓
(3)新卒からずっと同じ会社にいると世間知らずになりがち
「大企業にいるから安心」「うちはグローバル企業だから大丈夫」と考えるのは少々甘い、かもしれません。
一つの会社で働き続けている人でも、もちろんアンテナの高い方はたくさんいます。
一方で、一つの会社で働き続けている人は「今の会社にいれば安泰」と考えていることが多いです。
これが会社依存です。
会社依存していると「社内でがんばっていればそれでいい」と考えてしまいます。
つまり外の世界を見ようとしなくなります。
(4)ゆでがえるになりがち
ゆでがえるとは「少しずつ起こる環境の変化に対応できないと、あとで大変な損害を被ることがある」ことの比喩表現です。
特に大企業で起こりがちな現象です。
業績が徐々に下がってきても、過去の成功事例にすがり「うちは大丈夫」といった根拠の無い思いを抱いてしまう。
「売上高が95%になった」「営業利益2年連続98%減少した」
と聞いても「別に自分の給料は減らないし…」と他人事だったりします。
一つの会社で働き続けるとどうしても感覚が鈍りやすいです。
転職活動や外の世界を知る努力をしないと自社がすべてになってしまいます。
↓↓↓ビジネスの現場はゆでがえるだらけ?↓↓↓
(5)人生の選択肢がせばまる
(1)~(4)とは切り口がちがう話になります。
一つの会社で働き続けて、会社のために精一杯仕事することもある面では素晴らしいことです。
しかしそれは本当にあなたのやりたいことでしょうか?
ほとんどのサラリーマンが「やりたいことなんてないよ」と答えますが、本当にそうでしょうか。
日々の業務に忙殺されて心の声が聴こえなくなっているだけでは?
自分に素直になったら本当にやりたいことが見えてくるかもしれません。
↓↓↓自分のやりたいことって?自分軸のつくり方↓↓↓
一つの会社で働き続けるリスクからの脱却方法5選
暗い話が続きましたが、でも大丈夫!
脱会社依存はできます。
(1)脱会社依存①:学び直しをする
何がなんでも転職しなければならないわけではありません。
今の会社を辞められない理由がある、もしくは辞める理由がない人もいます。
それでも目の前の仕事だけをするのはリスクが高いです。
☑大学などの学校に通う
☑社外のセミナーに参加する
☑資格取得に挑戦する
これらの学び直しでスキルアップが見込めます。
ポイントは“社外”です。
外の世界にふれて「自社がすべてではない」ことを知ることが重要です。
本当に自分がやりたいことが見えてくることもあります。
↓↓↓なんの情報を収集するのか?↓↓↓
↓↓↓資格がこれから必要になる理由↓↓↓
(2)脱会社依存②:副業をはじめる
すぐに転職や独立をしなくても副業をしてみるのも一つです。
副業とは言葉通り、本業とはちがいますが、自分で事業を起こすことです。
独立起業の準備とも言えますし、転職の足掛かりとなることもあります。
副業は何より会社に頼らず、自分の力でかせぐ経験ができますし、本業では身につかないスキルが手に入ります。
副業は事業なので、マーケティング・経費管理・税務知識など経営感覚も身につきます。
↓↓↓自分はどんな副業をすればいい?↓↓↓
(3)脱会社依存③:転職活動をする
転職、ではなく転職活動です。
転職活動をするだけの脱会社依存の行為と言えます。
なぜなら転職活動は、
☑社外を見る
☑自分を見つけ直す
☑自分の市場価値を査定される
からです。
転職活動をすることで「今の会社に依存していてはヤバい」や、逆に「今の会社って意外と好条件だった」と再認識できるかもしれません。
転職のし方ぐらいは知っておいてもよいのではないでしょうか。
転職はリスクがありますが、転職活動はノーリスクです。
↓↓↓転職が怖い人ほど転職活動した方が良い理由↓↓↓
(4)脱会社依存④:転職する
脱会社依存には転職は有効です。
今のご時世「40歳で一度も転職したことない人は“変化に弱い人”と見られます」と私がお世話になっている転職エージェントから聞きました。
転職することで、変化が生まれます。
☑新しい人間関係を構築する力が身につく
☑(前職の)役職ではなく、実力で仕事ができる
☑環境を変化させられる(年収・休日日数・転勤有無など)
↓↓↓はじめて転職活動する前に↓↓↓
(5)脱会社依存⑤:独立起業する
脱会社依存の最上級はやはり独立起業です。
言葉通り、独立ですので会社に依存することは一切ありません。
ただし依存しない反面、誰も助けてくれません。
売上が上がらなくて収入がなくても、体調が悪くて休めなくても、すべて自己責任です。
もちろん有給も家賃補助もありません。
それでも完全脱会社依存を望むのであれば、独立起業はオススメです。
一般的には、以下の順番で進めるとよいのではないでしょうか。
①サラリーマンとして目の前の仕事を頑張る(修行させてもらう)
②本業に関する勉強をする(学び直し)
③副業をはじめる(経営感覚を身につける)
④転職活動する(毎年1回、健康診断的に)
⑤転職する(1社でも数社でも)
⑥独立起業する(完全脱会社依存)
↓↓↓起業の成功確率を高める↓↓↓
「一つの会社で働き続ける」に関わるよくある質問
一つの会社で働き続けることに関する”あるある”をまとめました。
(1)同じ会社で働き続けるメリットはないですか
あります。
①退職金
早期に転職した時と比べて、新卒から定年まで勤め上げると一般に、多額の退職金が手に入ります。
ただし退職金制度自体が時代に即しておらず、20年間で1000万円以上減っています。
↓↓↓退職金、今やめたらいくら?↓↓↓
②精神的には楽
何十年も同じ人間関係だと気を遣わなくなってきて楽かもしれません。
特に大企業だと突然倒産する可能性は低く、精神的には安心できるかもしれません。
ただし前述の通り、ゆでがえるになっていて、気が付いた時は手遅れ…といった可能性もあります。
(2)大企業なら大丈夫なのか?
大丈夫ではありません。
前述の通り、企業規模に関わらず、倒産の危機は訪れるかもしれません。
倒産しなくてもリストラや減給の可能性は十分あります。
(3)今年で45歳ですが、中高年で転職や独立は遅いですか?
むしろ中高年になってからの方が良いのではないでしょうか。
十分にスキルや人脈があると思います。
今の転職市場は年代別でみれば、40代50代が伸長しています。
ただし独立はご家族がいれば慎重に考えてください。(副業からスタートする、など)
(4)来年、現職場で管理職になれそうですがすぐに転職した方がいいですか?
ケースバイケースですが、管理職を1年間経験してから転職されてはいかがでしょうか。
なぜなら…
☑️新しい業務での1年目は成長率が高い
☑️現職位より視座が高くなる
☑️職務経歴書にマネジメント経験ありと書ける(転職の選択肢が広がる)
(5)現職場で評価されていますが、それでも転職した方がいいですか?
現職場に全く不満や不安がなければ、転職しなくていいと思います。
ただし転職活動はした方がいいです。
なぜなら現職場の会社、転職市場(他の会社)、そしてあなたの価値と比較できるからです。
現職場を良い職場と思っていてももっと成長できる、年収の高い職場が見つかるかもしれません。
何より現職が本当にやりたい仕事なのか、多忙なほど自分をごまかしている可能性が高いです。
もし現職場以上の会社が見つからなければ転職しなければいいだけです。
脱会社依存は今すぐできる
脱会社依存はすぐにできます。
「会社に頼らない」と決めて、行動するだけです。
「この会社に見捨てられたら自分はどうなる…」といった後ろ向きな考えではなく、自分のやりたいこと、ステップアップのための脱会社依存です。
会社に自分の命運を握らせずに、自分でコントロールしていきましょう。
・令和のご時世、国にも会社にも依存できなくなった
・働き方がジョブ型雇用に変化している(終身雇用の崩壊)
・一つの会社で働き続けるとスキルアップしづらい
・脱会社依存のために外の世界(学び直し、副業、転職、独立)を見る
・脱会社依存は今すぐにできる