☑モンスター社員(部下)によりチームの生産性が落ちて困っている管理職の方
☑モンスター社員(同僚)のせいで会社に行きたくない方
☑モンスター社員(上司)のせいでやる気がなくなった方
百害あって一利なし。
しかしモンスター社員には弱点があります。
彼らをタイプ別に分析し、正しい対応していけば被害は最小限に食い止められます。
何も辞めさせることだけがすべてではありません。
あなたが逆パワハラだと訴えられる可能性もありますので、リスク回避しつつ、モンスター社員と向き合う必要があります。
・モンスター社員の存在はチームの生産性が低下し、離職率が上がり、社外からの評価も落ちてしまう
・モンスター社員のタイプ別の特徴や弱点を知ることで戦いやすくなる
・モンスター社員への指導履歴を残すことでリスク回避できる
・一人でモンスター社員と戦わず、他者を頼る
・やれるだけやって解決しなければ、転職活動を始める
モンスター社員がおよぼす3つの不利益
まずモンスター社員がどんな不利益をもたらすのか?
管理職、同僚、会社の3つの目線から確認しましょう。
(1)チームの生産性が落ちる
モンスター社員はチームの売上及び利益やモチベーションを下げ、労働時間やストレスを上げ(増大)ます。
もしあなたがチームの責任者(管理職)であれば、以下のような悪影響を受けます。
モンスター社員によりチームの輪を乱される
⇒ チームメンバーのモチベーションが下がる(コミュニケーションも減る)
⇒ チーム間での協力が減る
⇒ 業績が上がりづらくなる
⇒ あなたもチームメンバーの評価も下がる
モンスター社員は個人に迷惑をかけるだけでなく、組織にとって不利益な存在なのです。
(2)離職率の上昇
モンスター社員よって、職場のストレスが増加し、不適切な対応やハラスメントが発生する可能性が高まります。
これらの問題が長期化すると、従業員の離職率が上がってきます。
一方、モンスター社員自身は文句を言うわりに、離職しないのが彼らの特徴のひとつです。
(3)組織の評判の悪化
モンスター社員のタイプにもよりますが、ステークホルダー(取引先や顧客など)に対してもキバを向くことがあり、社外からも「あの会社は大丈夫か?」と見られてしまうことがあります。
直接的に社外にキバを向けなくても、モンスター社員が社内で問題を引き起こすことによって、組織の評価が悪くなる可能性があります。
モンスター社員の特徴や弱点~5つタイプ別分析~
厄介なモンスター社員ですが、彼らにも弱点はあります。
私が実際に前職で出会ったモンスター達を例に上げて、5つのタイプを分析していきましょう。
(1)モンスター社員|自信過剰タイプ(逆パワハラ):Aさん(当時44歳)
☑特徴:管理職の指示に従わない
☑特技:かみつき
☑弱点:一人になること(味方がいない)
チームで決めたことをやりません。
自分の価値観を絶対的に信じており、「なぜやらないの?」と言うとスネたり、言い訳をします。
たとえば会議で「今週はこの提案でいこう」と決まったとしても、「それはおかしい。お客さんのためにならない。」などもっともらしい発言をし、他メンバーも何も言えなくなってしまいます。
また言うことを聞きやすい後輩を巻き込み、「オレだけが言ってるんじゃない。みんなが言ってるんだ。」と主張するために小集団をつくります。
取り巻きがいないと弱っちいのです。
(2)モンスター社員|知識偏重タイプ:Bさん(当時35歳)
☑特徴:正論で管理職を責める
☑特技:論破
☑弱点:論破
常に管理職をバカした態度を取り、業務指示にも従いません。
「管理職は何もしない」「管理職なんていらない」が口ぐせです。
バカにするだけなら実害はないのですが、周囲のメンバーによっては「(モンスター社員が)言ってことは正しいのではないか?」と思ってしまうことがあるのです。
目標達成のため、部署での取り決めをしても「残業代出ないのになんでやるのか?」と残業前提の話にすり替えたりします。
一方で、他人を論破する(攻め)は得意ですが、論破される(守り)が弱く傾向があります。
(3)モンスター社員|無気力タイプ:Cさん(当時26歳)
☑特徴:とにかく仕事をしたくない
☑特技:サボり
☑弱点:裏取り
おとなしいですが、タチの悪いモンスターです。
Cさんはデスクワーク業務が中心ですが、業務時間の2割ぐらいは事務所にいません。
その2割の時間はトイレに行っています。
うわさではスマホでビットコインの値動きやアプリゲームをしているとのこと…
これが事実かは立証できていませんが、トイレに行っていたことは事実です。
厄介なのはここからです。
管理職がCさんに「トイレ多くない?」と指摘すると彼はとんでもない行動に出ました。
なんと「パワハラでうつ病になった」と嘘をついて、傷病手当金をもらうことになったのです。
なぜ嘘かわかったかというとCさんの同期とのSNSから発覚したからです。
(4)モンスター社員|攻撃タイプ:Dさん(当時37歳)
☑特徴:承認欲求が強すぎる
☑特技:訴訟
☑弱点:承認してあげない
自信過剰タイプと似ていますが、さらに厄介です。
上司に「あなたのこの行動は間違っている。改めてください。」と指示すると、逆に攻撃を仕掛けられます。
Dさんはとにかく自分が否定されるのがイヤで、この上司に対して「パワハラされた」と訴訟を起こしました。
現在、Dさんはこの上司とは離れ、別の部署で働いますが、今でも訴訟は続いているとか。
↓↓↓パワハラには正しい知識で対応を↓↓↓
(5)モンスター社員|俺が法律タイプ:Eさん(当時48歳)
☑特徴:自分が一番エラいと思っている
☑特技:武勇伝
☑弱点:もっと上の権力
いわゆるパワハラ上司です。
過去にその会社で成功し、比較的早く出世した人がモンスター化するとこうなります。
権力を手にして、ますます好き勝手やります。
好き勝手できる部下を周囲(自部署)に集め、言うことをよく聞く部下を出世させます。
そしてその部下も同じように…エンドレスループに入ります。
↓↓↓こんなモンスターがいると終わってる会社になります↓↓↓
モンスター社員の対処法
次にモンスター社員にはどのように対処していけばよいのか見ていきましょう。
(1)モンスター社員への指導
くさいものにはフタを…とモンスター社員を放置しておくのはよろしくありません。
なぜなら多くのモンスター社員は放置すると図に乗って悪影響をおよぼし、ますます被害が広がるからです。
以下、指導にあたっての留意点になります。
①指導履歴を残す
最も重要な対処法になります。
書面(メールなど電磁的記録も可)にどんな指導をしたのか履歴を残しましょう。
履歴を残す主な目的は以下の3点です。
☑モンスター社員が訴訟を起こした時にあなたが正しいことを立証するため
☑モンスター社員を辞めさせる時に管理者としてやるべきことをやった証になるため
☑記録を残しておかないと自分自身が失念してしまうため
↓↓↓モンスター社員に訴えられたらどうなる?↓↓↓
②モンスター社員を変えようと思わない
心構え的な話になりますが、モンスター社員を更生させようとは思わない方がいいです。
「話せばわかる」が通用する相手であれば、おそらく今までの人生でどうにかなっている(モンスター化しない)はずです。
変えるのであれば、部署内ルールや就業規則の方にしましょう。
③周囲メンバーへのアピール
あなたが「モンスター社員を野放しにしている」とまともなメンバーから見られるとさらにチームの生産性は低下します。
厄介な相手でも管理者としてしっかり対応している姿勢を他メンバーに見せるのも仕事です。
(2)モンスター社員の取り扱い
①配置転換
他部署や上長と連携して、モンスター社員を影響が少ない部署に異動させましょう。
人事などとしっかり根回ししておかないと「不当な異動命令だ」とモンスター社員が暴れ出す可能性があります。
②懲戒処分・解雇
あまりにも目に余るようなモンスターっぷりを発揮するようでしたら、懲戒処分や解雇が最終手段となります。
当然ながら「チームワークを乱すから」など抽象的な理由での解雇は、逆に会社(上司)が訴えられます。
誓約書や始末書を書かせた上で、上長からの指導などを積み重ねて合法的に辞めてもらう必要があります。
辞めさせるためにも前述の指導履歴が重要になります。
(3)他者を頼る
「彼(彼女)は業務指示に従わず、営業数値目標も無視しています。周囲に愚痴をまきちらし、チームワークを阻害し、部署の秩序を乱しています。」
このようなフレーズを共通認識として、他者を巻き込んで対処しましょう。
①社内の他部署
直属の上司に加えて、大企業であれば人事部やコンプライアンス統括部、中小企業であれば人事総務部と協業して、モンスター社員と戦うのです。
モンスター社員との戦いはチーム戦です。
②公的機関
基本的には社内で完結すべきですが、社内が信用できなかったり、退職覚悟で戦う場合は公的機関を頼るのもひとつの手段です。
厚生労働省『総合労働相談コーナー』が最適かと思います。
③弁護士
経営者の方でモンスター社員にお困りの場合、他の社員に相談しても解決しないことが多いです。
またモンスター社員と認識していても、人不足でなかなか指導できなかったり、判断が難しいケースもあります。
そんな時は弁護士を頼りましょう。
モンスター社員対応に詳しい弁護士法人もあります。
弁護士法人 咲くやこの花法律事務所「モンスター社員とは?問題社員の対応を事例付きで弁護士が解説」
モンスター社員にまつわる“あるある“質問と回答
モンスター社員について気になる、“あるある“を見ていきましょう。
(1)モンスター社員の末路はどうなりますか?
最終的には3段階あります。
①レベル1:社内で嫌われて終わる
転職すること(する勇気がない)もなく、社内に居続けて、嫌われるだけ嫌われて会社員人生を終えます。
②レベル2:閑職に追いやられる
大企業であれば、出向や望まない遠隔地へ飛ばされます。
③レベル3:路頭に迷う
退職勧奨や懲戒解雇で会社を去ることになります。
転職市場でも価値がないため、転職はまず無理です。
↓↓↓モンスター社員の末路、もう少し詳しく知りたい↓↓↓
(2)モンスター社員を辞めさせるにはどうしたらいいですか?
モンスター社員を合法的に辞めさせる流れは以下の通りです。
①証拠(指導履歴や不正の事実など)を収集・記録をする
②モンスター社員に対して、口頭や書面で指導する
③モンスター社員自身に始末書や誓約書を提出させる
④人事異動などの配置転換を実施する
⑤懲戒処分対応
⑥退職勧奨を実施
⑦解雇する
現行の日本の労働法では解雇は非常にハードルが高いです。
一方で、徐々に終身雇用は崩壊してきており、米国のように解雇のハードルが低くなっていくのは時間の問題です。
実際に進んでいる会社は、メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用になってきています。
引用:ニュースイッチ「活発化する「ジョブ型雇用」導入で個人に求められること」
(3)モンスター社員を採用しないために
会社に不利益しかないモンスター社員は辞めさせたいですが、それ以前に採用しないためにはどうすればいいでしょうか?
採用面接時の要注意人物およびチェック内容をまとめました。
①質問に対しての回答があいまいなことが多い人
都合が悪い質問(前職での弱みや失敗談)にはっきり答えない人は、入社後にモンスター化するケースが多く発生します。
なぜなら入社後もミスした際に、他人に責任を押し付けたり、自分の正当性を無理やり通そうとするからです。
つまり自分の否を認められない人は要注意です。
「何か隠しているのか?ごまかそうとしているな?」と少しでも感じたら踏み込んで質問をしてみてください。
②前職での周囲との関わりについてのエピソードがない人
面接の場で、個人のエピソードしか言わない人は注意が必要です。
たとえば何かしら実績を上げたエピソードが出たとして、
〇 他部署や同僚、上司とのチームプレイや協力して…
× 自分一人で実績を上げた
このような人物は、入社後もチームワークを乱し、個人プレーで成果を出そうとする可能性があります。
③何かと連絡が遅い人
面接の場の話とは少し違いますが、面接日程の調整や、書類のやり取りなど連絡をすることがあると思いますが、連絡が遅い人は要注意です。
一般に入社前は印象が悪いことはしないはずです。
それでもやってしまうという人は入社後も報連相ができない、平気で他人に迷惑をかけるモンスター社員である確率がきわめて高いです。
やれるだけやってダメなら
モンスター社員に追い込まれる中間管理職は少なくありません。
あなたが悪いわけではなく、個人ではどうにもできないことです。
本記事の内容など参考していただき、やれることをやってもダメだったら転職活動も視野に入れてみてください。
今すぐ転職できる状態ではないかもしれませんが、転職活動を始めておくことで「この会社だけじゃない」と視野が広がり、気持ちが楽になります。
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・モンスター社員の存在はチームの生産性が低下し、離職率が上がり、社外からの評価も落ちてしまう
・モンスター社員のタイプ別の特徴や弱点を知ることで戦いやすくなる
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