☑中小企業診断士という資格に興味がある
☑中小企業診断士の一次試験を学習中
☑中小企業診断士の二次試験は受かる気がしない
・二次試験と一次試験との最大のちがいは模範解答が無い事
・二次試験の勉強時間の半分は、勉強法の情報収集に充てる
・モチベーションを維持するために同じ環境の人たちと関わる
・試験3ヶ月前から試験当日を意識した準備をし、当日の負荷を減らす
・二次試験は受かる気がしないからこそ価値がある
二次試験ってどんな試験?まずは全体像を理解しよう
まずは中小企業診断士二次試験の全体像をお伝えいたします。
一次試験とのちがい、難易度や合格率、どんな問題が出されるのかを確認しましょう。
(1)二次試験の概要と一次試験との違い
中小企業診断士の二次試験は、記述式で企業の実際の事例に基づく問題に対し、課題分析と解決策を論述する形式です。
一次試験が選択式で幅広い知識を問うのに対し、二次試験は応用力や論理的思考力が重要視され、より実務に近いスキルが試されます。
4つの事例企業に対し、解決策を示しながら企業診断を行い、経営改善の提案を行う力が求められます。総合力と説得力ある文章力も評価基準になります。
以下のような事例企業の与件文を読み込み、設問に解答します。(マーカーやら赤ペンやらは私の書き込みです)
↓↓↓実際の問題(与件文)↓↓↓
(2)記述式の試験の難易度と合格率
中小企業診断士の二次試験は、記述式で実務的な応用力が問われるため、多くの受験者が苦戦します。
試験では、事例に基づく経営課題を分析し、論理的かつ説得力のある解決策を短時間で記述する必要があります。
加えて、二次試験の受験条件は一次試験合格ですので、一次で勝ち残った猛者との戦いになります。
なお中小企業診断士の合格率はおおむね一次試験25%×二次試験18%ですので4.5%程度です。
二次は筆記合格後に面接がありますが、99%が合格しています(対策は必要ですが、本記事では割愛いたします)
(3)記述式の試験ではどんな問題が出るのか?
中小企業診断士の二次試験では、4つの事例が出題され、それぞれが異なる経営分野に関する課題を扱います。
具体的には、以下の内容が問われます。
☑事例I(組織・人事): 組織・人事や経営戦略に関する課題解決問題。
☑事例II(マーケティング・流通): 市場分析やマーケティングの課題解決問題。
☑事例III(生産・技術): 生産管理や技術戦略に関する課題解決問題。
☑事例IV(財務・会計): 財務諸表の分析や資金調達の検討等。
これらの事例を通じて、受験者の応用力、課題解決力、論理的思考が試されます。
なお各事例80分間という制限時間内での解答が求められます。
【絶賛実践中】ちょっと特殊な二次試験の勉強法
中小企業診断士の二次試験は、少し特殊とも言える勉強法が必要です。
二次試験を体系化し、勉強方法や情報源の選び方、自己分析から学習スケジュールまで整理しました。
(1)中小企業診断士の二次試験を体系化
全体像を把握せずに「とりあえず過去問を10年分やろう」と学習を進めていくと、勉強法の方向性を誤り、時間のムダになります。(私も学習当初はやらかしました、、。)
以下の6つの項目を抑えることである程度全体像は理解できると考えます。
①診断士試験ならではのお作法
まず診断士試験独特のお作法のようなものを理解しておく必要があります。
数多くありますが、キリがないので本記事では一部ご紹介いたします。
お作法とは「問題文には書いて無くても、わかっているよね?」という暗黙の了解的なものです。
以下のお作法の一例です。
これが中小企業の当たり前…
①差別化集中戦略
②経営資源配分は強みで機会をつかむ
③高付加価値化して差別化
④不足資源は外部と連携
⑤常にシナジーを意識
⑥原則、大規模投資しない(できない)
②論理・思考
論述試験ですので、採点者が受験者の解答文を読んで採点をします。
つまり解答文が「論理的な構成になっている」「設問同士の一貫性がある」「日本語として正しい(主語と述語等)」等が求められます。
当たり前と言えば当たり前ですが…
☑因果関係
「〇〇により、△△のため、□□を実施する。以上で◇◇を図る。」など因果関係のある文章が求められます。
☑一貫性
ひとつの事例で4~5問解答することになりますが、一貫した内容でなければ減点されます。
たとえば設問1で「コストリーダーシップ戦略」と解答しているのに、設問5で「高付加価値化で差別化集中戦略」等を解答しているとNGです。(そもそも診断士試験でコストリーダーシップ戦略はまず無いですが…)
☑抽象と具体の程度
解答は出来るだけ具体性が高い方が良いのですが、100文字など字数制限があるので設問によっては抽象度が高い解答も求められます。
どこまで抽象化、もしくは具体化するのかも手腕が問われます。
☑切り口
解答は複数の切り口の方が加点されやすくなります。
たとえば3つのメリットを解答する時に、利益向上のために①既存顧客増②新規顧客増③客単価増の案よりも、①客単価増②経費削減③人材育成のように多面的に解答しましょう。
③重要キーワード
診断士試験は重要キーワードが入っているかも採点基準だと言われています。
「作業標準化の上、OJTにより多能工化し、生産能力向上を図る」
「顧客との関係性を強化し、固定客化を図る」
おそらくここらですね。
④事例別傾向
4つの事例を一言で言うのは無理があるのは重々承知ですが、本記事ではあくまでイメージということでご容赦くださいませ…
☑Ⅰ:組織は戦略に従う ⇒抽象的な設問が多い
☑Ⅱ:強みで機会を捉える ⇒解答の一貫性がより重視される
☑Ⅲ:弱みをなくして効率化 ⇒弱みをすべて改善する
☑Ⅳ:(一言で言えない…)が少なくとも計算問題ではない
⑤解答文章の書き方
文字の美しさは採点基準にはなっていないと思われますが、採点者の身になってみればストレスを与えない程度の丁寧さが求められます。
また文章のわかりやすさ、読み易さも重要です。たとえば「100字以内で助言せよ」という設問に対して、解答文章の100字が一文で完結しており、句読点が一つもないと採点者が読みづらいですよね。
⑥もろもろ標準化
☑解答プロセス
標準化しておかないと80分という時間内で戦うの大変です。
どうやって解答するかは型を作っておくことをオススメいたします。
私は現段階では以下のタイムスケジュールですが、ベストな解答プロセスは個々人で異なると思います。
合計時間を75分間としているのは、当日は何かしらのトラブルがあるものだとして、5分間は余裕を持たせています。
☑学習方法
勉強の方向性が定まってきたら、学習方法も標準化した方が良いです。
基本的には二次試験の勉強はは”量”より”質”だと感じています。
つまり過去問をたくさん解くよりも、事例の一つひとつをじっくり振り返り、自己分析を行い、改善を繰り返していった方が効果的です。
具体的には、以下の流れで私は取り組んでいます。
①過去の反省ノートを確認
②過去問解答
③ふぞろい等で自己採点
④YouTube等で受験校の解説を視聴
⑤自己分析し反省ノートに記録
①~⑤を繰り返すことで、事例の解答プロセスへの理解が深まります。
(2)勉強方法は情報収集が肝
二次試験の一次試験との大きな違いは、過去問やテキストをやり込むだけでは合格は厳しそうです。
前述の“お作法”も含め、二次試験独特の特徴を捉えるための情報収集が必要です。
本ブログも含め、多くの個人ブログやYouTube、受験機関が無料で情報発信をしています。
この二次試験勉強方法のの情報収集は、学習時間の半分を占めるぐらいでちょうど良いぐらいです。
(3)参考書や予備校は広く浅く利用
二次試験の情報はネット上にあふれていますが、二次試験は誰も正解を知らない試験です。
つまり「この人が言っていることは絶対正しい」はありません。
もちろん本記事も含めてです。
受験校、個人ブログ、試験研究団体ブログやYouTube…数多くありますが、私は以下の媒体から情報収集しています。
☑受験校:スタディング、TBC(早稲田出版)、EBA
☑オンライン媒体:ブログ(合格一発道場)、YouTube(さまざま)
☑紙媒体:月刊誌企業診断
☑チャットGPT:AIにも手伝ってもらっています
※ちなみにスタディングと企業診断以外はすべて無料です。
↓↓↓毎日お世話になっています↓↓↓
(4)自己分析
二次試験は一次試験以上に自己分析がとても重要です。
一次試験は苦手科目や理解しにくい項目を集中して学習する程度の対策で十分ですが、二次試験は表面的に「合っている間違っている」だけに注力してもあまりレベルアップは望めません。
なぜ書けなかったのか?思いつかなかった?どうして?知識の問題?与件文から見つけられなかったから?など深く深く振り返り、自己分析のメモを残すことをオススメします。
また自己分析は解答した直後にした方が良いです。
解答した同日に、1回目は手書きで時間内で解き、2回目はふぞろいやTBC早稲田出版の解説動画を視聴後に解答文をデータ入力(思考プロセスを思い出しながら)することで正しい解答プロセスが定着します。
(5)学習スケジュールの組み方
中小企業診断士の二次試験受験生は多忙なビジネスパーソンが多いと思います。
だからこそ学習スケジュールを組み、時間管理をする必要があります。
詳細な内容は学習を進めながらで良いかと思いますが、大枠はパワーポイント等にまとめておくと「思ったより勉強できなかった」とはならないで済みます。
モチベーション維持の戦い!諦めたくなるときの対策
私は一次含め、完全合格までは1年半間を立てていますが、多くの受験生が1年以上の長い勉強期間を経験することになると思います。
長期間だからこそのモチベーション維持が重要な課題となります。
(1)合格への焦りと不安との向き合い方
私は二次試験受験が初めてなので焦りという感情はありませんが、仮に不合格だったらやはり焦ると思います…不安になりますよね。
本ブログも含めて、多くの個人ブログの体験記があります。
受験生の中には一部、雲の上の人みたいな天才もいますが、それほど多くはいないと思います。
受験生の多くは努力家の凡人です。
(2)同じ目標を持つ仲間と交流
同じ目標、つまり受験生仲間と交流する事で、有用な情報が入手できたり、自分のレベル感がわかったり、精神的に安心できたりします。
①ココスタ
『ココスタ』はオンラインの受験生応援機関です。
原則3人が1チームになり、過去問等の設問に対する解答を事前に入力しておき、定刻になったらチーム内で意見をぶつけ合う場です。
現役の中小企業診断士である運営の方が参加してくれる事もあります。
またオンラインなので全国の受験生がリモートで参加できるので、時間も場所も選ばないで良いのがメリットです。
目的は自分の課題を見つけて、解決のきっかけをつかむ事です。
たとえば私であれば、一時期与件文をそのまま抜き出すクセがあり、少し論理を無視してしまう傾向に気づけました。
↓↓↓毎週土曜日に勉強会参加しています↓↓↓
②中小企業診断士協会
各都道県にある多くの中小企業診断士協会が受験生向けの勉強会を実施してくれています。
原則、無料で参加できます。(懇親会等は有料)
私は今年の6月と8月に参加してきました。
中小企業診断士協会に参加するメリットは、何より現役の中小企業診断士に会えるので試験対策だけでなく、診断士業務の実務がどうなのか?が聞けて、後々の人脈にもつながる事です。
特に直近で合格した中小企業診断士から話を聞けるのはとても助かります。
(3)小さな成功体験で自信をつける方法
二次試験が難しくて、心が折れることがあります。
時間内に解けなかったり、点数が悪かったら誰しも自己肯定感が下がります。
そんな時は…解ける問題を解く!に尽きます。
他にも比較的難易度の低い資格取得も自信になるとは思いますが、他の資格試験にリソースを奪われることで肝心の中小企業診断士試験がおろそかになるぐらいならやめておいた方が良いです。
時間と労力という資源を中小企業診断士二次試験に集中しましょう。
試験当日に向けての心構えと準備
試験当日の対策は超重要です。
なぜならいくら「1年頑張ったんです!」と試験官に訴えたところで当日、頭が回らなかったり、体調管理が悪くお腹が痛くなったりしたらオシマイです。
資格試験は点数という結果がすべてです。
出来るだけ試験当日に負荷がかからないように、事前準備について確認しましょう。
(1)本番に向けた最終調整と準備
二次試験はまだ受けたことがないので、一次試験の時に実践したことを共有いたします。
試験本番に向けては体調管理が最優先事項です。
体調管理に必要なのが、睡眠と食事、そして試験本番中の会場の温度管理です。
☑睡眠
試験当日の試験は9時~18時頃までありますので、頭がフル回転できる状態にしておきたいですね。
そのために試験1週間前から22:30就寝~6:00起床の習慣にしました。
また質の良い睡眠をするには交感神経刺激しない(眠りにくくなる)ことが重要です。
夕食は18時までに済ませ、20時に入浴しました。
ちなみに長風呂も交感神経を刺激してしまいがちですので、湯船につかるのは10分ぐらいにしておきましょう。
加えて、寝る前のスマホも交感神経を刺激します。
入浴後はスマホを見るのはやめた方が良いですね。(入浴中もやめておきましょう)
☑食事
試験1週間前ぐらいからは食中毒を起こさないように生ものには注意です。
また感染症予防のため、外食も極力控えた方が良いでしょう。
試験当日は、血糖値が急激に上がって眠たくならないように炭水化物(おにぎりやパン等)はたくさん食べない方が良いです。
一方、糖分が不足すると頭が回らなくなるので、チョコレート等の糖分を試験直前に摂取するのも有効でしょう。
診断士受験生に人気なのがラムネです。
あと、一次試験では隣の席の受験生が、ゆで卵を素手でバクバク食べているのを見てすこーしだけ引きました(笑)
☑温度管理
暑かったり寒かったりすると試験に集中できません。
また寒すぎるとトイレが近くなるというデメリットもあります。
二次試験は10月下旬なので寒さ対策が必要になります。
カイロや上着の準備、逆に暖房が強くて汗をかかないようすぐに脱げる服装にしておきます。
(2)【おまけ】試験当日にやってしまった失敗例
2ヶ月前に受験した一次試験の企業経営理論では90分間終始トイレに行きたかったです。
残り時間15分前ぐらいに試験を切り上げて退室しました…
私はトイレが近いです。
それはわかっていたので試験直前15分前にトイレには行っていたのです。
にも関わらず、15分間しか持たなかった…
敗因は、緊張していたのか、それとも試験2時間前に飲んだノンカフェインのカフェオレが悪さをしたのか…(ノンカフェインなら利尿作用ないし大丈夫と考えたのが甘かった)
運良く70点取れていたのですが、本番中は冷や冷やでした…
ちなみに実践はしなかったのですが、トイレ対策でオムツ受験も本気で考えていました。
試験日10日前ぐらいに試したみたのですが、蒸れたのでやめました…
(3)試験当日の行動計画
当日の行動予定はもちろん、宿泊が発生するのであれば前日からの行動予定を分単位で考えておきましょう。
①3ヶ月前
3ヶ月前から宿泊場所とチェックインアウトの時間を明確にしてホテル手配(試験会場が未定であっても当たりをつけて数件仮予約)、移動手段(新幹線やタクシー)、当日の服装、持参物の棚卸をしておきましょう。
【当日持参物】
☑受験票
☑筆記用具(シャーペン、マーカー、定規等)
☑電卓
☑腕時計
☑予備眼鏡
☑アイマスク
☑常備薬
②1ヶ月前
基本的には3ヶ月前で未確定だったことの確定事項についての対応です。
試験会場が明確になり、3ヶ月前に仮予約していたホテルの本予約に切り替えたりします。
新幹線も基本的には1ヶ月ぐらい前でないと予約が取れないですね。
また持参物チェックも再度行いましょう。
ネットでしか販売していないちょっと特殊なシャーペン等、1週間前だと間に合わないものもあります。
③1週間前
睡眠、食事、入浴後にスマホ見ない…等前述の生活習慣に入るタイミングが1週間前です。
またくどいですが、持参物チェックを再度行います。
1週間前ぐらいでないと気温が予測しづらいですしね。
3ヶ月前にも確認しているが、改めて会場までの経路を確認し、徒歩で行けるのか、タクシーを手配する必要があるのか。
当日は雨が降っても問題なく行けるのか。
入念に確認しておきましょう。
④試験前日
会場下見はできれば1週間以上前にしておきたいところですが、遠方の場合は前泊時に確認することになります。
確認ポイントは会場設備というより移動経路が重要です。
また会場のトイレ(特に男子)がどこにあるかも必須の確認事項です。(会場内の下見は厳禁です)
また前日は何時に夕食を摂り、入浴し、就寝するのか計画を立てておきましょう。
試験前日はあまり勉強しようとは考えず、ファイナルペーパー(自分なりに注意点等まとめた資料)の確認だけに留めておくと良いです。
受かる気がしない中小企業診断士の二次試験に合格するために
二次試験と一次試験は模範解答も無く、取り組んだ当初は私も全く受かる気がしませんでした。
しかし試験25日前になり、ようやく合格できるかもしれないという気になっています。(気だけかもしれませんが)
二次試験は過去問の実践はもちろん重要ですが、特殊な試験のため勉強法の情報収集はより重要です。
勉強の方向性を誤るといくら努力しても合格できない気がします。
また長い勉強期間でモチベーションの維持も課題になるかもしれませんが、同じような環境下にいる受験生と交流することで「みんな一緒だ」と気づくことができます。
とはいえ、資格試験はドライなものですから試験当日の結果がすべてです。
試験で自分の全力が出せるようにコンディションを整えることはもちろん、当日の負荷を少しでも減らすために早期に試験当日をイメージして準備を進めておけば、二次試験も怖くありません。(と、自分にも言い聞かせます)
・二次試験と一次試験との最大のちがいは模範解答が無い事
・二次試験の勉強時間の半分は、勉強法の情報収集に充てる
・モチベーションを維持するために同じ環境の人たちと関わる
・試験3ヶ月前から試験当日を意識した準備をし、当日の負荷を減らす
・二次試験は受かる気がしないからこそ価値がある