☑会議の場で「質問ありますか?」の時間が苦痛でしかない
☑面接の場で「質問ありますか?」と聞かれてもありきたりなことしか質問できない
☑「いい質問」がしてみたい
質問力が高くなる3ステップは①質問する相手を知る、②傾聴の心構え、③自分なりの意見や仮説を質問に含める、です。
会議や上司と接する時に「いい質問」ができず、相手や周囲の反応が悪かったり、自分の目的を果たせないことがあります。
「いい質問」は難しいですが、誰でも今からでもできるようになります。
質問力がないとまちがいなく損します。社内での評価、転職時の面接、日常生活すべての場で質問力は必要となります。
本記事では「いい質問」のメリットは?、どうしたらできるの?、「いい質問」のテンプレートについてお伝えいたします。
「いい質問」ができれば、職場での評価や上司との関係性、転職の面接もこわくありません。
・「いい質問」ができれば、相手も周囲も自分も好影響しかない
・「いい質問」ができれば出世も転職もステップアップできる
・「いい質問」をするためには相手を知り、傾聴、仮説の3ステップが必要
・「いい質問」のテンプレートを使って、日頃から質問する訓練をする
・「いい質問」ができれば、ビジネスパーソンとしてワンランク上がる
そもそも「いい質問」って何なのか?~良い質問の仕方~
「いい質問」は質問される側も嬉しくなるし、周囲にも好影響を与えます。さらには相手も気づいていなかった考えを引き出すような質問のことです。
ところで「いい質問ですねぇ」と言えば、テレビでおなじみの池上彰さんですがこんなコメントをされています。
私が「いい質問ですね」と言うとき、実は2つのケースがあります。
ひとつは、次の場合です。私が想定していたニュース解説の流れが、出演者のタレントさんのアドリブ質問で横道にずれることがあります。
こんなとき、話の流れを元に戻してくれるような質問が出ると、「これで話を元に戻すことができる」と、思わずほっとして出てしまう言葉です。
もうひとつは、その質問で、私自身が認識を新たにする場合です。ニュースの本質を衝いた出演者の質問に、私ははっとさせられ、私自身がニュースをより深く理解するきっかけになったとき、私は嬉しくて、この言葉を発します。つまり、いい質問によって、私自身が勉強になるからです。
引用:ORICON NEWS「【2010流行語トップテン】「いい質問ですねぇ」池上彰 喜びのコメント」
「いい質問」を分解すると、【質】【人】【時】です。
詳しく見ていきましょう。
(1)【質】具体的で本質的な質問である
具体的で本質的な質問であれば、相手は回答しやすいし、したくなります。
■具体的 ⇔ 抽象的
■本質的 ⇔ 末梢的
☑具体的:事実として扱うことができる。
☑抽象的:頭の中だけで考えるもの。
☑本質的:重要な。幹の部分。
☑末梢的:つまらない。枝葉の部分。
たとえば、社内で上司に質問するのであれば…
・自部署の営業目標達成方法(訪問件数など項目を絞って)についての質問
・新入社員の育成についての悩み(〇〇さんの報連相について、など)を質問
・顧客へのプレゼンについて、◇◇が目的だとしたら〇と△と□がポイントで間違いないか質問
(2)【人】自分と相手と周囲の関心事である
ただ自分が聞きたいことを聞くのは「いい質問」とは言えません。
相手が気持ち良くなってもらうためだけの質問も「いい質問」ではありません。
自分、相手、さらには周囲の関心事であるかも考える必要があります。
周囲とはケースバイケースですが、社内であれば自部署のメンバー、SNS(Twitter)であれば他のフォロワーです。
たとえば…
・上司であれば、上司の上司についての質問(一般に自分の評価者に対して関心がある)
・SNSでインフルエンサーがこれから広めたいと思っている内容についての質問
・会議の場で、ベテランはわかっているけど新人中堅は理解できなさそうなことを質問
(3)【時】今のタイミングですべき質問である
今、この状況で、このタイミングで質問すべき内容であることが重要です。
仮に以下の状況だったら、どんな質問がいいでしょうか。
☑状況:1年に一度会うかどうかの社長が訪問して、話せる時間は10分間
☑周囲:製造部全メンバー30名(あなたの上司も部下もいます)
☑タイミング:社長は現場(工場の製造ライン)の意見が聴きたいと言っている
・Aさん:「社長!休日は何をされていますか!?」
・Bさん:「社長!残業が多くて困っています。どうしたらいいですか?」
・Cさん:「社長。最近、受注が増えてきて、昨年より90分程度の残業が多いです。社長が直轄の営業部の頑張りで今後も増える見込みです。製造ラインの増設、もしくは増員のご予定ございませんでしょうか?」
あなたが社長ならどの質問なら答える気になりますか?
もし私が社長ならこう考えます。
・Aさん ⇒ × い、今ソレを聞くかね…?私は君の友達じゃないぞ。
・Bさん ⇒ △ 残業が多いのはわかった。(でも程度の残業だ?それとなんで増えた?)しかし、現場からの主体的な意見はないのか?
・Cさん ⇒ 〇 なるほど。現場の苦労はわかった。残業の原因や具体的な数値もわかった。他部署への配慮もあり、自分の意見もあるのだな。だったら…
Cさんの質問なら限られた時間で、現場を訪問した社長もしっかり回答してくれるかもしれませんね。
「いい質問」ができる(質問力が高い)と得られる3つのメリット
「いい質問」のビジネスパーソンにとってのメリットは、出世や転職が有利になることです。加えて、SNSなどのインフルエンサーにも関心を持ってもらえることもあります。
なぜなら「いい質問」ができると自分も、相手も、周囲にとっても好影響があるからです。
相手も、周囲にもメリットをもたらすと、あなたにもメリットがあります。
(1)良い質問はビジネスで生きる:出世できる
「いい質問」ができると社内評価が上がります。
なぜなら「いい質問」ができるということは…
☑具体的で本質的な考え方、アウトプットができる
☑組織(部署など)の課題がわかっている
☑周囲への気遣いができる(自分本位ではない)
☑いわゆる空気が読める(状況を読める)
☑度胸がある(質問相手は目上の人であるケースが多い)
「いい質問」ができる人はこれらの能力が備わっていると言えます。
自分が上司なら、「いい質問」ができる人材には早く出世してもらいたいと考えます。
(2)良い質問はビジネスで生きる:転職がしやすい
「いい質問」ができると転職もしやすいです。
☑応募先企業の面接官に職務内容や待遇についての質問をする時
☑転職エージェントに転職活動の質問をする時
「いい質問」ができる人材は前述の通り、仕事ができるビジネスパーソンだと認められ、内定率が上がります。
職務内容や待遇について的確な質問ができれば、納得いく回答が得られます。
また転職エージェントを利用する場合も「いい質問」ができると効果的な転職活動ができます。
たとえば、自分の希望しない求人を提案された時に「この求人はいりません」ではなく「この求人を提案いただいたのは、前職で経験しているIT業界だからでしょうか?確かにIT業界は希望していますが、WEBマーケティングに絞って職探しをしています。なぜなら…」
こちらの意図が伝わると効果的かつ効率的な転職活動になります。
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(3)インフルエンサーから目をかけられる(SNS)
Twitter、YouTube、Tiktok、ブロガーなどに多くのインフルエンサーが存在します。
彼(彼女)らはイヤというほど多くの人からの質問を受けています。
リプ、コメント欄、問い合わせフォームからのメール…
有名なインフルエンサーほど、質問数が多く、すべては回答しきれません。
質問内容の優先順位を決めて、回答しています。
☑自分のことをよく知ってくれていると感じる内容
☑他の人(フォローなど)も知りたい内容
☑自分が進めたい内容(企画や事業)に関連すること
インフルエンサーになると時間単価が高いです。
つまり(言葉は悪いですが)意味がない質問に回答している時間はありません。
慈善事業ではありませんからね。
時間単価が高いのは会社で言うと上司も同じです。
「いい質問」をするための3ステップ
「いい質問」をするには下準備が欠かせません。
下準備とは、相手を知る(勉強する)、傾聴の心構え、自分なりの仮説を伝える準備です。
(1)質問する相手を知る
質問する相手のことをよく知る必要があります。
得意分野、立場、出身地、家族構成などを知ることで、発言の背景や、何が引き出せるかわかります。
たとえば…
☑上司:社内での立ち位置(次期部長を狙っている、今期の営業成績は絶対落とせないなど)
☑転職:応募先企業の企業研究(経営理念、ビジョンなど)
☑親戚:家族の話(5歳の愛娘がいる)
過去・現在・未来を押さえておくのがポイントです。
未来は想像の域を出ないかもしれませんが、「日頃からあなたのことを考えていますよ」といった気持ちが伝わります。
(2)傾聴の心構え
「いい質問」は相手から意見を引き出す行為です。
つまり相手が気持ち良く話せる環境をつくる必要があります。
話し手の目を見て、聴いているという姿勢や態度を相手に伝えねばなりません。
「聞く」ではなく「聴く」ですね。
「へー」「うんうん」とか聞いているか聞いていないかわからない相手に、真剣に答えてくれませんよね。
(3)自分なりの意見や仮説を質問に含める
「質問」と聞くと「相手に疑問を投げかけて答えを求める」と思っている方がいますが、それは誤りです。
特にビジネスにおいての「いい質問」は「答えを求める」というよりは「方向性を相談する」行為です。
提案を含めた質問をするのが「いい質問」と言えます。
再び、仮に以下の状況だったら、どんな質問がいいか考えてみましょう。
☑状況:1年に一度会うかどうかの社長が訪問して、話せる時間は10分間
☑周囲:製造部全メンバー30名(あなたの上司も部下もいます)
☑タイミング:社長は現場(工場の製造ライン)の意見が聴きたいと言っている
・Aさん:「社長!休日は何をされていますか!?」
・Bさん:「社長!新人が増え、ミス増えてきて困っています。どうしたらいいですか?」
・Cさん:「社長。製造ラインの増設は検討いただけないでしょうか?社長が直轄の営業部の頑張りでありがたいことに今期は前年比135%の見込みです。一方で最近、受注が増えてきて、新人育成が追いついておらず、恥ずかしながら不良率も上がっています。新人育成は我々の責務なのは重々承知しておりますが、物理的に困難な状況です。製造ライン増設投資をしても今後の営業利益から考えれば、4年で回収ができると思います。いかがでしょうか?」
あなたが社長ならどの質問なら答える気になりますか?
もし私が社長ならこう考えます。
・Aさん ⇒ × ん-、論外。
・Bさん ⇒ △ んん、ただ不平不満を言いたいのか。新人育成が君の仕事では?
・Cさん ⇒ 〇 なるほど。他部署の動きも把握していて、製造ライン増設投資についてもよく勉強している。不良率が上がれば顧客離れにもつながるか。少し考えてみるか。だったら…
「いい質問」「よくない質問」の一例
Yahoo!知恵袋で毎日回答しており、「いい質問」「よくない質問」を山ほど見てきました。
正直答える気もしない質問から、勉強になる質問をされる方もいます。
知恵袋でどの質問に回答するかは、1ページ目に表示される質問で、答えるべき内容を決めています。
基本的には「いい質問」に答えるようにしています。
一例を確認してみましょう。
(1)いい質問
①ちゃんと調べた上で質問
質問者が調べた上で質問です。
例:「健康保険の切り替えは14日以内と思いますが…」
最低限のマナーですね。
②方向性を聞く質問
「どうしたらいいですか?」ではなく、自分の意見を入れた質問です。
例:「パワハラで訴えたいけど、〇〇や△△のの証拠はあります。証拠としては十分でしょうか?」
質問者が質問しているわけですから、自分の考えを述べるべきですね。
③背景が見える質問
詳細な状況を伝え、背景がわかる質問です。
例:「28歳で初めての転職希望です。転職活動は初めてで…(中略)…年収500万程度を目指していますが、転職サイトでは良い求人がありませんでした。転職エージェントは年収交渉もしてくれると聞いたことありますが、実際のところどうでしょうか?オススメの転職エージェントあれば教えてください。」
具体的に状況を教えてくれれば、助言ができます。
(2)よくない質問
①丸投げ質問
自分で何も考えていない、回答者にすべて委ねてくる質問です。
例:「履歴書の書き方は、なんですか? 退職理由 志望動機など。」
どんな業界?退職理由って何をしていたの??
自分が困っている目の前のことを書いただけですよね。
回答者の時間を奪っているだけです。
②答える意味がない質問
言葉は悪いですが、もはや回答する気が起きない意味がない質問です。
例:「履歴書の職務内容等って書くべきでしょうか?そうなると職歴がはみ出してしまいます。」
質問者本人は困っているから質問しているとは思いますが、「書くべきです」「書かなくていいですよ」どちらを回答しても…どうしたいのか。
③質問内容が理解できない質問
質問内容が何を言いたいのか、知りたいのか、さっぱりわからない質問です。
☑内容そのものが支離滅裂(文章書くのが苦手なら練習しましょう)
☑1,000字ぐらいの長文(長文が悪いのではなく結論がないのが悪い)
☑一切改行無し
☑長文なのに、箇条書きなど工夫なし
センスのいい質問をするためのテンプレート
実は「いい質問」には型があります。
ケースバイケースではありますが、困ったらテンプレートを使ってください。
特にネットで質問する場合は使えると思います。
☑概要:何が知りたい(端的に結論)
☑意図:知ることであなたが何をしたいのか(目的)
☑現状:あなたは今どんな状況で、どうして悩んでいるのか
☑調査:質問について、どこまで調べたか
「いい質問」ができれば、ビジネスパーソンとしてワンランク上がる
繰り返しですが、「いい質問」は質問相手も、周囲の人たちも、そして何より自分もハッピーになります。
質問力を上げれば、ビジネススキルが上げられます。
ビジネススキルが上がれば、出世や転職でもプラスに働き年収アップにもつながる可能性が高まります。
質問力は一朝一夕では身につきませんが「いい質問とは何か?」を意識して、質問をすることを習慣化すれば、あなたもビジネスパーソンとしてワンランク上がります。
・「いい質問」ができれば、相手も周囲も自分も好影響しかない
・「いい質問」ができれば出世も転職もステップアップできる
・「いい質問」をするためには相手を知り、傾聴、仮説の3ステップが必要
・「いい質問」のテンプレートを使って、日頃から質問する訓練をする
・「いい質問」ができれば、ビジネスパーソンとしてワンランク上がる